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第2章──少年期5~10歳──
058 ベルナールの行動方針
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◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ベルナールは手元の書類を纏め、ヨアキムの執務机へ置く。そうして未処理箱の一山が更に成長したのだ。
「あぁああぁ~~~………………」
「吠えていないで手を動かして下さい、ラングロフ中将」
ここ最近はラングロフ領地の邸宅で執務を行う事が多く、どちらかと言えば王都へ赴く事を避けている様子の上司──ヨアキムである。
彼の補佐官であるベルナールも当然、ラングロフに腰を据える形になっていた。それも光月の途中からだから、かれこれ三月になる。
ここまで長く領地に留まる事は本当に珍しいのだが、ヨアキムが率いる第三師団の半数以上は王都だ。
基本的に一つの連隊がラングロフ領地を守護。更に一つが王都を守護する。残り一つの連隊がシュペンネルを廻り、任務の為に活動していた。
「一つ屋根の下にフェルといるのに、何故だか顔を見てない日が続いている俺の悲しい気持ちはどうするのだっ」
「ラングロフ中将。御言葉ですが、中将令嬢も二年後の学園生活の為に勉学に励んでおられます。毎日お忙しく過ごしていらっしゃいますと、私からも報告をさせていただいている筈です」
「それは知っている、分かっているっ。だがしかしぃ!アレも……、アレも一緒に勉強しているとかっ」
「……グーリフ殿は既にヒトとして存在を認められていますので、本当に今更ですよね」
目に見えて頭を抱えているヨアキムに対し、ベルナールはいつものように淡々と事実のみを口にする。
希望や要望などを口にするのは勝手だが、ベルナールにしてみれば行動をせずに言うだけならば『その程度』という判断だ。
ラングロフ領地でヨアキムが過ごす理由は、説明された為に理解をしている。だが、納得はしていなかった。
その理由たるや。学業の為、領地内に子息が不在故。しかしながら、『それがどうした』と言いたいベルナールである。
ラングロフ領地内の防衛自体は、常に連隊が。邸内ですら暗殺専門の私兵がいて、一番狙われるであろう中将令嬢の傍にはグーリフがいるのだ。
「だがっ」
「口を動かす暇があるならば、その数倍手を動かして頂きたいです。腰を据えて事務処理が出来る事などあまりありませんので、この機会にこれまでの未処理案件を全て解決するくらいはして頂きたいですね」
「うぐっ…………そ、それは……」
「三月掛けて、未だこの程度の処理速度ですからね。全て片付けば残りの時間を御好きに過ごして構わないと何度も御伝えしています」
「お、終わらないんだもんっ!」
ベルナールの言葉に我慢の限界が来たのか、ダンッと執務机を掌で叩いたヨアキムである。
一応の加減は出来ていたようで、机を木っ端微塵にする事だけはなかった。──その分、書類の山が一つ崩れて床に散らばったが。
「……はぁ」
「ご、ごめん」
あからさまな溜め息を吐いたベルナール。
ヨアキムは自分に非があった事は確かなので、バツが悪そうに視線を彷徨わせつつ小声で謝罪する。
ベルナールにしてみれば、ここまで効率が悪くなっている状況に対して溜め息が出た。
普段ならば机に向かう時間自体嫌うヨアキムなので、この三月はまだ我慢した方である。
「ここは私が片付けますので、ラングロフ中将は休憩されて構いません。そろそろ雷時間ですから、中将令嬢も御休憩を取られる頃合いかと思われます」
「っ!?い、良いのかっ?」
「はい。火時間より再開致しましょう」
「ありがとうベルナール!」
言い終わる前には既に走り去っていたヨアキムだ。
ベルナールはこめかみを指で解しつつ、子犬のように駆け出した主を思う。──『アメとムチ』は使いようだ。
そうして、ヨアキムが散らかした書類を拾い上げ初める。
ネコ種のベルナールは常々考えているのだが、オオカミ種の──イヌ系統の種の者は概ね本能的行動が目につく。
獣属故なのかもしれないが。多種多様なヒトの中で、種の根幹は揺るがないものかと達観した心持ちになった。
