夏色パイナップル

餅狐様

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第三章 岩姫祭編

第拾四話 岩姫祭、その7決着

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 土手の上からごうごうと神輿が燃え盛る様子を見るに、もう河原では神事も中盤に差し掛かっている頃だろう。

 街中を練り歩いた神輿は河原へと持ってきてお焚き上げをする事で、五穀豊穣等を願い、その間巫女役の女性は、神官の祝詞に合わせて神楽を奉納する。

 遠目で見るにその神楽はまだやっているようだ。
 土手を一気に駆け下りて特設ステージを目指す。
 しかし、自分の位置からその顔を見るには分が悪かった。

 何度も人目を縫おうとはした。
 だが、全て弾かれ近寄ることすら、ままならない。

 そんな中ステージの上の彼女は妖艶に舞を踊る。
 袖をなびかせ、滑らかな足運びで。

 その手に持つ神楽鈴がシャンシャンと時を刻む。
 その度、欲望は心臓を鷲掴みにしドクドクと俺を焦らせた。

 それは俺からモラルを奪う。
 無理矢理にでも御前に出ようとさせた。
 前へ、前へと体を隙間にねじ込むように。

 しかし、努力虚しく祝詞は終わってしまった。
 最前列へと辿り着く前に。

 壇上の彼女も用意されている車へと歩を進める。
 ゆっくりと階段を降り、俺の前へと差し掛かった。


 俺は願う。
 風よ吹け。
 今一度、吹け!


 ――しかし、気まぐれな神様からの反応は無い。


 やはり、あれは偶然だったかと諦めかけたその時。


 ドキンッ!


