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サルファー先輩のライバルである先輩から、ジュースを奢ってもらったんだが?
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不意に名前を呼ばれ顔を上げると、緩いウェーブのかかった短髪の青年が俺の前に立っていた。明るいオレンジ色の髪が陽の光を浴び、きらきら輝いている。
軍服のラインの色が緑色だから、サルファー先輩と同じ3年生だろう。先輩と比べると細身だが、同じ剣術部なだけあって筋肉の付き方に無駄がない。
……ん? オレンジの髪で、先輩の同級生、同じ剣術部、ってことはまさかこの人は………
「はい、そうですけど。もしかして……あなたは、ソレイユ先輩ですか?」
「えっ! シュンちゃん、オレのこと知ってるの? サルフから何か聞いてたりした?」
タレ目の瞳がパッと見開き、柔らかい笑顔がますます明るくなっていく。何だか嬉しそうだ。
「いえ、聞いてませんけど……お二人は有名なので」
サルファー先輩とソレイユ先輩はお互いライバルであり、剣術部きっての最強コンビでもある。
大会の個人戦では一位二位を争い、二人一組のペアで行うタッグ戦においては抜群のコンビネーションで、毎回一位を勝ち取っている。二人共甲乙つけ難い、素晴らしい実力の持ち主だ。
「いやー……シュンちゃんに知っててもらってるなんて光栄だなー。サルフ待ってるんだよね? 良かったらさ、オレとちょっとお話ししない?」
ソレイユ先輩は俺が返事をする前に隣に腰掛けると、パッケージにオレンジの断面が印刷された缶ジュースを手渡してきた。
「それ、オレのお気に入り。美味しいから飲んでみて。あ、開ける前にちゃんと振ってね? 果肉、沈んでもったいないからさ」
言われた通りに缶を振ってから、タブを開け口をつける。甘酸っぱいオレンジの味がして緊張で乾いた口の中がさっぱりする。
「スゴく美味しいですね、これ。ありがとうございます」
「でしょ? 寮の前にある自販機でも売ってるからさ、気に入ったんなら買ってみてよ」
さり気ないウィンクを間近で頂いてしまい、心臓がきゅっと締め付けられる。もうちょっと、ご自身のお顔の良さを自覚して欲しいもんだ。こっちはすぐにときめいちゃうんですよ?
先輩も、自分の分のジュースを開け、男らしい喉を鳴らしながらぐびぐび飲み始めた。
見た目の柔らかさと比べて豪快だな。何となく、サルファー先輩に似ている気がする。やっぱり、一緒に居ると似るんだろうか。
「……ところで、ソレイユ先輩。俺にお話しって?」
先ほどの話題に戻すと、ソレイユ先輩が煽っていたジュースから口を離した。
じっと俺を見つめたかと思えば、何やら口の端を持ち上げニヤリと笑う。引き締まった長い腕がするりと俺の背に回り、肩を掴まれ抱き寄せられた。
……何だか、いい匂いがする。ふわりと香った甘い匂いと、密着してしまった体温にドキドキする。耳元でそっと囁かれ、ますます心臓が大きく跳ねた。
「ねぇ、シュンちゃんさぁ……ぶっちゃけ、サルフとどこまで進んでんの?」
軍服のラインの色が緑色だから、サルファー先輩と同じ3年生だろう。先輩と比べると細身だが、同じ剣術部なだけあって筋肉の付き方に無駄がない。
……ん? オレンジの髪で、先輩の同級生、同じ剣術部、ってことはまさかこの人は………
「はい、そうですけど。もしかして……あなたは、ソレイユ先輩ですか?」
「えっ! シュンちゃん、オレのこと知ってるの? サルフから何か聞いてたりした?」
タレ目の瞳がパッと見開き、柔らかい笑顔がますます明るくなっていく。何だか嬉しそうだ。
「いえ、聞いてませんけど……お二人は有名なので」
サルファー先輩とソレイユ先輩はお互いライバルであり、剣術部きっての最強コンビでもある。
大会の個人戦では一位二位を争い、二人一組のペアで行うタッグ戦においては抜群のコンビネーションで、毎回一位を勝ち取っている。二人共甲乙つけ難い、素晴らしい実力の持ち主だ。
「いやー……シュンちゃんに知っててもらってるなんて光栄だなー。サルフ待ってるんだよね? 良かったらさ、オレとちょっとお話ししない?」
ソレイユ先輩は俺が返事をする前に隣に腰掛けると、パッケージにオレンジの断面が印刷された缶ジュースを手渡してきた。
「それ、オレのお気に入り。美味しいから飲んでみて。あ、開ける前にちゃんと振ってね? 果肉、沈んでもったいないからさ」
言われた通りに缶を振ってから、タブを開け口をつける。甘酸っぱいオレンジの味がして緊張で乾いた口の中がさっぱりする。
「スゴく美味しいですね、これ。ありがとうございます」
「でしょ? 寮の前にある自販機でも売ってるからさ、気に入ったんなら買ってみてよ」
さり気ないウィンクを間近で頂いてしまい、心臓がきゅっと締め付けられる。もうちょっと、ご自身のお顔の良さを自覚して欲しいもんだ。こっちはすぐにときめいちゃうんですよ?
先輩も、自分の分のジュースを開け、男らしい喉を鳴らしながらぐびぐび飲み始めた。
見た目の柔らかさと比べて豪快だな。何となく、サルファー先輩に似ている気がする。やっぱり、一緒に居ると似るんだろうか。
「……ところで、ソレイユ先輩。俺にお話しって?」
先ほどの話題に戻すと、ソレイユ先輩が煽っていたジュースから口を離した。
じっと俺を見つめたかと思えば、何やら口の端を持ち上げニヤリと笑う。引き締まった長い腕がするりと俺の背に回り、肩を掴まれ抱き寄せられた。
……何だか、いい匂いがする。ふわりと香った甘い匂いと、密着してしまった体温にドキドキする。耳元でそっと囁かれ、ますます心臓が大きく跳ねた。
「ねぇ、シュンちゃんさぁ……ぶっちゃけ、サルフとどこまで進んでんの?」
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