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Chapetr2
095 レティシアとリベンジへ!
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「ねえねえ、レティシア」
「何だい、ソフィア」
「彼氏の連絡先、もう聞けたかな?」
「私に彼氏なんていないよ?ソフィアはお馬鹿だね」
痛い、ほっぺをつねらないで。
「え、忘れちゃったの?」
「何を?」
「彼氏」
「ソフィアが言ってるのがアカリさんのことなら、忘れるわけないけど?で、彼は彼氏ではない。なんて言うかな、魂の恋人?みたいな」
ほっぺを引っ張るな。痛いって思ってるだろうが!
「あんたの中での立ち位置はどうでもいいけど、あんた最近この辺りをウロウロしてると思ったら、やっぱりまだ聞けてないのね」
「ほら、突然訪ねていくわけにも行かないでしょ?アポ取らないと。アポ取るには連絡先が必要で。ほらほら、もう手詰まりよ?」
私の理論はいつも完璧。
一回落ち着いちゃうと、また盛り上がるまでに時間がかかるというか、緊張というか。私感覚では一ヶ月以上逢ってお話をしていないわけで、逢いたいのは逢いたいのだけど、まあ、突撃する勇気がないのだ。つまりは。
「だと思った。だから安心して、私があなたに勇気をあげる!」
「ブリンク!?」
「何言ってるの?私が付いていってあげるってこと。頼もしいでしょ?」
「えー……」
相方はどうして止めないの?
「あれ?マリーは?」
「そんな人知りません」
またか。
私が落ち着いたら、この2人はよく喧嘩をするようになった。級友達によれば、これはデフォルトで仲直りするまでがセット。
「私もちょっと宇宙ステーションに興味が出てきて」
でもそれだけだと動機としては弱いから、どうせ日和ってる私をダシに、進出しようと言う魂胆らしい。
こちらとしても、こういう勢いも借りなきゃ進まないのはホントね。
「じゃあ行こう!」
「えっ今から?無理無理。私カワイイ服じゃないし!」
長袖グレーの前ボタンTシャツにジーンズという「アカリセット」とは方向性が全く違う服装だ。
「十分可愛いよ~。行くぞ!」
自分の中の焦りとソフィアの強引さに押され、私たちは宇宙ステーションへ向かうことになった。
「凄い!綺麗!」
軌道エレベーターには小さい頃に乗ったきりだというソフィアが外の景色を見てはしゃいでいる。これだから素人は恥ずかしいんだよ。
「落ち着こうよ、ソフィア。私はもう見慣れちゃったから、何とも思わないけど」
「レティシア、この景色は何回見ても見慣れるってことはないよ。いつも同じってことはないんだから。あんた感受性に乏しいんじゃない?わ~すごい雲。あの下は嵐なんだわ……」
マウント返しされた、腹が立ちますわ!
「ねえ、アカリさんトコに向かう前に、少し休憩していこう。どこかオススメない?」
1時間の間、はしゃぎまくって疲れたソフィア。
「ん~私もあれから今日で三回目だしな~。お店は知らないかも」
「その二回は何してたの?」
「船と改札の間をウロウロ……?」
自分で言ってて意味不明だ。
「それじゃあ、休憩は後にして、勢いあるうちに……」
ソフィアの台詞を遮ってい館内放送の軽快なチャイム音が辺りに響く。
『サントルからお越しのレティシアさん、大至急目的地へ向かってください!繰り返します……』
この声、聴いたことがあるぞ……。
「これって、レティシアのことじゃない?」
「そうだった、監視されてるんだった……」
「監視って?」
「私が地上駅に行くと、分かるんだって。周囲の監視カメラを常にチェックしているらしいよ」
「それって合法……?」
「多分、ブラック。自由な子達なの」
「呼ばれてるなら行ってきなよ。私はブラブラしとくからさ」
一緒に行ってくれないの?ま、ブラックには近付きたくないだろな。
『何回でも言いますよ~。レティシアさん、さっさと来てください~』
「呼ばれてるよ」
「行ってきます……」
「何だい、ソフィア」
「彼氏の連絡先、もう聞けたかな?」
「私に彼氏なんていないよ?ソフィアはお馬鹿だね」
痛い、ほっぺをつねらないで。
「え、忘れちゃったの?」
「何を?」
「彼氏」
「ソフィアが言ってるのがアカリさんのことなら、忘れるわけないけど?で、彼は彼氏ではない。なんて言うかな、魂の恋人?みたいな」
ほっぺを引っ張るな。痛いって思ってるだろうが!
