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「く、くくくッ、ははははははは!! 昨日はただの冗談か何かかと思ってたが、本気だったのかよ、カレン嬢」
あれから一日。
セバスに説明したように、王城にあるルシアータ公爵家の為に用意されていた広すぎる私室にて、私は夜を過ごし、再びゼフィールの下へとやって来ていた。
側にはバレンシアード公爵もいる。
どうにも、彼は一日一度はゼフィールの下を訪れているらしい。
あの後、話にならないと部屋から叩き出された私がまた訪れるとは思っていなかったのだろう。滅茶苦茶楽しそうに笑われた。
「……本気じゃなかったら、あれだけの荷物を持ってくる訳ないじゃないですか」
「確かに、それもそうだ。しかし、友達になりたいってよ。間違っても、婚約者に向かって言う言葉じゃねえだろ」
結婚を前提とした婚約を結んだ相手である。
私以外の人間からすれば、何を言っているんだと言いたくなる気持ちはよく分かる。
ただ、私の場合は八年後に婚約破棄をされる未来を知っているので、その為にもできれば友人くらいの関係に落ち着いている必要があると思った。
そしてその関係値ならば、縁談が破棄されても陰ながら何らかの形で支える事は出来るだろう。そうする事で、原作主人公であるユリアの負担は確実に減るし、もしかすると私の望むハッピーエンドにたどり着けるかもしれない。
あれは、だからこその発言であった。
「でも、おれは応援してるぜ。昨日は部屋から一瞬で叩き出されちまったけどな」
理由も聞かずに、バレンシアード公爵は私の考えを尊重すると口にする。
「どういう目的でああ言ったのかは知らんが、あいつには頼れる人間があまりに少な過ぎる」
原作の時ほどの人間不信ではないものの、何者も省みようとしない様子は八年前から変わっていなかった。
「だから、カレン嬢があいつの拠り所になってくれるってんなら、これ以上ねえと思った。もっとも、あの人間不信の友は骨が折れると思うがな」
「……何か裏があるとは思わないんですか?」
本当は、ゼフィールに対して一人であたって砕けろを繰り返すつもりだった。
でも、ゼフィールの側にはバレンシアード公爵がいた。
傍から見れば、急に距離を縮めようとする怪しい人間にしか見えない事だろう。
そう思っての質問だったのに、バレンシアード公爵は悩む素振りを見せる事なく破顔した。
「裏を持ち込むような人間が、無防備に一ヶ月も王城に留まる、なんて言い出すもんかよ。仮に目的があったとしても、きっと悪いもんじゃねえ。おれがそう思った」
私の父が何か良からぬ事を考えていたとしても、私を一人で送り出すなんて真似をする訳がない。逆も然り。
だから、裏はないとバレンシアード公爵は笑いながら断じていた。
「それに、本当の意味でのあいつの支えにおれはなれねえからよ」
少しだけ寂しそうに。
今この世界で、一番ゼフィールとの距離が近いであろうバレンシアード公爵は呟いた。
「……それってどういう」
「おれがあいつに世話を焼いてる理由に、『同情』や、『贖罪』。そういった余計な感情が僅かながらでも入っちまってるからな。だから、どれだけ距離が縮もうと、どう足掻いてもあいつの本当の意味での理解者におれはなれねえ。勿論、たとえそうだとしてもゼフィールを見捨てる気はないがな」
そうして、私は再びゼフィールの部屋の扉の前にたどり着いた。
「んじゃ、頑張ってくれよカレン嬢」
「バレンシアード公爵閣下はご一緒なさらないんですか?」
「同世代の人間同士の方が色々とやりやすいだろ。こんな、二回り以上も年食ったおっさんと一緒にいるよりもよ。それに、ちょいと公務が忙しくてな。今日は、ゼフィールの事頼むわ」
背を向け、手をひらひらさせながらバレンシアード公爵は踵を返してその場を後にしてゆく。
(……どうして、バレンシアード公爵は原作に出て来なかったんだろう)
ふと思う。
ここまでバレンシアード公爵閣下とゼフィールの関係値が良いのに、次代のバレンシアード公爵とゼフィールはどうしてあれほど険悪だったのだろうか。
