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ビアンカ嬢は寂しい
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あれから数ヶ月が過ぎた。
魔王様はまだ帰ってこない。寂しいよぉー
もう私の誕生日も過ぎて8歳になってしまったのに。魔王様と過ごしたかった、、、
戦地は緊張状態が続き、睨み合いで中々帰ってこれないらしいのです。
今日もいつも通り淡々と過ごしティータイムを行いホッと一息。隣でアマンダがケーキを切り分けているのを眺めながら魔王様のことを考える。
城は魔王様がいなくなったら人間である私を攻撃してくるものが出てくるかもしれないと思っていたのだが思っていたよりいなかった。結構好意的なものが多かった。
アマンダに聞いてみると魔族は子供が産まれにくく珍しいらしい。子供は宝を信条に生きている種族らしいので好意的なんだとか。
人間でもいいのか!魔族!?と突っ込みそうにはなったがなんでも私は人間でも話せる知性の高いものだということで一目置かれているらしい。
人間!今まで魔族にどんな対応してきたらこんな事になるんだ!?
心の中では頭を抱えてしまう。
「ねぇ、アマンダ、魔王様後どのくらい掛かるかしら。寂しいわぁ」
ぽつぽつと喋ると、アマンダもここ最近の元気のないビアンカを元気付けようと色々な案を考える。
「それではビアンカ様、魔王様がお好きだったあの花園に参りますか?あの時と比べ季節が変わりましたから植物は変わっていると思いますが、魔王様がお帰りになられた時に行くための予行練習という事で一緒に参りませんか?」
「!?ええっ!行くわ!そうよね!いつまでもうじうじしていたら魔王様に怒られてしまうわ!」
よしっと気合を入れ嬉しそうに花園へ駆け込んで行くビアンカにアマンダは微笑ましそうに眺める。
◆
そろそろ魔王様も帰っていらっしゃる頃だと思いますわ。お嬢様。
本当にお嬢様は魔王様を好いていらっしゃる。こんな可愛らしいお嬢様を今まで放ったらかしにしてきた魔王様に怒りを覚えますわ。私がいかに魔王様信者といってもそれとこれとは別です。
いくら戦場にいるといっても手紙なら送れるでしょうに、、、
それに魔王様の魔力なら転移で行き来くらい簡単にできるはずです。それをしなかったのはただ魔王様がヘタレだっただけだと私は思う。
私はお嬢様に一度でも会えばもう戦場に行きたくなくなってしまうと考えたから連絡を取らないようにしていたに違いないと思いますわ!
全く!とプンスカプンスカ怒りながらアマンダはビアンカを追いかける。
◆
ビアンカは魔王様の認識が変わったあの花園にお邪魔していた。魔王様を膝枕したベンチに座り本を読む。ベンチの後ろに桜に似た木がありなんだか落ち着く。風でさわさわと木が揺れ目を閉じると魔王様に膝枕した時の思い出が蘇る。あの頃は綺麗な花が咲いていたが今はもう散って葉だけになっている。
もう何ヶ月も魔王様に会っていない。
恋しいなぁ、早く会いたいよ、ヴェルバル、、、
んっ?
