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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 手加減してくれていたらしい

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 急に騒がしくなった。

 俺達の動きに合わせて、断続的に鳴り続けている音。重みを受けて軋むベッドの、俺達が繋がっている部分から漏れ聞こえている水気を含んだ……他にも色々。

 でも、別に気にはならない。気にしてなんていられない。そんな余裕なんてある訳が。

「ひ、あっ……んぅ……あっ、ふぁ……」

 小刻みに、繰り返し突き上げてくる熱が、俺の全身を甘く痺れさせていく。顔も、お腹の中も、足も、手も、色んなところが熱くて。だから、しがみついているだけで精一杯だった。

 彼の膝の上から落ちてしまわないように、くびれた腰に足で抱きついて、盛り上がった逞しい肩を掴んで。ただただ、快感という激しい波に揉まれながら、身体を震わせていた。

 サルファーは俺の背を支えてくれながら、休むことなく俺を揺さぶり続けている。額に汗を滲ませて、悩ましげに眉間にシワを寄せて、艶のある声を漏らしながらも一心不乱に俺を抱いてくれている。

 まさか、こういう場面でも日頃の鍛え方の違いを見せつけられちゃうとは。

 ぼんやりと過ったのは一瞬だった。間髪入れない一突きによって、瞬く間に消えていってしまう。もう、何を考えていたのかも思い出せない。もう、彼のことだけしか。

 切なそうに瞳を細めながらも、ギラついた光を宿している大好きな男のことしか考えられない。

「は、ぁ……んっ、奥、すご……サルファー、サルファーっ……あっ、あ、んぁっ……」

「く、ぁ……はっ、あっ、シュン、シュンっ……」

 名前を呼ばずにはいられなかった。

 擦り寄せ合うように額を重ねて、ふと視線が絡む度に思い出したかのように口づけ合って、ちゃんと彼が居るんだって確認出来ているのに、それでも。

 根元まで咥え込んでいる彼の硬い先端で、最奥を叩かれる度に悦び以外のものまで込み上げてきてしまう。満たされているハズのお腹の中が、嬉しさにあふれている胸の辺りが、どうしてか切なく疼いてしまう。

 だから、呼びたくなってしまうんだ。呼んだら必ずサルファーも俺の名前を呼んでくれるから。苦しそうに歪んでいた口角を持ち上げ、微笑みかけてくれて、甘やかすような口づけを送ってくれるから。

「は、ふ……んむ、んっ、ん……っ」

 夢中で交わし合う最中、下唇を甘く食まれたのがトドメになったらしい。積もりに積もっていた熱があふれ出しそうになってくる。

 今まで以上に背筋がブルブルと震え始めて、目の前でパチパチと白いなにかが明滅し出す。お湯を一気に煽ったみたいに、腹の中が燃えるように熱くなって。

「ん、うぁ、あっ、イく……も、俺、イっちゃ……」

「ふ、はっ……いいぞ……ほら……」

 応えてくれた声は酷く優しくて、ボヤけた視界の中に見えたのは、慈しむように柔らかな笑みだった。

 けれども、動きは全然真逆。さっきまでのは前座だったかのように、力強い突き上げで俺を絶頂へと促してきた。
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