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18、おっチャン、イカツイもんにかこまれる
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グオオオオオオオオオ。
グギュー、キュルルル。
ギュルルルル~ゥ。
赤竜騎士の訓練所の片隅に、
不気味な音を鳴らす者たちがいた。
「くそっ…どうして俺たちが
あんなおチビに……。」
「でも、天使か魔物のように可愛かったなぁ。」
「団長も団長であんな見たこともない
笑顔で……。くそっ、かっこいいし
俺、凛々しい団長の笑顔を初めて
見たんだぞ。あいつは、可愛いだけじゃなく
団長の素敵な笑顔を間近でみたんだぞ。」
「…羨ましい。」
「魅了とかの魔法で、団長たちを
まるめこんだんじゃないか?」
「んー、あの可愛さはやばい。」
「フリフリの服……。あの新婚さんが
着るという憧れの、あの服を
身につけていたし、くそー、
団長が、俺の団長が……。」
「…オスカル様まで、あの子に虜だし
あの、料理長をメロメロにしたんだ。」
「かなりの魅了の魔力の持ち主だ。」
「特別に作った魔封じのブレスレット、
もともとは罪人に付けるやつだが
俺たちが動かないと、赤竜騎士団はあの
可愛いすぎる魔物に乗っ取られるぞ。」
「…だな。気は進まないが。」
「…しかたがない。」
「ついでに、食堂のシステムも今まで
通りに戻してもらおう。」
「……。」
「……あ、あぁ。」
「「「腹減ったぁぁぁ。」」」
3人の微妙な結束力とお腹の音は鳴り続いた。
ナオキを襲う算段をしていた3人の
目の前に、まさしく"ナオキ"という
美味しいエサが、飛び込んできたのだった。
大きなバスケットを持ったナオキは
訓練所に向かっていた。
「おい、ちょっとまて。」
「ん?」
グオオオオオオオオオ。
「おい、お、おまえちっこいなぁ、
ちゃんと食ってるのか?」
グギュー、キュルルル。
「はぁ、はい、食べてます。」
ギュルルルル~ゥ。
「そ、そうか。食ってるならいい、
お、おまえにプレゼントをやる。」
ぎゅるるるー。
「知らない人からは物を受け取らない
主義やから、お気持ちだけで……。」
グキュゥ~。
「いやいや、俺たちの気持ちだから
ぜひ、食堂のシステムが変わった
お礼だよ。」
カチッ。
「あぁ、食堂の。お兄さんたちも、
赤竜騎士団の方やんねー?」
「そ、そうだ。ハロルド団長率いる
イケてる赤竜騎士団だ。」
ぎゅーぅぅぅ。
「お兄さんたち、お腹減ってるんやね。」
「「「うっ。」」」
「はい、これ。練習?修練場かな?
ハロルドさん達への差し入れなんやけど、
とりあえず一つ持ってきたの。あと、
4つあるから、ハロルドさんたちに
手を借りたかったんやけど、お兄さんたち
休憩中なの?」
「……。」
「……あ、あぁ。」
「お腹が空きすぎて、鍛錬どころじゃないんだ。」
「……ごめんね。よく食べる人は、2~3人前は
軽く食べてるって、料理長からきいたんだ。」
「4人前は食べれる。」
「俺もそれくらい。」
「その、いい匂いがしてくるのは、なんだ?」
ぎゅるるるる。
「あっこれは、ファイアーカウカウと
ファイアーポクポク、あとファイアーバード
スモークガニなどのサンドイッチだよ。」
3人はカゴから目が離せなくなった。
「おーい、ナオキ。何してるんだ?」
「なんだ?お前たち?サボりか?」
「……。」
サボり3人組の前に、ハロルド団長、
シン副団長、オスカル軍師が立ちはだかるように
3人を囲みはじめた。
「んっ、これは?」
手首にハマったブレスレット。
目敏くみつけるハロルド。
「あっ、これ。食堂のシステムを変えた
お礼って言ってもらったの。一応、
断ったんだけどね。キラキラして、
きれいな石やね。濃いピンクやけど、
光の加減でハロルドさんの色にも見えるねー。」
3人は青ざめていた。
バレる。
ハロルドの目が見開いた。
ハロルドは妄想した。
先にやられた。悔しい!!
俺の色に似たブレスレット……。
悔しいが、許してやる。次はないぞ!!
名前がたしか……。
アーボ、パーガ、ナーズだった気がする。
顔はわかるが名前を覚えるのが苦手だが
脳筋の3人組で少々、協調性に
欠けている問題の者だったはず。
鍛え直してやろう。
「フッ。」
ハロルドは笑みを浮かべた。
俺の色を身につけたナオキ。
悪くない。他の男から貰った物を
身に付けさせたくない。くそっ、
こいつら、姑息な手を使いやがって。
しかし、喜んでるから下手に外しにくい。
あとで、こっそりすり替えようか?