……今思えば、まるで禁句のようにバレンシアード公爵の話題だけがすっぽりと抜け落ちていたようにも思える。
でも、考えても仕方のない事だと割り切り、私は一旦バレンシアード公爵の事は忘れる事にした。
「さて、と。時間も限られてる事だし、頑張って仲良くなりますかね」
扉を押し開けるべく、ドアノブを握り力を込める。しかし、そこからは確かな抵抗感しか帰ってこない。
やがて、まるでロックされているかのように、ガチャン、ガチャンと音が連続して響く。
……これ、あれだ。鍵掛けられてる。
「ば、バレンシアード公爵閣下!! 殿下が扉に鍵を掛けてます……!!」
「……あ、あんにゃろ。夜以外は鍵掛けんなってあれほど言っただろうがッ」
格好良くその場を後にしたバレンシアード公爵が、私の声を聞いて慌てて引き返してきてくれる。
ややあって、開けられた扉の先には、性懲りも無くまた来たのかと悪びれもせずに呆れるゼフィールの姿がそこにあった。
ただ、私の視線はゼフィールの手元に置かれていた水晶に似たものに引き寄せられる。
作中では何度も見かけたそれは、魔法使い達が魔法の制御を練習する為に使用していたものであった。
部屋にこもって何をしているのかと気になっていたが、おそらくゼフィールは日頃より己の魔法使いとしての力の制御の為に試行錯誤していたのかもしれない。
「魔法の制御、ですか」
「……分かるのか?」
今度こそ、またな。と足早にその場を後にするバレンシアード公爵を尻目に、私は半ば反射的に呟いていた。
「ほんの、少しだけですが」
……そうだ。私には、八年後の原作の知識がある。決してそれはこれから起こる事象にのみ活用出来るものだけでなく、単に八年後では当たり前だった知識を今、伝えられるというアドバンテージも存在している。
だったら、私はゼフィールの魔法使いとしての懸念を無くす事に尽力しよう。
そうすれば、本来の人間不信王子などと不名誉過ぎるあだ名をつけられたゼフィールとは別の未来を彼が歩めるかもしれない。
「……いや、なんでもない。お前には関係のない事だ。婚約はクヴァルが勝手に進めた事だ。お前までそれに付き合う必要はない。分かったらさっさとここから出て行け」
言葉には隠してすらない棘がある。
でも、原作のゼフィールほど、容赦のないものではなく、入り込める隙が僅かほども見出せなかった本来の彼とは程遠い気がした。
これならば、私でも十分可能性があるように思えた。
何者も省みず、何者も信頼しようとせず、誰の言葉にも耳を貸さない。
そうする事で孤立しようが、彼からすれば寧ろ望むところ。
自分の為だけに生きる彼は、本当に誰も必要とはしていなかった。
カレン・ルシアータとしての悲劇から逃れたいと思う以上に、ゼフィールにまた、そんな悲しい生き方を私はして欲しくなかった。
だから私は、自分の目的の為に。
そして、ゼフィールの為にこの世界も捨てたもんじゃないんだって、知らしめる事に決めた。
「私の知識は虫食いですけど、でも、殿下の力になれると思います。ですから、今日から一緒に魔法の制御の練習もしましょう! 勿論、私とお友達にもなって貰いますけども!」
「……俺の話を聞け。というか、あの戯言は本気だったのか」
「そりゃあ、私も友達になろうって相手に嘘をつくほど人でなしじゃありませんから」
『嘘』という言葉に反応し、ゼフィールの表情が険しいものに変わるその一瞬を私は見逃さなかった。
原作でも、ゼフィールは嘘をひどく嫌っていた。だからこそ、私はあえてその言葉を用いた。そして、自分の退路も無くしてしまう。
もし反故にでもしてしまえば、私自身が彼にひどく恨まれる事になると分かった上で、口にするのだ。
そうでもしなければ、彼の信頼は勝ち取れないと思ったから。
「今すぐ信じてくれとは言いません。ですが、これだけは覚えていて下さい。私は、貴方を何があっても忌避しないし、見捨てない。何があっても、私は貴方の味方ですから。ゼフィール・ノールド王子殿下」