 会場に設置してあった扇風機の風が垂れ布をさらう。



 ――その顔は美人だった。


 欲を満たせば消えると思ったこの違和感は消える事は無かった。

 むしろ、前よりも強いものとなって俺にのしかかる。

 あの人が車に乗り込み現場を後にした時、それは苦しみへと変わった。

 頭から離れない一種の呪いのようにだ。
 だから、これは理想とする一目惚れでは、無い。


 これは恋だ。
 俺は名前も知らぬあの人に、恋をした。
 例えクズでもいい。
 美しい。
 理由はシンプルにそれだけだ。


 この違和感を恋と定義付け少しは楽になったが、彼女が好きかと言われたら俺はNOと答える。

 内面は知らないからだ。
 故に、仲良くなりたい。

 NOをYESにするために関わりたい。


 ……とは言っても特定は困難だ。
 その行為自体ストーカーと大差無い。


 だから、この思いは、きっとアイドルに恋するオタクのような一過性のものだと、そう思う事にした。

 そうしたら、一気に気が晴れた。
 先程までうじうじとしていた自分が情けない。


 そうだ。
 恋をしたけど好きじゃない。


 己の気持ちにケリをつけ、友人と合流するべく祭り会場へと向かう。

 土手を昇ったところで、俺は誰かにぶつかった。

 相手はぶつかった拍子に尻もちをついたようだ。


「……いってーしぃ」


 その主は昼愛倫だった。
 だが、ただの彼女では無かった。

 目元は真っ赤に腫れ。
 頬には涙の跡を作り。
 鼻からも水のレールは伸びていた。

 俺を見上げるその目つき。
 まるで捨てられた猫のようにキッと鋭い。


「大丈夫か?」


 俺は手を差し伸ばす。
 彼女の強ばった表情は警戒を解くように一気に緩んだ。


「……な……なっぽぉぉ…………」


 落涙は大河を頬に描き。
 口元はひきつる。
 次の瞬間。
 昼愛倫は俺の胸に顔を押し当てた。

 じんわりと服に温もりが伝う。
 言葉にならない声が耳を刺した。
 困惑する俺は何も出来ない。
 ただ、ただただ見守ることしか出来なかった。


 ……しばらくして、涙も枯れ次第に落ち着きを取り戻してきた昼愛倫をベンチへと座らせる。

 うつむく昼愛倫に何を言っても反応は無かった。

 もぬけの殻のように死んだ目で虚空を見つめている。


「ほら、プレゼントッ!」


 しびれを切らした俺は近くの自動販売機でお茶を買ってくると、それを昼愛倫の背中に放り込んだ。


「つ、つめたーいッ!! バカじゃねーのッ!! 冷た過ぎて死んじゃうしー!!」


 威嚇する猫のように昼愛倫は睨む。


「泣いてるよりも、やっぱ怒ってる方が昼愛倫らしいな」


「シシシシシぃ! ひめらしいってどういう事だしー」


 どうやら正気に戻ったようだ。
 いつもの昼愛倫だ。

 しかし、何度尋ねても泣いていた理由は教えて貰えなかった。

 乙女の黙秘権を主張されては為す術もない。

 ただ一つ言えるのは、泣いた後は雲が晴れたように清々しいくらい表情がスッキリとしていた。


「ちょっと手のひらにお茶出してー」


 言われた通りに昼愛倫の手にお茶を注ぐ。

 すると、彼女はためらいもなくそれで顔を洗った。


「え、何してんの??」


「シシシぃ、お茶で洗顔しちゃダメなんてルールねーし」


 手ぬぐいで顔を拭いて覗かせる瞳からは、もう先程までの様子が垣間見える事はなかった。


 約束の午後八時も迫ってきたので、俺達は広場へと歩を進める。

 到着すると、暁葉だけが待っていた。


「待った?」


「ううん。今来たとこだよ」


 いつも朗らかにしている暁葉の様子がおかしい。

 言葉に明るさの欠片も無いからだ。


「……ダメガネと一緒に居たし」


「透璃君……ね。何か今日はもう疲れて具合悪いから帰る~って帰っちゃったよ。みんなで一緒に結果発表見れなくて残念だなって、落ち込んでただけなんだ。心配かけてごめんね」


 確かに今日の透璃はいつもより頑張っていた。

 インドア派のアイツが前日含めてこれだけ動いていたら、そりゃ体調を崩しても仕方ない。


「ねら、勘弁ね。待たしてしもーたて」


 八時すれすれに姉貴と渡坂先生も現地に到着。

 透璃の事情を二人に話すと残念そうにしていた。

 他二校も揃ったところでいよいよ結果発表の時間だ。


「この度は、急な企画ながらに三校の皆様にお集まり頂き誠にありがとうございました。それでは、早速ですが、結果発表に参りたいと思います。代表者は前へ登壇下さい」


 司会の男の指示で三怪は登壇した。


「まずは、メイン商品の売上が電光掲示板に一斉に表示されます」


 男がスイッチを押すと一桁目から順に表示された。

 ガヤガヤしていた会場も静まり返る。


 三加、二十万、千、八百円。
 茂上、十九万、九千、五百円。
 城山、二十一万、四千、六百、五十円。


おっこおやおや、ねら、自信満々らった気がしたんだろも、どーいんだろーねーどうしたもんだかね


「まだサブと経費の結果が出てねぇぜ? そう勝ちを急ぐなよ、狐」


「ここからが本当の勝負でしてよ? おほほほ」


 幸先の良いスタートに外野の俺達も喜んではいた。

 しかし、二人は眉毛一つピクリとも動かさない。

 むしろ、余裕の笑みすら浮かべている。

 その状況にどこかへ飛んで行ったはずの焦りが、汗となって舞い戻った。


「続きましては、メインサブ双方を合算させた経費を売上からお引き致します」


 一度リセットされた電光掲示板が再び動き出す。

 俺には経費でも勝つ自信があった。
 己の見てきた二校のバックの物量は明らかに数万円クラス。
 それに対して俺達の経費は一万二千円。
 ここは差を付けるチャンスなのだ。


  ――そう思っていたのだ。


 三加、二十万、千、八百円。
 茂上、十九万、九千、五百円。
 城山、二十万、二千、六百、五十円。


 俺はバグだと思った。
 きっと、誤表記だと。

 ――数字が変わっていないのだから。


「ねら、どーいんだ?? 数字変わってねぇねっか!! 卑怯らろ!!」


「そりゃ、かかってねぇからな」


「頂いたものを使えば無料でしてよ?」


 二人は呆れたように姉貴を見る

 だが、確かにその通りだ。
 貰い物は経費にはならない。

 しかしだ。

 あの物量を如何にしてタダにしたのか疑問が残る。

 会場もこれにはどよめいた。


「不正と思われても困るから説明するぜ。俺様達はクラウドファンディングで資金を調達している。いわゆる募金みてぇなものだな。その集まった金額の不足分を広告宣伝費としてコラボ店の二店舗様に出資頂いて貰ったから経費は無しってわけだぜ」


