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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)

★ 先輩が、カッコよくて、いやらしいから仕方がないんだ

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 大きな手が重なって、繋いでくれる。俺に微笑みかける黄色の瞳は、柔らかい光を帯びていた。

「俺は、嬉しいよ……それから、何度だって君に触れたい……」

 見つめられるだけで、胸が大きく高鳴った。優しい眼差しからは、愛しさがあふれているような。

 つい見惚れてしまっていると、長い睫毛が気恥ずかしそうに伏せられる。

「すまない……呆れただろう? がっつき過ぎ、だよな……」

 何やら誤解が生じていらっしゃる。黙って見つめちゃってた、俺のせいなんだろうけど。

「そんな、呆れてなんていません……それに、俺だって同じです……先輩に、いっぱい触って欲しいから……」

 繋いでいる手に力を込めて、俺も伝える。

 こみ上げてきた恥ずかしさなんて、すぐに喜びに塗り替えられていった。弾かれるように顔を上げた先輩の笑顔を見れただけで。

「シュン……」

「サルファー先輩……」

 自然と俺達は見つめ合っていた。喜びが満ちていた先輩の瞳が、じわりと熱を帯びていく。

 俺達は、惹かれ合うように唇を重ねていた。

 柔らかい温度が触れ合う心地よさに身を委ねていると、不意に甘い痺れが走る。

「ん……ぁ、あっ……」

 先輩の手が、俺のアソコに触ってくれている。俺のものを手のひら全体で優しく握り込んで、上下に擦ってくれている。

「は、ぁっ、気持ちいい……先輩……せんぱい……」

「ああ、分かってる……ここがいいんだよな?」

 俺はただ、安心するから呼んだだけだった。訳が分からなくなるような気持ちよさに翻弄されていても、先輩の優しい声が聞こえたら安心出来るから。

 しかし先輩は、お強請りをされたと感じたようだ。俺自身が漏らしたもので、すっかりぐしょぐしょになっている先端を、指の腹で優しく撫で始める。

「シュンは、ここを優しく触られるの……好きだもんな?」

 甘ったるい声で尋ねられてしまえば。喜んでくれるだろうかと言わんばかりに、期待に満ちた瞳で見つめられてしまえば、違うだなんて、今更。

「ふ、ぅあ……ん、好き……あっ、あっ、サルファー……もっと……」

 俺は、俺をぐずぐずに溶かしていく気持ちよさに自分から溺れていった。小刻みに震える股を開き、先輩を上目遣いで見つめながら、強請った。

 恥をかなぐり捨てた俺の行動は、功を奏したらしい。先輩が嬉しそうに微笑んでくれる。俺の額に、頬に、キスを送ってくれる。

「ふふ、いいぞ……いっぱい、先っぽよしよししてあげるからな……」

 少し固い指先が、赤く染まった先端を撫でていく。小さく脈打つ竿の根元にまで、伝ってしまっている先走り。少し粘つくそれを指の腹に馴染ませ、潤滑油代わりにして、円を描くように。

「ひ、あ、あっ……」

「ん……さっきよりもビクビクしてきたな……イきたくなったら、いつでもイっていいからな……」

 艶のある柔らかい声に促されたみたいだった。

「んぁっ、あ、うぁっ……」

 丁度、指先が尿道口を掠めた時、俺はトロリと漏らしてしまっていた。さらに濡れた先輩の太く無骨な指が、部屋の照明に照らされて、ぬらぬらと光って。

「ッ……ん、ふ……ぅ、っ……」

 あまりにも、煽情的だったからだ。先輩が、カッコよくて、いやらしいからだ。

 ……だから、仕方がなかったんだ。

「……続けてだなんて、可愛いな……」

 バレてなければいいな、だなんて。一縷の望みをかける間もなく、言われてしまった。

 嬉しそうに、うっとりとした声で。俺が続けて漏らしてしまったことを、報告されてしまった。

 糸引く指先を嬉しそうに見つめていた先輩が、俺に微笑みかけてくる。

「でも、二回とも軽くだったな……また、いっぱい出せるように、もっと気持ちよくなろうな」

「は、っ、はぁ……ん……はひ……よろしく、お願いしまふ……」

「ああ、よろしく頼む」

 あんなことを言ってくれたもんだから、てっきり続けて触られるもんだと、イかされるもんだと思っていた。

「は、っ……ん、シュン……シュン……」

「ふ、んぁ……は、ん、んっ……せんぱ……んむ……」

 息を乱しながら先輩は、ひたすらに俺に口づけてくれている。勃ちっぱなしの俺のものに触れることなく、擦り寄るように唇を押しつけてくれたり、舌先を優しく舐めてくれたり。

 もしかして、休憩させてくれているんだろうか。軽くとはいえ、俺が続けてイったから。

 確かに、いつも以上に先端が敏感になっちゃってるけど。あのまましてもらえてたら、刺激が強すぎて、気持ちいいのがツラくなっちゃってたかもしれないけど。

 でも、これはこれで違う意味でツラいというか。焦らされてるみたいだから、少なくとも休憩にはなっていないんだけどなぁ。

 ぼんやりと考えながらも、いつしか俺は満喫してしまっていた。自分からキスを強請るように、先輩に向かって舌を伸ばしてしまっていたんだ。

 微笑む先輩が、その大きな舌で擦り合わせてくれる。何度か絡め合ってから離れ、尋ねてきた。

「なぁ、シュン……ここ、触ってもいいか?」

「ここ……?」

 先輩が見つめる先を追う。滲んだ視界に映ったのは、太い指先が触れようとしていたのは、俺の平たい胸だった。
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