おっチャンの異世界日記。ピンクに御用心。異世界へのキッカケは、パンツでした。

8、おっチャン荷物整理する。

石で作られた外壁の建物の内部は
クネクネした細い廊下を通っている。
敵が侵入しても、複雑な内部になっていて
迷うだろう。しかも、廊下は薄暗くて
歩いていると不安になりそうだ。
廊下の幅も狭く、人1人がすれ違うのが
やっとな作りだった。

俺の足がカクカクを見破られたのか、
副団長は、俺をこ、子供抱き？したぁぁ！！
向かい合わせに抱っこされ、俺の
お尻の下には、筋肉質のたくましい腕に
支えられ、もう片方の手は背中をトントン
されていた。
頭ポンポンのあと、背中トントン……。
俺の中身は50代半ばだ。
これは早急に自分の容姿を確認したくなった。
ハロルドさんが俺の事を未成年とか
なんとか言ってたが、年齢わかるもんって
なんかないのか？
口にする言葉も、なんや、ちゃっちい
というか、幼稚になっとる気がする。
あとは、考えたくはないが前世の
記憶、細かな名前などがあやふやな事が
増えた気がする。
ファンタジー世界に転生したっちゅう事は
神様とか似たような存在はあるんかな？

背中をトントンされながらたどり着いた
部屋は、デカかった。
後ろからこれまた可愛いタイプの男性、
副団長よりは小さい男性が俺の
スポーツバックを軽々と持ってくれている。
機材が入っているから、かなりの重量なのに…。
力の差も身長差も半端ない。
俺からしたらこの世界は、超人ばかりだ。
竜騎士団の男性は身長170以上が
当たり前なのか？
デカいハロルドさんは、2メートルは
超えてそうだ。
身長的に竜騎士より頭2個分は低い俺だった。

音もなく開かれた両開きの扉、
一度座れば立ち上がりたいとは
思わなくなる、ふかふかのソファーベッド。
なんじゃこらーって叫びたくなる
立派な家具や、美術品。
ここは美術館かってツッコミたくなる
様な絵画や、重厚なカーテンがあった。
床にはふかふかの毛足の長い絨毯が
敷き詰めらていた。
床に直接寝れそうだ。

あのソファーベッドも座れば確実に
寝てしまう。
とりあえず荷物整理、異世界に来たんやし
俺の荷物はどおなったんやろ？
あと、鏡はあったはず。
どんな姿になったんやろか？

スチールカメラ、ビデオカメラ、
三脚、パッチもんの台本
(バックでフィーバー。)
財布、"はなかみ"、ハンカチ
マイバッグ、タオル、水筒、携帯……。
お風呂セットに鏡。
よし、鏡あったぞぉー。

ナオキは、ゴソゴソとカバンの中を
確かめていた。
お茶の準備をしてくると言いながら
出て行った副団長。

ナオキは気づかなかった。
副団長ほどの身分ある人が、お茶の為に
部屋を出る必要はない事に。
部屋を出たふりをし、気配を消した
副団長がナオキの行動を
みていた事に、気づかなかった。