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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ もう当分、襟の開いた服は着られそうにない

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 蜂蜜色をした瞳が見開いて、色気たっぷりに微笑んでいた唇が引き結ばれる。

「っ……」

 いやいや、そっちだろうに。誘ってきてくれたのは。なのに、耳まで真っ赤にして。そういうところも可愛いけどさ。

 だるまさんが転んだかのごとく、先輩は俺を見つめたまま動きを止めてしまっていた。その間も俺の身体は、彼に引き出された熱がじくじくと広がってしまっているのに。解放を求めて焦れったくなってしまっているのに。

 早く……続きをして欲しいのにな。

 逸る気持ちは、俺を大胆な行動へと走らせた。軽く腰を浮かせて、彼の首に腕を絡めて、俺の方から口を寄せていた。

「ん、んっ……」

 少し厚めの唇に強請るように押しつけていると、すぐに成果が。筋肉質な太い腕が勢いよく抱き締めてくれたんだ。

 軽く下唇を食んでくれながら、先輩が器用に俺を抱き上げてくれる。大股で、急くように辿り着いたベッドの上へと優しく下ろしてくれてから、骨ばった手に腰の位置で止まっていたズボンとパンツを勢いよく引き抜かれた。

「サルファー、先輩……」

 膝立ちで、俺の身体を跨いだ彼の眼差しは、普段の優しいものとは打って変わって鋭い。セットが崩れ、下りてきた前髪を煩わしげに後ろへと撫でつけてから、ゆらりと覆い被さってきた。

「あっ……んぅ……」

 先輩は、首につけるのが好きなんだろうか。さっき熱心につけていた方とは逆、右の首横を甘く食んでからキツく吸われた。

 一回で上手くつけられたんだろうか。ジンと疼いているそこを、労るように優しく舌でなぞってからすぐに次へと。今度は、喉仏の近くを食んでいる。

 もう当分、襟の開いた服は着られそうにないな。

 ほんのちょっぴり思い浮かべただけ。それでも先輩は、俺の意識が自分からそれたと勘づいたのだろうか。たくし上げられたまま、無防備にさらしてしまっている乳首を優しく摘まれた。集中して欲しいと言わんばかりに。

「ふぁ……んっ……気持ちいい、です……」

 今回は尋ねられる前に伝えられたからだろう。クスリと笑う吐息が首元にかかる。

 顔を上げ、頬に触れてくれた唇には、またあの艷やかな微笑みが浮かんでいた。

「……そうか……でも、こうされる方が好きだろう?」

 何をしてくれるんだろう……また、下も一緒に触ってくれるのかな?

 無意識にシーツを掴んでいた手に、大きな手のひらが重なった。手の甲を指先で撫でられ促されるままに力を抜けば、指を絡めて繋いでくれた。

 俺の好きな加減で触ってくれている右側はそのままに、先輩は左側へと顔を寄せていく。硬く尖り、主張してしまっている乳首に熱い吐息が触れた途端、背筋を撫でている淡い感覚が強くなった。

「あっ、んぁ……」

 俺の反応を確かめているんだろうか。頬にくれた時のように、先の方に何度も口づけてくれるばかりで、一向に吸ってくれる気配がない。

 それどころか、反対の手も。いっぱい甘やかしてくれていたのに、今は乳輪を時々撫でてくれるだけ。肝心なところには全然触れてくれやしない。

 ……もしかして、お願いしないとダメなんだろうか。
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