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水の庭『アクアガーデン』
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「うむ! 貴様が『ゆうづきりん』とやらか! 余は待っていたのだぞ!」
連れられた先の王の玉座に座っていたのは、まだ年端もいかないであろう少女だ。とても満足そうな顔をして座っている。
「悪いな 俺はこの国を治めてる人に会いに来たんだ おままごとは後でな」
「バッバカ!! 此の方がそのお方だぞ!」
「え?」
何を言っているのだろう、シオンは冗談が好きだったのか。流石にそれはないだろう。
「冗談が言いたいならもっとマシなのを頼むぞシオン」
「うむ斬首か? お主は斬首がお望みか?」
「この子は随分と口が悪いようだが……ここのお姫様か何かか?」
「だからここの王妃だと言っているだろ!」
「……本当に?」
無言でシオンが頷く、恐る恐る玉座の方向に目をやるとだいぶお怒りのお子様がいらっしゃった。
謝らなければ首が飛びそうだった。
「とんだご無礼を王妃様」
「遅いわたわけぇ!」
遅かった、怒りは頂点に達していた。
怒ってる姿はどう見ても子供なのだが、これでこの国の王だと言うのだから未だに信じられない。
「なんじゃなんじゃ! せっかく余がカッコよく決めたのに台無しにしおって! 斬首じゃぞ!? この国の民なら問答無用で斬首にしておったところだぞ!」
「流石は王妃! 余所者への寛大な態度には感服致しました!」
「むぅ……? そうか?」
「はい! 流石は我らがアクアガーデンの王妃『ピヴワ』様であられる!」
「そうじゃろそうじゃろ! もっと余を褒めることを許すぞ!」
「ありがたき幸せ」
「チョロいなあの王妃」
シオンの咄嗟の機転でこの窮地を脱することができた。理由はわからないが、あの少女が王妃だと言うのならそれを前提に話を進めるしかない。
「それで王妃 我々が聖剣使いだというのは信じてくださったのですか?」
「うむ信じるぞ その顔は紛れもなく『あの男』の顔じゃな そっくりであるぞ?」
「へ~アンタ最初の聖剣使いに会ったことがあるんだな」
「口を慎め赤髪!」
「もうよいシオン この者たちが無礼であるのは既にわかっておる」
「しかし……」
「このバカはお構いなく進めてやってください王妃 後でしっかり教えときますんで」
「おいなんでチビルに保護者面されなきゃなんねえんだよ!」
「黙ってろレイ」
「わかりました!」
「こっちもチョロいなおい」
「話を続けてよいかお主ら?」
なかなか話の進まないせいで少しお怒り気味の王妃を再び宥めるシオン、王妃の見た目のせいもあってその姿はまるで保護者そのものだった。
流石にこちらも話を進めたい、早くここにある賢者の石を貰わなくてはならない。
「それで? おぬしらここの賢者の石『アクアシュバリエ』がお目当てなのじゃろ?」
「はい その通りです」
「じゃがあの石はこのアクアガーデンにとって大切な秘宝じゃ……おいそれと簡単に渡せる代物ではないぞ」
「ではそれに見合う何かがあれば渡せると?」
「そうは言うがそんな代物おぬしら持っておらぬのだろう?」
その通りだった。少し前まで文無しだと気付いたばかりだ、逆立ちしたって無理な話だ。
「そこでじゃ おぬしらに折り入って頼みごとをしようと思ってな」
「頼みごと?」
「そうじゃ なにぶんこの国にはほとんど女子ばかりでのう 労働力を欲しておる」
「つまり働けと」
「ぶっちゃけそうじゃ!」
ぶっちゃけられた。
この国は女尊男卑というより男女比率が違うのだろう、だから男が出稼ぎするしかないのだ。
「おぬしの持っておる賢者の石があれば難しくはないぞ!」
「内容にもよりますよ どんな内容なんです?」
「簡単じゃ この辺りを騒がせておる『電気泥棒』を捕まえて欲しいのだ」