床の上から全ての書類を拾い上げたベルナールは、その中の一枚を取り出して改めて視線を向ける。それは昨年に起こった中将令嬢誘拐事件の続報だ。
中将令嬢の専属侍女からの報告書を見た時、いくらワシ種家門の者でもと甘く考えていたのである。だが実際には外部へ漏らす事もなく、本当にあの侍女が収集した情報だった。
彼女はワシ種の特徴である高速移動を駆使し、中将令嬢の身の回りの手伝いを怠る事なく。それ以外の時間を使い、本当に情報を集めていたのである。しかも個人で。
頭が痛くなりそうだが。あの中将令嬢は、間違いなく『ヒトほいほい』である。それも有能な人材ばかりを掌中に収める。──かといって本人にその考えがないのか、駒のように使うでもないのだ。
皆で楽しくルンラララなど、脳内御花畑的な人種がする事。ベルナールならばそれこそ、使えるものはヒトの死肉でも使う。
「私も休憩、しますか」
再度大きな溜め息を吐き、ベルナールは書類をヨアキムの執務机に置いた。
ラングロフの持つ情報網を使って半年掛け、漸くあの時の専属侍女が集めた情報の裏が取れたのである。
情報に偽りがない事。
レンナルツに一切漏れていない事。
そして何より──情報の速度。
情報は生きている。故に鮮度が命であるのは当然の事、正確で私情の挟まれていない純度が必要だ。
あの時の報告書は、それらを全て網羅していたのである。──信じられなかった自分に落ち度があると、今更ながらに悔やまれた。
結局一年前、ベルナールの考えた『団員内の子息令嬢囮作戦』は見事なまでに失敗と終わった。
団員達の子息令嬢に何もなかった事は、この先々を考えれば良いのだろうが。狙っていた主犯格が、ただの小児愛者だったとは。──否。あれはただのではなかった。
拗れた性癖が更に苛虐思考へ結び付き、被害者達は人形として扱われていた。言葉を奪われ、手足を捥がれ。ヒトとしての尊厳も、生命体としての自由も存在していなかったあの空間。
思い出しただけで腹の奥が沸々と怒りに囚われそうになり、ベルナールは大きく深呼吸をする。
中将令嬢の専属侍女が、あのような超回復魔法を使えて本当に良かった。それでなければ──被害者の子供達に慈悲の刃を向けていただろうと、ベルナールは今でも思う。
ちなみにその被害者達は全て本人の希望を聞き、親元やラングロフ直営の孤児院に連れていった。
ラングロフが直接管理している孤児院は、成年した際子供達が路頭に迷う事がないようにと、最低限の教育を行っている。食うに困って犯罪に走る事を防ぐ為、中将の奥方がそのように取り計らっていたからだ。
そして今回、続報自体の内容は重くない。土月を終えて孤児院を卒業した元被害者の行く末と、領地内を巡回する査察官の報告だ。卒業生は教育を受けていた為、各商店からの求人で働き先がすぐに決まり、今は見習いとして勤め始めている。
査察官は以前からいたが、ウゲイン・ワカーの件が発覚してから再度制度が見直しになった。そして複数人が無作為かつ、不定期に巡回する事と決定。これには当然、査察官と領地官吏官の癒着も防ぐ意味合いがある。
順位不動。秩序なく選抜するのはヨアキムで、賽の目を振るかのように気が向くまま変更するのだ。その為、各査察官はいつでも異動が可能なようにする義務がある。──出来ないと言うのならば罷免されるだけだ。
「雷の網」
ベルナールは執務室の戸締まりをすると、その扉へ進入防止結界を張った。これは普段から重要性のある部屋にベルナールがしている事だが、こうすると設定した彼とヨアキム以外触れられなくなる。
ラングロフ邸内の使用人には周知済みの為、間違っても誰も扉に触る事はない。
ちなみに触れれば電気が走ったように痺れて動けなくなる。麻痺時間は一日。対象者は目だけ動かせるが、それ以外声も出せない状態。術者への警報機能付き。高度な術式なのだ。──これは雷と水の魔力属性を持つベルナールだからこそなせるものである。
実力主義のシュペンネルだが、逆に言えば他者を蹴落とさんと誰もが狙っている殺伐とした国でもあるのだ。
特に上に立つ者は常に隙を見せられない。例え身内であっても──否、身内であれば尚更だ。ベルナールがヨアキムの子息達を警戒する、一番の理由でもあった。