「私達は会計の観点から、正確な経費の算出が出来ませんの。一年単位で予定されたイベント数に対して生産計画を立てていますので、予定されているイベントに対してはすぐに参照することが可能ですわ。仮にこのイベントの経費を算出するとしたら、年末にならないと分かりませんの。今年は通年と違って、予定されている経費に赤字分が出ますので、それが今回の経費になりますわ。でも、それまで待つのは不可能、ということで実質無料でしてよ」


 二人の余裕の正体はきっとこれだったのだ。

 差を開くどころか一気に詰められてしまった。


「さぁて、狐。貴様らにサブ収入はなかったはずだ。そこで指をくわえて三加と茂上の一騎打ちを見ているがいいぜ」


「初出場でこれだけの結果を出してるのは凄い事ですわ。申し訳無いですが、勝たせて頂きますの!」


 道の言う通り俺達にサブ収入は無い。
 いや、厳密にはある予定なのだ。

 しかし、数字が分からない。


「最後のサブの収入は三加、茂上、城山の順で合算致します」


 司会の男がスイッチを押すと三加の数字が動き出す。


 三加、二十二万、四百円。


「へッ、暫定……いや、一位は頂きだぜッ!!」


「な……なにを、まだ分かりません事よ。何を根拠に私に勝ったと確信しておいでで?」


「なぁに、簡単な事だ。貴様の所の商品は確かなモノ。だがしかし! 多く売れていても単価が安い! 食べやすいモノもあればそうでないモノまで特価で売っていやがるからニーズが分散し、全ての商品が売れた訳じゃないッ! 対して俺様のスイーツは高単価ではあるが確かな品質とコラボ店による保証が客足を伸ばす結果になった! メインで上回れなかった貴様がサブで上回るなど不可能に近いッ!! フハハハハッ!!」


 指をさしてキメ顔の道。
 対して、羽華菜の顔色が良くない。

 いつもの減らず口も開く事は無かった。

 目が泳いでいる。
 明らかに彼女は動揺していた。

 ライバルとして負けたくない気持ちだけでは無い。

 月城羽華菜はこの勝負に告白を賭けている。
 俺と暁葉に話した理想を今まさに背負っているのだ。


「続きましては、茂上農林です」


 数字が動き出すと羽華菜は両手を祈るように組む。

 きっと今、彼女の心の内は天にもすがる思いでいっぱいなのだろう。

 その顔に普段の余裕は一切無い。

 まるで受験の合格発表のように、背けたい目を電光掲示板から背けず結果を受け取ろうと待ち構える。


 茂上、二十二万、四百、五十円。


 結果が表示されると、羽華菜は気が抜けたのかその場に座り込んでしまった。


「……ギリギリ。危なかったですわ。こ、今回は本当に焦りましたわよ。ですが、されど五十円とは言えども、これでこの私の優勝ですわね!!」


 道は顔を背ける。
 その手の握り拳は微かに震えていた。
 そして、手を開いた彼は振り返ると羽華菜に答えた。


「……俺様の完敗だ。良い勝負だったぜイノシ……いや、月城羽華菜! 俺様の負けだぜ!! フハハハハッ!!」


 座り込む羽華菜に道は手を差し伸べた。
 彼女はその手を取るとゆっくりと立ちあがる。

 彼の瞳は悔しさなど微塵も感じさせない。
 それ程よどみなく気持ち良いくらい澄んでいた。

 やる事はやったんだと。
 それで負ける事に恥は無いと。

 少なくとも俺にそう思わせるくらい、彼の潔さには目を見張るものがあった。


「ねら、おらの事は忘れんでくれや」


 姉貴は二人の後ろに回ると両者の肩を掴んだ。
 自慢の八重歯をチラつかせ、不敵な笑みを浮かべている。


「は? 何を言ってやがるんだ? 貴様にサブ収入などねぇじゃねぇか」


「そうですわ! あなたは餅しか売ってなかったはずですわよ!!」


 二人の指摘に姉貴は静かに答える。


「アハハハハッ!! ……ねらは……おらがいつからサブ収益を得てねぇと、錯覚してたんだろっかね」


 姉貴のその強者の一言に、両者言葉を失った。


「さぁ、はよ結果を見てみようれ! ねらが! ねぇと思ってる! おら達の! サブ収益の! 結果をやッ!!」


 姉貴の合図と共に城山の数字が動き出す。


 二十一。
 二十二万。
 二十二万、五千。
 二十三万!
 二十四万!!


 既に二万の差を付けた。
 蝮も猪もその数字に声すら上がらない。
 さらに、まだまだ俺たちの点は伸びる。


 二十五万!
 二十六万!!