「電気泥棒? 発電所でも襲われたんですか?」
「電気泥棒じゃ 『電気そのもの』を盗む奴じゃ」
なんだかややこしくなってきた、物ではなく電気を盗む泥棒。そんなことは普通ならできないがこの世界ならありなのだろう。
「何か情報はないんですか? 闇雲に探しても見つけられませんよ」
「それについてならさっきよいことを思いついたぞ! 連れて行けシオン」
「わかりました では案内しよう」
言われて連れられた場所は『牢屋』だったのだ。
「まだ現れないか?」
ここまでが牢屋に入れられた経緯。
別に引っ捕らえられたわけではないのだが、おそらく気分を害した腹いせも多分含まれている。
牢屋の中で待機しているとシオンが現れた。妙に笑顔なのがなんだか腹ただしい。
「どうもシオンさん 囚人にご用で?」
「まあそう言わないで お前達は街中での発砲という罪をここで一日大人しくしてもらう 牢に電流を流しておけば電気泥棒は現れる まさに一石二鳥じゃない」
「とか言ってリンが子供扱いしたことの腹いせもあるんじゃねえのか?」
「まあ十中八九そうでしょうけど」
「俺のせいかよ……」
「今国中の電力のほとんどを城にまわしてる なら一番電力の強い城の中に入ってくるはず」
「そう簡単に城に入れるもんかなあ ねえ兄貴?」
「それは同感だな 城の警備をかいくぐって入れるとはとてもじゃないが思えん」
「ただの泥棒ならね」
「なに?」
「電気泥棒を別の警備団が見つけたの でも逃げられた」
「どんくせえな そんなにすばしっこい奴なのか?」
「いいえ 警備団は全員病院送りにされたの 今でも目を覚ましてない人もいるわ」
「マジかよ!?」
「それでアニキに!?」
「……」
聞く限りでその強さは間違いなく只者ではないのだろう。今まで出会った奴ら以上の実力か。
「それじゃ何かあったら呼んで ご飯のおかわりとか持ってきてあげるから」
「そりゃどうも 牢屋の中の食事は格別でしたよ」
「捕まえたらもっといいもの食べられるんだから頑張ってねえ」
シオンが出ていくためにドアへと向かう。
が、それより先にドアは勢いよく吹き飛ばされた。
連れられた先の王の玉座に座っていたのは、まだ年端もいかないであろう少女だ。とても満足そうな顔をして座っている。
「悪いな 俺はこの国を治めてる人に会いに来たんだ おままごとは後でな」
「バッバカ!! 此の方がそのお方だぞ!」
「え?」
何を言っているのだろう、シオンは冗談が好きだったのか。流石にそれはないだろう。
「冗談が言いたいならもっとマシなのを頼むぞシオン」
「うむ斬首か? お主は斬首がお望みか?」
「この子は随分と口が悪いようだが……ここのお姫様か何かか?」
「だからここの王妃だと言っているだろ!」
「……本当に?」
無言でシオンが頷く、恐る恐る玉座の方向に目をやるとだいぶお怒りのお子様がいらっしゃった。
謝らなければ首が飛びそうだった。
「とんだご無礼を王妃様」
「遅いわたわけぇ!」
遅かった、怒りは頂点に達していた。
怒ってる姿はどう見ても子供なのだが、これでこの国の王だと言うのだから未だに信じられない。
「なんじゃなんじゃ! せっかく余がカッコよく決めたのに台無しにしおって! 斬首じゃぞ!? この国の民なら問答無用で斬首にしておったところだぞ!」
「流石は王妃! 余所者への寛大な態度には感服致しました!」
「むぅ……? そうか?」
「はい! 流石は我らがアクアガーデンの王妃『ピヴワ』様であられる!」
「そうじゃろそうじゃろ! もっと余を褒めることを許すぞ!」
「ありがたき幸せ」
「チョロいなあの王妃」
シオンの咄嗟の機転でこの窮地を脱することができた。理由はわからないが、あの少女が王妃だと言うのならそれを前提に話を進めるしかない。
「それで王妃 我々が聖剣使いだというのは信じてくださったのですか?」
