BROKEN WORLD

白神 白夜

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1章

進展

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結局この後、凜音の組織加入は正式に受理され凛音の管理は全て俺に一任された。めんどくさい限りだ。そして俺たちは、話が一段落して家に帰ることにした。

「帰りも白夜の能力で帰るの?」

「俺の能力をタクシー替わりに使うな」

皆にはまだ説明していなかったな。俺の能力はイマジンクリエイト 無機物のものに能力を付与し、それを身につけることによって俺自身はその能力を使えるようになるというものだ。これまではめていた指輪にはワープ能力を付与してあり一番よく使うものだ。ジェシカとの一件の時も、4次元空間に自分専用の空間を生み出すという能力と、念動力の能力を使っていた。他にもいくつか能力はあるがここでは語らないでおこう。そしてこの、最強とも言える能力には、2つの短所がある。それは、無機物のものに能力を付与する時その能力の強さによって莫大な体力を消費するということだ。俺は、このワープの能力を指輪に付与した時、次に目が覚めた頃には、2週間が経過していた。あまり強すぎる能力を作ってしまうといつ目覚めるかわからない、そんな難儀な能力だ。ちなみに、俺以外の人間が指輪をはめても能力は使えない。俺の能力の説明は以上だ。

「えー、ワープで帰ろーよー」

駄々をこね出した凜音は、自分の望みを叶えるまで黙らない。結局俺には選択肢がなかった。

「わかった、早く掴まれ」

喜びながら俺に抱きつく凛音。別に触れているだけでいいのだが、めんどくさいので何も言わない。
こうして俺らは家に帰った。

「なかなか面白いことになったね!」

何も面白くない、俺は面倒事が増えただけだ。そう心の中でツッコミを入れつつ口にはしない。なぜなら面倒くさいからだ。

「早く指令とか来ないかな?」

「もし仮に指令が来ても、お前は連れてかないからな」

「えー!なんでー?!」

答えは簡単だ。面倒くさいからに決まっている。何度同じことを言わせれば気が済むんだこいつは、そうは言ったもののよく良く考えればこいつを置いていく方が、かえって面倒くさいかもしれない。
だから、やっぱり連れてくことにした。

「冗談だよ、でもあんまり邪魔はするなよ」

「うん!」

いつもの満面の笑みだ。こいつはこの表情しか出来ないのか。そんなことを思いながら、話していると俺の携帯がなった。

「電話?」

「いや、メールだ」

「誰からー?」

それはジェシカからのメールだった。噂をすればなんとやらだな。

「任務だ、今すぐ出かけるぞ」

そう言いながら、俺は凛音の手を取った。凛音は驚いていた。

「そんな急な感じなの?」

「ああ、楽しみにしてた指令だぞー」

我ながらかなり棒読みになってしまったが、それである種凛音は誤魔化されていた。

これから心配な初任務だ...
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