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第3話 やっと婚約破棄宣言
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「みんな聞いてくれ!」
ですが、殿下はへこたれずにゲームと同じセリフで私の断罪を敢行しようとされました。
ああ、これはへこたれてないのではなく周りの冷たい視線の意味をまったく理解していないだけですね。
「この女はとんでもない毒婦なんだ」
いよいよ婚約破棄イベントの開幕ですか?
「この女は嘘つきで、他人を陥れて喜ぶ性根が腐っていて――」
殿下は壇上で声高に私へ罵詈雑言を浴びせてきました。
得意気に私を傲岸不遜で、人を人と思わぬ冷酷無比な女だとか生きている価値がないだとか……
よくもまあ他人の悪口が出てくるものです。
「そして何より私の愛するクリスに嫌がらせをしていたのは既に周知の事実!」
愛するクリスって、こんな大勢の前で大胆な浮気発言……頭大丈夫ですか?
「ああ、私とても怖かった」
「大丈夫だ。私が必ず君を守る」
そして、訳の分からん茶番を見せられるこちらの身にもなってください。
ほら、みなさんシラけているじゃないですか。
「そんなはずありません!」
その時、1人の女生徒が割って入ってきました。
「レイピアお嬢様はとってもお優しい方なんです」
私の専属侍女であるショーテルです。
薄い桜色の髪と澄んだ水色の瞳がとっても似合う愛らしい少女で、笑うと周りがパッと華やぎ、(殿下のせいで)ささくれた私の心に安らぎを与えてくれるんです。
可愛くて明るいショーテルに貴族の子女達も心を鷲掴みにされており、学園の人気者になっております。
「侍女の分際で私に楯突くつもりか!」
「そうです。レイピア様は私にとっても酷いなさりようで……」
ううう……と嘘泣きするクリスに殿下達が気炎を上げました。
「クリスの言う事を疑うか!」
「小娘が無礼であろう」
「失せろ下女が!」
何ですかコイツら。
私のショーテルに暴言を浴びせるなど――殺しますよ?
「ショーテルは下がっていなさい」
「ですがお嬢様!」
このバカ共に私のショーテルが傷つけられては大変です。
守るようにショーテルを背に立つと彼女が抗議の声を上げました。
彼女は孤児院から掬い上げた私に心酔していて、女神の如く崇めている私をいつも守ろうと矢面に立とうとするのです。
「危ないからあなたは私の背に隠れていなさい」
「ですが……」
マジメなショーテルは主人の私を必死になって守ろうと……なんて健気なのかしら。
でも、あなたがこんなバカ達の相手をする必要はないのよ。
「ふん、相変わらず人気取りだけは上手いようだな」
「だが、その化けの皮も今日までだ」
「みなの前でその本性を暴いてくれる」
私とショーテルの仲睦まじい姿に側近共がいきりたちました。
「レイピア・ツヴァイハイダー!」
そして、殿下が再び私の名を叫び指を指す。
「今日ここで貴様に引導を渡す。私グラディウス・クレイモアはお前との婚約を破棄する!!!」
その婚約破棄宣言に会場が騒然となりました……
ですが、殿下はへこたれずにゲームと同じセリフで私の断罪を敢行しようとされました。
ああ、これはへこたれてないのではなく周りの冷たい視線の意味をまったく理解していないだけですね。
「この女はとんでもない毒婦なんだ」
いよいよ婚約破棄イベントの開幕ですか?
「この女は嘘つきで、他人を陥れて喜ぶ性根が腐っていて――」
殿下は壇上で声高に私へ罵詈雑言を浴びせてきました。
得意気に私を傲岸不遜で、人を人と思わぬ冷酷無比な女だとか生きている価値がないだとか……
よくもまあ他人の悪口が出てくるものです。
「そして何より私の愛するクリスに嫌がらせをしていたのは既に周知の事実!」
愛するクリスって、こんな大勢の前で大胆な浮気発言……頭大丈夫ですか?
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「大丈夫だ。私が必ず君を守る」
そして、訳の分からん茶番を見せられるこちらの身にもなってください。
ほら、みなさんシラけているじゃないですか。
「そんなはずありません!」
その時、1人の女生徒が割って入ってきました。
「レイピアお嬢様はとってもお優しい方なんです」
私の専属侍女であるショーテルです。
薄い桜色の髪と澄んだ水色の瞳がとっても似合う愛らしい少女で、笑うと周りがパッと華やぎ、(殿下のせいで)ささくれた私の心に安らぎを与えてくれるんです。
可愛くて明るいショーテルに貴族の子女達も心を鷲掴みにされており、学園の人気者になっております。
「侍女の分際で私に楯突くつもりか!」
「そうです。レイピア様は私にとっても酷いなさりようで……」
ううう……と嘘泣きするクリスに殿下達が気炎を上げました。
「クリスの言う事を疑うか!」
「小娘が無礼であろう」
「失せろ下女が!」
何ですかコイツら。
私のショーテルに暴言を浴びせるなど――殺しますよ?
「ショーテルは下がっていなさい」
「ですがお嬢様!」
このバカ共に私のショーテルが傷つけられては大変です。
守るようにショーテルを背に立つと彼女が抗議の声を上げました。
彼女は孤児院から掬い上げた私に心酔していて、女神の如く崇めている私をいつも守ろうと矢面に立とうとするのです。
「危ないからあなたは私の背に隠れていなさい」
「ですが……」
マジメなショーテルは主人の私を必死になって守ろうと……なんて健気なのかしら。
でも、あなたがこんなバカ達の相手をする必要はないのよ。
「ふん、相変わらず人気取りだけは上手いようだな」
「だが、その化けの皮も今日までだ」
「みなの前でその本性を暴いてくれる」
私とショーテルの仲睦まじい姿に側近共がいきりたちました。
「レイピア・ツヴァイハイダー!」
そして、殿下が再び私の名を叫び指を指す。
「今日ここで貴様に引導を渡す。私グラディウス・クレイモアはお前との婚約を破棄する!!!」
その婚約破棄宣言に会場が騒然となりました……
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