「く、くくくッ、ははははははは!! 昨日はただの冗談か何かかと思ってたが、本気だったのかよ、カレン嬢」
あれから一日。
セバスに説明したように、王城にあるルシアータ公爵家の為に用意されていた広すぎる私室にて、私は夜を過ごし、再びゼフィールの下へとやって来ていた。
側にはバレンシアード公爵もいる。
どうにも、彼は一日一度はゼフィールの下を訪れているらしい。
あの後、話にならないと部屋から叩き出された私がまた訪れるとは思っていなかったのだろう。滅茶苦茶楽しそうに笑われた。
「……本気じゃなかったら、あれだけの荷物を持ってくる訳ないじゃないですか」
「確かに、それもそうだ。しかし、友達になりたいってよ。間違っても、婚約者に向かって言う言葉じゃねえだろ」
結婚を前提とした婚約を結んだ相手である。
私以外の人間からすれば、何を言っているんだと言いたくなる気持ちはよく分かる。
ただ、私の場合は八年後に婚約破棄をされる未来を知っているので、その為にもできれば友人くらいの関係に落ち着いている必要があると思った。
そしてその関係値ならば、縁談が破棄されても陰ながら何らかの形で支える事は出来るだろう。そうする事で、原作主人公であるユリアの負担は確実に減るし、もしかすると私の望むハッピーエンドにたどり着けるかもしれない。
あれは、だからこその発言であった。
「でも、おれは応援してるぜ。昨日は部屋から一瞬で叩き出されちまったけどな」
理由も聞かずに、バレンシアード公爵は私の考えを尊重すると口にする。
「どういう目的でああ言ったのかは知らんが、あいつには頼れる人間があまりに少な過ぎる」
原作の時ほどの人間不信ではないものの、何者も省みようとしない様子は八年前から変わっていなかった。
「だから、カレン嬢があいつの拠り所になってくれるってんなら、これ以上ねえと思った。もっとも、あの人間不信の友は骨が折れると思うがな」
「……何か裏があるとは思わないんですか?」
本当は、ゼフィールに対して一人であたって砕けろを繰り返すつもりだった。
でも、ゼフィールの側にはバレンシアード公爵がいた。
傍から見れば、急に距離を縮めようとする怪しい人間にしか見えない事だろう。
そう思っての質問だったのに、バレンシアード公爵は悩む素振りを見せる事なく破顔した。
「裏を持ち込むような人間が、無防備に一ヶ月も王城に留まる、なんて言い出すもんかよ。仮に目的があったとしても、きっと悪いもんじゃねえ。おれがそう思った」
私の父が何か良からぬ事を考えていたとしても、私を一人で送り出すなんて真似をする訳がない。逆も然り。
だから、裏はないとバレンシアード公爵は笑いながら断じていた。
「それに、本当の意味でのあいつの支えにおれはなれねえからよ」
少しだけ寂しそうに。
今この世界で、一番ゼフィールとの距離が近いであろうバレンシアード公爵は呟いた。
「……それってどういう」
「おれがあいつに世話を焼いてる理由に、『同情』や、『贖罪』。そういった余計な感情が僅かながらでも入っちまってるからな。だから、どれだけ距離が縮もうと、どう足掻いてもあいつの本当の意味での理解者におれはなれねえ。勿論、たとえそうだとしてもゼフィールを見捨てる気はないがな」
そうして、私は再びゼフィールの部屋の扉の前にたどり着いた。
「んじゃ、頑張ってくれよカレン嬢」
「バレンシアード公爵閣下はご一緒なさらないんですか?」
「同世代の人間同士の方が色々とやりやすいだろ。こんな、二回り以上も年食ったおっさんと一緒にいるよりもよ。それに、ちょいと公務が忙しくてな。今日は、ゼフィールの事頼むわ」
背を向け、手をひらひらさせながらバレンシアード公爵は踵を返してその場を後にしてゆく。
(……どうして、バレンシアード公爵は原作に出て来なかったんだろう)
ふと思う。
ここまでバレンシアード公爵閣下とゼフィールの関係値が良いのに、次代のバレンシアード公爵とゼフィールはどうしてあれほど険悪だったのだろうか。