「ねぇ、アマンダ、なんだか城が騒がしいのだけれどどうかしたのかしら?」
木の葉が揺れる音と一緒に城の方角から何やらざわざわとした気配が立ち上り場所によっては殺気立っているような気がする。
「お嬢様、私が先行して様子を伺いにいってまいりますのでこちらでお待ちください。この花園は迷宮になっており、部外者は出られないようになっておりますし、ここは花園の最奥。ここにたどり着くのは困難だと思われますので城よりは安全です。」
「えぇ、わかったわ。大人しくしておく。アマンダも気をつけてね?怪我なんてしたら泣いてやるんだから!」
クスクス笑いながら、アマンダは花園を出て行く。
ビアンカは城の様子が気になり不安に思っていたがぼんやりと待っているうちに暖かな日差しと花の香り、木のサワサワとした音に眠くなってしまい目を瞑った。
魔王様はまだ帰ってこない。寂しいよぉー
もう私の誕生日も過ぎて8歳になってしまったのに。魔王様と過ごしたかった、、、
戦地は緊張状態が続き、睨み合いで中々帰ってこれないらしいのです。
今日もいつも通り淡々と過ごしティータイムを行いホッと一息。隣でアマンダがケーキを切り分けているのを眺めながら魔王様のことを考える。
城は魔王様がいなくなったら人間である私を攻撃してくるものが出てくるかもしれないと思っていたのだが思っていたよりいなかった。結構好意的なものが多かった。
アマンダに聞いてみると魔族は子供が産まれにくく珍しいらしい。子供は宝を信条に生きている種族らしいので好意的なんだとか。
人間でもいいのか!魔族!?と突っ込みそうにはなったがなんでも私は人間でも話せる知性の高いものだということで一目置かれているらしい。
人間!今まで魔族にどんな対応してきたらこんな事になるんだ!?
心の中では頭を抱えてしまう。
「ねぇ、アマンダ、魔王様後どのくらい掛かるかしら。寂しいわぁ」
ぽつぽつと喋ると、アマンダもここ最近の元気のないビアンカを元気付けようと色々な案を考える。
「それではビアンカ様、魔王様がお好きだったあの花園に参りますか?あの時と比べ季節が変わりましたから植物は変わっていると思いますが、魔王様がお帰りになられた時に行くための予行練習という事で一緒に参りませんか?」
「!?ええっ!行くわ!そうよね!いつまでもうじうじしていたら魔王様に怒られてしまうわ!」
よしっと気合を入れ嬉しそうに花園へ駆け込んで行くビアンカにアマンダは微笑ましそうに眺める。
◆
そろそろ魔王様も帰っていらっしゃる頃だと思いますわ。お嬢様。
本当にお嬢様は魔王様を好いていらっしゃる。こんな可愛らしいお嬢様を今まで放ったらかしにしてきた魔王様に怒りを覚えますわ。私がいかに魔王様信者といってもそれとこれとは別です。
いくら戦場にいるといっても手紙なら送れるでしょうに、、、
それに魔王様の魔力なら転移で行き来くらい簡単にできるはずです。それをしなかったのはただ魔王様がヘタレだっただけだと私は思う。
私はお嬢様に一度でも会えばもう戦場に行きたくなくなってしまうと考えたから連絡を取らないようにしていたに違いないと思いますわ!
全く!とプンスカプンスカ怒りながらアマンダはビアンカを追いかける。
◆
ビアンカは魔王様の認識が変わったあの花園にお邪魔していた。魔王様を膝枕したベンチに座り本を読む。ベンチの後ろに桜に似た木がありなんだか落ち着く。風でさわさわと木が揺れ目を閉じると魔王様に膝枕した時の思い出が蘇る。あの頃は綺麗な花が咲いていたが今はもう散って葉だけになっている。
もう何ヶ月も魔王様に会っていない。
恋しいなぁ、早く会いたいよ、ヴェルバル、、、
んっ?
「ねぇ、アマンダ、なんだか城が騒がしいのだけれどどうかしたのかしら?」
木の葉が揺れる音と一緒に城の方角から何やらざわざわとした気配が立ち上り場所によっては殺気立っているような気がする。
「お嬢様、私が先行して様子を伺いにいってまいりますのでこちらでお待ちください。この花園は迷宮になっており、部外者は出られないようになっておりますし、ここは花園の最奥。ここにたどり着くのは困難だと思われますので城よりは安全です。」
「えぇ、わかったわ。大人しくしておく。アマンダも気をつけてね?怪我なんてしたら泣いてやるんだから!」
クスクス笑いながら、アマンダは花園を出て行く。
ビアンカは城の様子が気になり不安に思っていたがぼんやりと待っているうちに暖かな日差しと花の香り、木のサワサワとした音に眠くなってしまい目を瞑った。
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