血族を含め他者を信用していないベルナールだからこそだが、彼の中で絶対であるのは主と定めたヨアキムだけ。それ以外は、それ以外でしかない。──しかもそうしている自身の考え方が特殊である事を、ベルナールは分かった上で行動していた。
ベルナールは手元の書類を纏め、ヨアキムの執務机へ置く。そうして未処理箱の一山が更に成長したのだ。
「あぁああぁ~~~………………」
「吠えていないで手を動かして下さい、ラングロフ中将」
ここ最近はラングロフ領地の邸宅で執務を行う事が多く、どちらかと言えば王都へ赴く事を避けている様子の上司──ヨアキムである。
彼の補佐官であるベルナールも当然、ラングロフに腰を据える形になっていた。それも光月の途中からだから、かれこれ三月になる。
ここまで長く領地に留まる事は本当に珍しいのだが、ヨアキムが率いる第三師団の半数以上は王都だ。
基本的に一つの連隊がラングロフ領地を守護。更に一つが王都を守護する。残り一つの連隊がシュペンネルを廻り、任務の為に活動していた。
「一つ屋根の下にフェルといるのに、何故だか顔を見てない日が続いている俺の悲しい気持ちはどうするのだっ」
「ラングロフ中将。御言葉ですが、中将令嬢も二年後の学園生活の為に勉学に励んでおられます。毎日お忙しく過ごしていらっしゃいますと、私からも報告をさせていただいている筈です」
「それは知っている、分かっているっ。だがしかしぃ!アレも……、アレも一緒に勉強しているとかっ」
「……グーリフ殿は既にヒトとして存在を認められていますので、本当に今更ですよね」
目に見えて頭を抱えているヨアキムに対し、ベルナールはいつものように淡々と事実のみを口にする。
希望や要望などを口にするのは勝手だが、ベルナールにしてみれば行動をせずに言うだけならば『その程度』という判断だ。
ラングロフ領地でヨアキムが過ごす理由は、説明された為に理解をしている。だが、納得はしていなかった。
その理由たるや。学業の為、領地内に子息が不在故。しかしながら、『それがどうした』と言いたいベルナールである。
ラングロフ領地内の防衛自体は、常に連隊が。邸内ですら暗殺専門の私兵がいて、一番狙われるであろう中将令嬢の傍にはグーリフがいるのだ。
「だがっ」
「口を動かす暇があるならば、その数倍手を動かして頂きたいです。腰を据えて事務処理が出来る事などあまりありませんので、この機会にこれまでの未処理案件を全て解決するくらいはして頂きたいですね」
「うぐっ…………そ、それは……」
「三月掛けて、未だこの程度の処理速度ですからね。全て片付けば残りの時間を御好きに過ごして構わないと何度も御伝えしています」
「お、終わらないんだもんっ!」
ベルナールの言葉に我慢の限界が来たのか、ダンッと執務机を掌で叩いたヨアキムである。
一応の加減は出来ていたようで、机を木っ端微塵にする事だけはなかった。──その分、書類の山が一つ崩れて床に散らばったが。
「……はぁ」
「ご、ごめん」
あからさまな溜め息を吐いたベルナール。
ヨアキムは自分に非があった事は確かなので、バツが悪そうに視線を彷徨わせつつ小声で謝罪する。
ベルナールにしてみれば、ここまで効率が悪くなっている状況に対して溜め息が出た。
普段ならば机に向かう時間自体嫌うヨアキムなので、この三月はまだ我慢した方である。
「ここは私が片付けますので、ラングロフ中将は休憩されて構いません。そろそろ雷時間ですから、中将令嬢も御休憩を取られる頃合いかと思われます」
「っ!?い、良いのかっ?」
「はい。火時間より再開致しましょう」
「ありがとうベルナール!」
言い終わる前には既に走り去っていたヨアキムだ。
ベルナールはこめかみを指で解しつつ、子犬のように駆け出した主を思う。──『アメとムチ』は使いようだ。
そうして、ヨアキムが散らかした書類を拾い上げ初める。
ネコ種のベルナールは常々考えているのだが、オオカミ種の──イヌ系統の種の者は概ね本能的行動が目につく。
獣属故なのかもしれないが。多種多様なヒトの中で、種の根幹は揺るがないものかと達観した心持ちになった。
床の上から全ての書類を拾い上げたベルナールは、その中の一枚を取り出して改めて視線を向ける。それは昨年に起こった中将令嬢誘拐事件の続報だ。
中将令嬢の専属侍女からの報告書を見た時、いくらワシ種家門の者でもと甘く考えていたのである。だが実際には外部へ漏らす事もなく、本当にあの侍女が収集した情報だった。
