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ソレイユ先輩に俺の心を見透かされてしまっているんだが?

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「そりゃあ、勿論シュンちゃんのことだけど?」

「ふぇっ?!」

 聞き間違えじゃなかった! ただでさえ熱くなりかけていた顔に一気に熱が集中していく。

 さっきまでのつまんなそうな顔がウソのように、ソレイユ先輩がニヤニヤ笑っている。楽しくって堪らないって感じだな。

「ふーん……何だ、脈アリじゃん。ライバルが手強そうだ、とか言ってたけど……これなら、アイツにも勝ち目がありそうだね」

 ……ホントにサルファー先輩が俺のことを? いやいや、まだ先輩からちゃんと聞いた訳じゃないし……

 取り敢えず冷静になろう、と俺は残ったジュースを一気に飲み干した。時間がたってぬるくなったせいか、さっきよりも甘く感じる。

 飲み終わった缶を持て余していると、ソレイユ先輩に素早く奪われた。さっきと同じようにゴミ箱へと、キレイに吸い込まれていった空き缶が、甲高い音を鳴らす。

「……ありがとう、ございます」

「いいの、いいの。まっ、そんな訳だからさ。仮にシュンちゃんが、サルフに何か話したとしても……シュンちゃんのこと、嫌いになったりしないと思うよ? なんせアイツ、キミにぞっこんなんだし」

「な、何で、それを!? 今日、俺が先輩にあの話をするってことは、ダンしか知らないのに……」

「あれ、もしかして当たっちゃった? カマかけてみただけなんだけど」

 しまったやられた! まるっと全部言っちゃったぞ、俺!

 堪えきれないといった感じで吹き出した先輩は、いまだにクスクス笑っている。

「いやさぁシュンちゃん、昨日のサルフみたく神妙な顔してたからさ。サルフから聞いた感じだと……別にキミがアイツに何かしたわけじゃ無さそうだったからさ。じゃあ、今から何かするのかな? って」

 ……え? 俺、そんなに顔に出てたの?

 というか、たかが表情くらいで何でそこまで分かるの? ホント、何者なんだこの人。

「何者もなにも……オレはサルフの幼なじみで、キミの先輩だよ?」

 完璧に、読まれてないか!? 俺の心!!

「シュンちゃんが分かりやすいだけだって。別に、心読めたりしないから、オレ」

「……いや、でも完全に当たってますけど」

 おまけに成立しちゃってたんだが? 会話が。超能力……いや、そういう魔術が使えるとかじゃないと、納得出来ないくらいに。

「人の表情読むのが、ちょっと得意なだけだって……それにしても、サルフのヤツ遅いねー。こんなに可愛いキミを待たせるなんてさ」

 あからさまに話題を変えられてしまった。先輩の長い腕が俺の肩を抱き寄せ、耳元で囁く。

「……サルフの事で何かあったら、オレのところにおいでよ。オレ、結構気に入っちゃったんだよね、シュンちゃんのこと。はい約束」

 小指を差し出しながら、先輩が微笑む。ほら、ほら、と催促されるがままに、俺も小指を立てていた。

 少し節くれだった指が絡んですぐに、弾んだ調子で指切りげーんまーん、とお約束の歌を先輩が歌い始める。

 いつの間にか、胃が痛くなるような緊張は、どこかへと消えてしまっていた。色々と強引なところもあるけれど……良い先輩だよな。

「……シュンに一体何をしてるんだ? ソル……」
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