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Chapetr2
075 レティシアとアカリ捜索隊
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私のアパートを占拠していたゾンビの大群は追い払われた。
私の愛の呼吸法から生み出されるラブ波動で、一瞬のうちに正気に戻り、逃げ帰ったのだ。
恥女的行為と奴らの言うアレは、歴史的に見れば必要なことだった。奴らは小事しか見れないレベルだからゾンビなんかになっちゃうのだ。
……ああ、そういやさっきキスのおねだりをしたのだった!し、仕方ないし!
私はまたベッドで一通り悶えた。全く進歩がない!
まあ良い収穫としては向こうが私にキスをしたいくらい好いてくれているという事だ。後は欲望のまま段階を進めていくだけだ。手をつなぐ、ハグしてもらう、キスしてもらう、小旅行!、そして……、それから……。
色々想像してしまって、息も絶え絶え。気が付けば大汗をかいてしまっていた。どうしてこうなった。
「恋愛侵略軍、レティシア軍曹の侵攻開始よ!」
脱ぎ散らかした服を拾って、私は作戦行動のための準備を始めるのだった。
情報をまとめよう。
アカリさんは宇宙船乗りらしい。それが何かの都合で、今は地上で暮らしている。
アカリさんは軍人さんだったらしい。それが今は違って、だから寮みたいな所には住んでいない。
アカリさんは一人暮らしらしい。家族といえる人達は宇宙で暮らしている?どうやって?
「全くわからん」
私が出した結論は、アカリさんはこの街の小さいアパートかそんな所に住んでいる、だった。
「単身者のアパートがあるところ?何で私に聞くの?」
「マリーってこの街の人じゃない?わかるかなって」
「この街生まれっていっても、どんだけ広いと思ってるのさ。そんなアパート無数にあるよ」
最近のこの子の使えなさったらどうよ?
「そっかぁ、1つずつ当たってみるか……」
「何?誰かの家探してる……ああアカリさんね」
「なぜわかる!?」
「わからんと思うか?」
わからんと思ったから、聞いたんだよ?
「アカリさんの家なら知ってるよ、たぶん」
「えっ?」
「有名だよあの人」
おかしな事に、私たちはまだ連絡先を交換していないのだ。逢うといつもおかしな事になって……主に私が、ん?全部私か?これ、私おかしな子と思われてないかな?
マリーに彼のお家の場所は聞いてきたけど、見た目はともかく、おかしな子が突然押し掛けたら、警察を呼ばれるかもしれない!ご両親に初対面イメージがとても悪いわ!
今日は確認だけにしておいた方がよさそう。
結局の所、私は臆病なのだ。いつも大事なところで理由を付けて、進めない。お兄ちゃんは無理に進まなくても良いよと言ってくれるけど、甘やかしすぎだよ。今は進みたいんだよ。
優先で確認したいことがある。徘徊美人グルメの私がこの青い星で知らない場所なんかあるはずがないんだ!それを証明する。
たどり着いたのは高級住宅街。
誰だってこだわらなければ、そこそこの住居が手に入るこの街で、こだわりぬいた豪邸が建ち並ぶ広大なエリア。グルメはこんな所、徘徊しないですよ。
この人たちは美味しいものを独り占めしちゃうからね、我々にうま味はないのだよ。
「そう言えば、アカリさんはお金持ちという情報もあったのだった」
個人宇宙船を複数持っている、ばかげたレベルのお金持ちなんだろう。お金持ちの美味しいものを食べさせてくれるかな。でもお金持ちっぽくなかったな。
「ここね、ヴェッソー……。船乗り関係か」
きっと代々貿易で世界中のお宝を独り占めしてきたんだろう、今の時代は「宇宙の海は俺の海」とかが家訓なんだろうか。
『大変申し訳ございません。当家は現在、全てのお客様のご訪問を断らさせていただいております』
守護者が現れた!自動対応の音声なんだけどね。
「これはこれは、お勤めご苦労様です」
丁寧に断られたので、丁寧に返しておく。遠隔カメラで見られているかもしれない。
「まあ、アカリさんは居なさそうだね」
廃屋ではないみたい。庭木の手入れも綺麗にされているし、正面の門の道にはつい最近付いたと思われる轍の跡……。
「ここで生活しているのは間違いないか。そして今はいない。そりゃそうか、昼勤みたいだし」
そうだよ、昼間に居るわけ無いじゃないか。さっきまで名探偵レティシア!とか思ってたけど、これじゃかませ犬のドジ探偵の方だ。
行こう、彼の仕事場が犯行現場だ。私は颯爽と歩きだした。移動手段は持たないので。
私の愛の呼吸法から生み出されるラブ波動で、一瞬のうちに正気に戻り、逃げ帰ったのだ。
恥女的行為と奴らの言うアレは、歴史的に見れば必要なことだった。奴らは小事しか見れないレベルだからゾンビなんかになっちゃうのだ。
……ああ、そういやさっきキスのおねだりをしたのだった!し、仕方ないし!