彼女はワシ種の特徴である高速移動を駆使し、中将令嬢の身の回りの手伝いを怠る事なく。それ以外の時間を使い、本当に情報を集めていたのである。しかも個人で。
頭が痛くなりそうだが。あの中将令嬢は、間違いなく『ヒトほいほい』である。それも有能な人材ばかりを掌中に収める。──かといって本人にその考えがないのか、駒のように使うでもないのだ。
皆で楽しくルンラララなど、脳内御花畑的な人種がする事。ベルナールならばそれこそ、使えるものはヒトの死肉でも使う。
「私も休憩、しますか」
再度大きな溜め息を吐き、ベルナールは書類をヨアキムの執務机に置いた。
ラングロフの持つ情報網を使って半年掛け、漸くあの時の専属侍女が集めた情報の裏が取れたのである。
情報に偽りがない事。
レンナルツに一切漏れていない事。
そして何より──情報の速度。
情報は生きている。故に鮮度が命であるのは当然の事、正確で私情の挟まれていない純度が必要だ。
あの時の報告書は、それらを全て網羅していたのである。──信じられなかった自分に落ち度があると、今更ながらに悔やまれた。
結局一年前、ベルナールの考えた『団員内の子息令嬢囮作戦』は見事なまでに失敗と終わった。
団員達の子息令嬢に何もなかった事は、この先々を考えれば良いのだろうが。狙っていた主犯格が、ただの小児愛者だったとは。──否。あれはただのではなかった。
拗れた性癖が更に苛虐思考へ結び付き、被害者達は人形として扱われていた。言葉を奪われ、手足を捥がれ。ヒトとしての尊厳も、生命体としての自由も存在していなかったあの空間。
思い出しただけで腹の奥が沸々と怒りに囚われそうになり、ベルナールは大きく深呼吸をする。
中将令嬢の専属侍女が、あのような超回復魔法を使えて本当に良かった。それでなければ──被害者の子供達に慈悲の刃を向けていただろうと、ベルナールは今でも思う。
ちなみにその被害者達は全て本人の希望を聞き、親元やラングロフ直営の孤児院に連れていった。
ラングロフが直接管理している孤児院は、成年した際子供達が路頭に迷う事がないようにと、最低限の教育を行っている。食うに困って犯罪に走る事を防ぐ為、中将の奥方がそのように取り計らっていたからだ。
そして今回、続報自体の内容は重くない。土月を終えて孤児院を卒業した元被害者の行く末と、領地内を巡回する査察官の報告だ。卒業生は教育を受けていた為、各商店からの求人で働き先がすぐに決まり、今は見習いとして勤め始めている。
査察官は以前からいたが、ウゲイン・ワカーの件が発覚してから再度制度が見直しになった。そして複数人が無作為かつ、不定期に巡回する事と決定。これには当然、査察官と領地官吏官の癒着も防ぐ意味合いがある。
順位不動。秩序なく選抜するのはヨアキムで、賽の目を振るかのように気が向くまま変更するのだ。その為、各査察官はいつでも異動が可能なようにする義務がある。──出来ないと言うのならば罷免されるだけだ。
「雷の網」
ベルナールは執務室の戸締まりをすると、その扉へ進入防止結界を張った。これは普段から重要性のある部屋にベルナールがしている事だが、こうすると設定した彼とヨアキム以外触れられなくなる。
ラングロフ邸内の使用人には周知済みの為、間違っても誰も扉に触る事はない。
ちなみに触れれば電気が走ったように痺れて動けなくなる。麻痺時間は一日。対象者は目だけ動かせるが、それ以外声も出せない状態。術者への警報機能付き。高度な術式なのだ。──これは雷と水の魔力属性を持つベルナールだからこそなせるものである。
実力主義のシュペンネルだが、逆に言えば他者を蹴落とさんと誰もが狙っている殺伐とした国でもあるのだ。
特に上に立つ者は常に隙を見せられない。例え身内であっても──否、身内であれば尚更だ。ベルナールがヨアキムの子息達を警戒する、一番の理由でもあった。
血族を含め他者を信用していないベルナールだからこそだが、彼の中で絶対であるのは主と定めたヨアキムだけ。それ以外は、それ以外でしかない。──しかもそうしている自身の考え方が特殊である事を、ベルナールは分かった上で行動していた。
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