「うむ信じるぞ その顔は紛れもなく『あの男』の顔じゃな そっくりであるぞ?」
「へ~アンタ最初の聖剣使いに会ったことがあるんだな」
「口を慎め赤髪!」
「もうよいシオン この者たちが無礼であるのは既にわかっておる」
「しかし……」
「このバカはお構いなく進めてやってください王妃 後でしっかり教えときますんで」
「おいなんでチビルに保護者面されなきゃなんねえんだよ!」
「黙ってろレイ」
「わかりました!」
「こっちもチョロいなおい」
「話を続けてよいかお主ら?」
なかなか話の進まないせいで少しお怒り気味の王妃を再び宥めるシオン、王妃の見た目のせいもあってその姿はまるで保護者そのものだった。
流石にこちらも話を進めたい、早くここにある賢者の石を貰わなくてはならない。
「それで? おぬしらここの賢者の石『アクアシュバリエ』がお目当てなのじゃろ?」
「はい その通りです」
「じゃがあの石はこのアクアガーデンにとって大切な秘宝じゃ……おいそれと簡単に渡せる代物ではないぞ」
「ではそれに見合う何かがあれば渡せると?」
「そうは言うがそんな代物おぬしら持っておらぬのだろう?」
その通りだった。少し前まで文無しだと気付いたばかりだ、逆立ちしたって無理な話だ。
「そこでじゃ おぬしらに折り入って頼みごとをしようと思ってな」
「頼みごと?」
「そうじゃ なにぶんこの国にはほとんど女子ばかりでのう 労働力を欲しておる」
「つまり働けと」
「ぶっちゃけそうじゃ!」
ぶっちゃけられた。
この国は女尊男卑というより男女比率が違うのだろう、だから男が出稼ぎするしかないのだ。
「おぬしの持っておる賢者の石があれば難しくはないぞ!」
「内容にもよりますよ どんな内容なんです?」
「簡単じゃ この辺りを騒がせておる『電気泥棒』を捕まえて欲しいのだ」
「電気泥棒? 発電所でも襲われたんですか?」
「電気泥棒じゃ 『電気そのもの』を盗む奴じゃ」
なんだかややこしくなってきた、物ではなく電気を盗む泥棒。そんなことは普通ならできないがこの世界ならありなのだろう。
「何か情報はないんですか? 闇雲に探しても見つけられませんよ」
「それについてならさっきよいことを思いついたぞ! 連れて行けシオン」
「わかりました では案内しよう」
言われて連れられた場所は『牢屋』だったのだ。
「まだ現れないか?」
ここまでが牢屋に入れられた経緯。
別に引っ捕らえられたわけではないのだが、おそらく気分を害した腹いせも多分含まれている。
牢屋の中で待機しているとシオンが現れた。妙に笑顔なのがなんだか腹ただしい。
「どうもシオンさん 囚人にご用で?」
「まあそう言わないで お前達は街中での発砲という罪をここで一日大人しくしてもらう 牢に電流を流しておけば電気泥棒は現れる まさに一石二鳥じゃない」
「とか言ってリンが子供扱いしたことの腹いせもあるんじゃねえのか?」
「まあ十中八九そうでしょうけど」
「俺のせいかよ……」
「今国中の電力のほとんどを城にまわしてる なら一番電力の強い城の中に入ってくるはず」
「そう簡単に城に入れるもんかなあ ねえ兄貴?」
「それは同感だな 城の警備をかいくぐって入れるとはとてもじゃないが思えん」
「ただの泥棒ならね」
「なに?」
「電気泥棒を別の警備団が見つけたの でも逃げられた」
「どんくせえな そんなにすばしっこい奴なのか?」
「いいえ 警備団は全員病院送りにされたの 今でも目を覚ましてない人もいるわ」
「マジかよ!?」
「それでアニキに!?」
「……」
聞く限りでその強さは間違いなく只者ではないのだろう。今まで出会った奴ら以上の実力か。
「それじゃ何かあったら呼んで ご飯のおかわりとか持ってきてあげるから」
「そりゃどうも 牢屋の中の食事は格別でしたよ」
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