「あんたの中での立ち位置はどうでもいいけど、あんた最近この辺りをウロウロしてると思ったら、やっぱりまだ聞けてないのね」
「ほら、突然訪ねていくわけにも行かないでしょ?アポ取らないと。アポ取るには連絡先が必要で。ほらほら、もう手詰まりよ?」
私の理論はいつも完璧。
一回落ち着いちゃうと、また盛り上がるまでに時間がかかるというか、緊張というか。私感覚では一ヶ月以上逢ってお話をしていないわけで、逢いたいのは逢いたいのだけど、まあ、突撃する勇気がないのだ。つまりは。
「だと思った。だから安心して、私があなたに勇気をあげる!」
「ブリンク!?」
「何言ってるの?私が付いていってあげるってこと。頼もしいでしょ?」
「えー……」
相方はどうして止めないの?
「あれ?マリーは?」
「そんな人知りません」
またか。
私が落ち着いたら、この2人はよく喧嘩をするようになった。級友達によれば、これはデフォルトで仲直りするまでがセット。
「私もちょっと宇宙ステーションに興味が出てきて」
でもそれだけだと動機としては弱いから、どうせ日和ってる私をダシに、進出しようと言う魂胆らしい。
こちらとしても、こういう勢いも借りなきゃ進まないのはホントね。
「じゃあ行こう!」
「えっ今から?無理無理。私カワイイ服じゃないし!」
長袖グレーの前ボタンTシャツにジーンズという「アカリセット」とは方向性が全く違う服装だ。
「十分可愛いよ~。行くぞ!」
自分の中の焦りとソフィアの強引さに押され、私たちは宇宙ステーションへ向かうことになった。
「凄い!綺麗!」
軌道エレベーターには小さい頃に乗ったきりだというソフィアが外の景色を見てはしゃいでいる。これだから素人は恥ずかしいんだよ。
「落ち着こうよ、ソフィア。私はもう見慣れちゃったから、何とも思わないけど」
「レティシア、この景色は何回見ても見慣れるってことはないよ。いつも同じってことはないんだから。あんた感受性に乏しいんじゃない?わ~すごい雲。あの下は嵐なんだわ……」
マウント返しされた、腹が立ちますわ!
「ねえ、アカリさんトコに向かう前に、少し休憩していこう。どこかオススメない?」
1時間の間、はしゃぎまくって疲れたソフィア。
「ん~私もあれから今日で三回目だしな~。お店は知らないかも」
「その二回は何してたの?」
「船と改札の間をウロウロ……?」
自分で言ってて意味不明だ。
「それじゃあ、休憩は後にして、勢いあるうちに……」
ソフィアの台詞を遮ってい館内放送の軽快なチャイム音が辺りに響く。
『サントルからお越しのレティシアさん、大至急目的地へ向かってください!繰り返します……』
この声、聴いたことがあるぞ……。
「これって、レティシアのことじゃない?」
「そうだった、監視されてるんだった……」
「監視って?」
「私が地上駅に行くと、分かるんだって。周囲の監視カメラを常にチェックしているらしいよ」
「それって合法……?」
「多分、ブラック。自由な子達なの」
「呼ばれてるなら行ってきなよ。私はブラブラしとくからさ」
一緒に行ってくれないの?ま、ブラックには近付きたくないだろな。
『何回でも言いますよ~。レティシアさん、さっさと来てください~』
「呼ばれてるよ」
「行ってきます……」
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