いや、ダメだ。
あいつらよりいいのを贈ろう。
「ふふっ。」
グギュー、キュルルル。
ギュルルルル~ゥ。
赤竜騎士の訓練所の片隅に、
不気味な音を鳴らす者たちがいた。
「くそっ…どうして俺たちが
あんなおチビに……。」
「でも、天使か魔物のように可愛かったなぁ。」
「団長も団長であんな見たこともない
笑顔で……。くそっ、かっこいいし
俺、凛々しい団長の笑顔を初めて
見たんだぞ。あいつは、可愛いだけじゃなく
団長の素敵な笑顔を間近でみたんだぞ。」
「…羨ましい。」
「魅了とかの魔法で、団長たちを
まるめこんだんじゃないか?」
「んー、あの可愛さはやばい。」
「フリフリの服……。あの新婚さんが
着るという憧れの、あの服を
身につけていたし、くそー、
団長が、俺の団長が……。」
「…オスカル様まで、あの子に虜だし
あの、料理長をメロメロにしたんだ。」
「かなりの魅了の魔力の持ち主だ。」
「特別に作った魔封じのブレスレット、
もともとは罪人に付けるやつだが
俺たちが動かないと、赤竜騎士団はあの
可愛いすぎる魔物に乗っ取られるぞ。」
「…だな。気は進まないが。」
「…しかたがない。」
「ついでに、食堂のシステムも今まで
通りに戻してもらおう。」
「……。」
「……あ、あぁ。」
「「「腹減ったぁぁぁ。」」」
3人の微妙な結束力とお腹の音は鳴り続いた。
ナオキを襲う算段をしていた3人の
目の前に、まさしく"ナオキ"という
美味しいエサが、飛び込んできたのだった。
大きなバスケットを持ったナオキは
訓練所に向かっていた。
「おい、ちょっとまて。」
「ん?」
グオオオオオオオオオ。
「おい、お、おまえちっこいなぁ、
ちゃんと食ってるのか?」
グギュー、キュルルル。
「はぁ、はい、食べてます。」
ギュルルルル~ゥ。
「そ、そうか。食ってるならいい、
お、おまえにプレゼントをやる。」
ぎゅるるるー。
「知らない人からは物を受け取らない
主義やから、お気持ちだけで……。」
グキュゥ~。
「いやいや、俺たちの気持ちだから
ぜひ、食堂のシステムが変わった
お礼だよ。」
カチッ。
「あぁ、食堂の。お兄さんたちも、
赤竜騎士団の方やんねー?」
「そ、そうだ。ハロルド団長率いる
イケてる赤竜騎士団だ。」
ぎゅーぅぅぅ。
「お兄さんたち、お腹減ってるんやね。」
「「「うっ。」」」
「はい、これ。練習?修練場かな?
ハロルドさん達への差し入れなんやけど、
とりあえず一つ持ってきたの。あと、
4つあるから、ハロルドさんたちに
手を借りたかったんやけど、お兄さんたち
休憩中なの?」
「……。」
「……あ、あぁ。」
「お腹が空きすぎて、鍛錬どころじゃないんだ。」
「……ごめんね。よく食べる人は、2~3人前は
軽く食べてるって、料理長からきいたんだ。」
「4人前は食べれる。」
「俺もそれくらい。」
「その、いい匂いがしてくるのは、なんだ?」
ぎゅるるるる。
「あっこれは、ファイアーカウカウと
ファイアーポクポク、あとファイアーバード
スモークガニなどのサンドイッチだよ。」
3人はカゴから目が離せなくなった。
「おーい、ナオキ。何してるんだ?」
「なんだ?お前たち?サボりか?」
「……。」
サボり3人組の前に、ハロルド団長、
シン副団長、オスカル軍師が立ちはだかるように
3人を囲みはじめた。
「んっ、これは?」
手首にハマったブレスレット。
目敏くみつけるハロルド。
「あっ、これ。食堂のシステムを変えた
お礼って言ってもらったの。一応、
断ったんだけどね。キラキラして、
きれいな石やね。濃いピンクやけど、
光の加減でハロルドさんの色にも見えるねー。」
3人は青ざめていた。
バレる。
ハロルドの目が見開いた。
ハロルドは妄想した。
先にやられた。悔しい!!
俺の色に似たブレスレット……。
悔しいが、許してやる。次はないぞ!!
名前がたしか……。
アーボ、パーガ、ナーズだった気がする。
顔はわかるが名前を覚えるのが苦手だが
脳筋の3人組で少々、協調性に
欠けている問題の者だったはず。
鍛え直してやろう。
「フッ。」
ハロルドは笑みを浮かべた。
俺の色を身につけたナオキ。
悪くない。他の男から貰った物を
身に付けさせたくない。くそっ、
こいつら、姑息な手を使いやがって。
しかし、喜んでるから下手に外しにくい。
あとで、こっそりすり替えようか?
いや、ダメだ。
あいつらよりいいのを贈ろう。
「ふふっ。」
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