 二十六万、八千、九百円!!


 ――それが俺達の叩き出した数字だった。


 にわかに信じ難いその数字に、会場のどよめきのボルテージは強さを増した。


「こんなの不正だと言わざるを得ねぇぜ! 種を明かして貰おうじゃねぇか!」


「それは自分の目で見てみれや」


 姉貴はスマホを取り出すと二人に画面を見せる。


「スマホに何の証拠があるって言うのですの……こ、これは!?」


「アーカイブ? ……っておいちょっと待て!? こんなのありかよ……」


 そこに映し出されていたのは、俺達のブースの風景。

 忙しなく働いている俺達には、気付かない間に大量のコメントが来ていた。


『巫女可愛いw』
『祝詞助かる』
『こっち向いてもろて!』
『餅つきてぇてぇ』


 それと共にチャリンチャリンと、金属が鳴る音が聞こえる。


 ――そう姉貴の狙っていたのはこの、投げ銭だ。


 多様性の世の中。
 いつ何に需要が生まれてもおかしくない。
 姉貴はそこに目をつけた。
 映像という名の商材に。
 だから聞いたのだ。
 渡坂先生に。


『勝負に使われるがんは、指定された場所で、指定された時間内の売上から経費を引いた利益でいいんろ?』と。


 ようやく現実が飲み込めた二人に、姉貴は言う。


「ねらの敗因は単純ら。一個だけの簡単な理由られ」


「何だってんだよ」
「そうですわ」


「潜在的なしょを、切り捨てた」


 姉貴の言葉に、二人は目を丸くする。


「確かにおらには、ねらと違って伝統も太いパイプもねぇれ? だろもだけどな、ねらとは見てる世界がちげぇんだて! 祭りに来るしょだけが祭りを楽しめるなんて、誰が決めたんだぃやッ! これからは来ねぇしょ、いや、来たくても来らんねぇしょにだって祭りを楽しむ権利は、あるんだてば! それに気付かんねかったねらが、おら達に勝てるわけなんて、はなからねぇんだぃやッ! ターゲットの分母がちげぇ過ぎるて!!」


 未来の経営者候補はきっと心に記憶しているのだろう。

 城山の狐。
 神野淵弥夜癒のやり方を。

 誰もが思いつかない。
 ルールに則した。
 固定概念の壊し方を。


 表彰式が終わると記念撮影会が行われた。

 そうして祭りは終わり、日常が顔を出すものだと恐らく全員が考えていただろう。

 事件は俺達四人と、二校の四人がいる時に訪れた。


「狐。俺様は貴様を見くびっていたようだぜ。確かに貴様の言う通り来ねぇやつに目なんて向けていなかった」


「ヘッ、分かればいいんだて。どうら? 商売の経験なん無くたって人にモノを売る事に関係ねぇろ」


 姉貴はニッと微笑む。


「ああ、すげぇよ。おめぇは……本当にすげぇ」


「もっと褒めてくれたって良いんだれー?」


「ちょっと、調子に乗り……」


 それは羽華菜が言いかけた時だった。


「俺様はそんなすげぇ貴様に惚れたみたいだ。俺様の女になりやがれ! 神野淵弥夜癒!!」


 ドンッ! ドンッ!!


 祭りの終わりを知らせる花火が打ち上がった。

 誰も、今、目の前で、何が起こったか、理解出来ない。

 花火の余韻がその場の静寂を取り去る頃。

 先に正気を取り戻したのは、羽華菜だ。
 彼女は一目散に立ち去った。
 荷物も置いて逃げるように。


「蝮さん……無いッスわ」


 声のトーンの高い幸弥は低い声でそう言うと、荷物を持って彼女を追いかけた。

 姉貴はまだ立ち尽くしている。

 俺の知る限り、姉貴は告白された事など一度も無い。

 その想定出来ない事態に対処ができないのだ。

 こんなたじろぐ姿を俺は見た事が無い。


「そりゃ、突然告られたら困るよな。返事は今度で良いぜ。俺様は弥夜癒、貴様と世界が見てぇ! それだけだ。行くぞ音暖子」


 音暖子は御迷惑をお掛けしましたとばかりに深く一礼すると、道の後を追いかけた。


「ナップル……」


「大丈夫か? 姉貴」


「なんかや、胸の当たりがバクバクするんだて。おら、こんげなの初めてで分からね。何なんだぃや……」


 ――姉貴の言葉に一同、顔を見合わせることしか出来なかった。
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