私はまたベッドで一通り悶えた。全く進歩がない!
まあ良い収穫としては向こうが私にキスをしたいくらい好いてくれているという事だ。後は欲望のまま段階を進めていくだけだ。手をつなぐ、ハグしてもらう、キスしてもらう、小旅行!、そして……、それから……。
色々想像してしまって、息も絶え絶え。気が付けば大汗をかいてしまっていた。どうしてこうなった。
「恋愛侵略軍、レティシア軍曹の侵攻開始よ!」
脱ぎ散らかした服を拾って、私は作戦行動のための準備を始めるのだった。
情報をまとめよう。
アカリさんは宇宙船乗りらしい。それが何かの都合で、今は地上で暮らしている。
アカリさんは軍人さんだったらしい。それが今は違って、だから寮みたいな所には住んでいない。
アカリさんは一人暮らしらしい。家族といえる人達は宇宙で暮らしている?どうやって?
「全くわからん」
私が出した結論は、アカリさんはこの街の小さいアパートかそんな所に住んでいる、だった。
「単身者のアパートがあるところ?何で私に聞くの?」
「マリーってこの街の人じゃない?わかるかなって」
「この街生まれっていっても、どんだけ広いと思ってるのさ。そんなアパート無数にあるよ」
最近のこの子の使えなさったらどうよ?
「そっかぁ、1つずつ当たってみるか……」
「何?誰かの家探してる……ああアカリさんね」
「なぜわかる!?」
「わからんと思うか?」
わからんと思ったから、聞いたんだよ?
「アカリさんの家なら知ってるよ、たぶん」
「えっ?」
「有名だよあの人」
おかしな事に、私たちはまだ連絡先を交換していないのだ。逢うといつもおかしな事になって……主に私が、ん?全部私か?これ、私おかしな子と思われてないかな?
マリーに彼のお家の場所は聞いてきたけど、見た目はともかく、おかしな子が突然押し掛けたら、警察を呼ばれるかもしれない!ご両親に初対面イメージがとても悪いわ!
今日は確認だけにしておいた方がよさそう。
結局の所、私は臆病なのだ。いつも大事なところで理由を付けて、進めない。お兄ちゃんは無理に進まなくても良いよと言ってくれるけど、甘やかしすぎだよ。今は進みたいんだよ。
優先で確認したいことがある。徘徊美人グルメの私がこの青い星で知らない場所なんかあるはずがないんだ!それを証明する。
たどり着いたのは高級住宅街。
誰だってこだわらなければ、そこそこの住居が手に入るこの街で、こだわりぬいた豪邸が建ち並ぶ広大なエリア。グルメはこんな所、徘徊しないですよ。
この人たちは美味しいものを独り占めしちゃうからね、我々にうま味はないのだよ。
「そう言えば、アカリさんはお金持ちという情報もあったのだった」
個人宇宙船を複数持っている、ばかげたレベルのお金持ちなんだろう。お金持ちの美味しいものを食べさせてくれるかな。でもお金持ちっぽくなかったな。
「ここね、ヴェッソー……。船乗り関係か」
きっと代々貿易で世界中のお宝を独り占めしてきたんだろう、今の時代は「宇宙の海は俺の海」とかが家訓なんだろうか。
『大変申し訳ございません。当家は現在、全てのお客様のご訪問を断らさせていただいております』
守護者が現れた!自動対応の音声なんだけどね。
「これはこれは、お勤めご苦労様です」
丁寧に断られたので、丁寧に返しておく。遠隔カメラで見られているかもしれない。
「まあ、アカリさんは居なさそうだね」
廃屋ではないみたい。庭木の手入れも綺麗にされているし、正面の門の道にはつい最近付いたと思われる轍の跡……。
「ここで生活しているのは間違いないか。そして今はいない。そりゃそうか、昼勤みたいだし」
そうだよ、昼間に居るわけ無いじゃないか。さっきまで名探偵レティシア!とか思ってたけど、これじゃかませ犬のドジ探偵の方だ。
行こう、彼の仕事場が犯行現場だ。私は颯爽と歩きだした。移動手段は持たないので。
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