……今思えば、まるで禁句のようにバレンシアード公爵の話題だけがすっぽりと抜け落ちていたようにも思える。
でも、考えても仕方のない事だと割り切り、私は一旦バレンシアード公爵の事は忘れる事にした。
「さて、と。時間も限られてる事だし、頑張って仲良くなりますかね」
扉を押し開けるべく、ドアノブを握り力を込める。しかし、そこからは確かな抵抗感しか帰ってこない。
やがて、まるでロックされているかのように、ガチャン、ガチャンと音が連続して響く。
……これ、あれだ。鍵掛けられてる。
「ば、バレンシアード公爵閣下!! 殿下が扉に鍵を掛けてます……!!」
「……あ、あんにゃろ。夜以外は鍵掛けんなってあれほど言っただろうがッ」
格好良くその場を後にしたバレンシアード公爵が、私の声を聞いて慌てて引き返してきてくれる。
ややあって、開けられた扉の先には、性懲りも無くまた来たのかと悪びれもせずに呆れるゼフィールの姿がそこにあった。
ただ、私の視線はゼフィールの手元に置かれていた水晶に似たものに引き寄せられる。
作中では何度も見かけたそれは、魔法使い達が魔法の制御を練習する為に使用していたものであった。
部屋にこもって何をしているのかと気になっていたが、おそらくゼフィールは日頃より己の魔法使いとしての力の制御の為に試行錯誤していたのかもしれない。
「魔法の制御、ですか」
「……分かるのか?」
今度こそ、またな。と足早にその場を後にするバレンシアード公爵を尻目に、私は半ば反射的に呟いていた。
「ほんの、少しだけですが」
……そうだ。私には、八年後の原作の知識がある。決してそれはこれから起こる事象にのみ活用出来るものだけでなく、単に八年後では当たり前だった知識を今、伝えられるというアドバンテージも存在している。
だったら、私はゼフィールの魔法使いとしての懸念を無くす事に尽力しよう。
そうすれば、本来の人間不信王子などと不名誉過ぎるあだ名をつけられたゼフィールとは別の未来を彼が歩めるかもしれない。
「……いや、なんでもない。お前には関係のない事だ。婚約はクヴァルが勝手に進めた事だ。お前までそれに付き合う必要はない。分かったらさっさとここから出て行け」
言葉には隠してすらない棘がある。
でも、原作のゼフィールほど、容赦のないものではなく、入り込める隙が僅かほども見出せなかった本来の彼とは程遠い気がした。
これならば、私でも十分可能性があるように思えた。
何者も省みず、何者も信頼しようとせず、誰の言葉にも耳を貸さない。
そうする事で孤立しようが、彼からすれば寧ろ望むところ。
自分の為だけに生きる彼は、本当に誰も必要とはしていなかった。
カレン・ルシアータとしての悲劇から逃れたいと思う以上に、ゼフィールにまた、そんな悲しい生き方を私はして欲しくなかった。
だから私は、自分の目的の為に。
そして、ゼフィールの為にこの世界も捨てたもんじゃないんだって、知らしめる事に決めた。
「私の知識は虫食いですけど、でも、殿下の力になれると思います。ですから、今日から一緒に魔法の制御の練習もしましょう! 勿論、私とお友達にもなって貰いますけども!」
「……俺の話を聞け。というか、あの戯言は本気だったのか」
「そりゃあ、私も友達になろうって相手に嘘をつくほど人でなしじゃありませんから」
『嘘』という言葉に反応し、ゼフィールの表情が険しいものに変わるその一瞬を私は見逃さなかった。
原作でも、ゼフィールは嘘をひどく嫌っていた。だからこそ、私はあえてその言葉を用いた。そして、自分の退路も無くしてしまう。
もし反故にでもしてしまえば、私自身が彼にひどく恨まれる事になると分かった上で、口にするのだ。
そうでもしなければ、彼の信頼は勝ち取れないと思ったから。
「今すぐ信じてくれとは言いません。ですが、これだけは覚えていて下さい。私は、貴方を何があっても忌避しないし、見捨てない。何があっても、私は貴方の味方ですから。ゼフィール・ノールド王子殿下」
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