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Chapetr2
057 レティシアとコスモノワール!(5/20)
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昨日は何とか笑顔で別れることが出来たけど、完全に自分の負けだった。
笑顔キープで、途中失礼なこと言われた気がするけど、やりきって、優雅に角を曲がって、後は全力ダッシュ。
アカリさんは交戦規定に則り、敗北者を追わなかった。紳士だわ。
あれ?なんかお礼とか言ってなかった?
それにしても、徘徊とグルメは良くなかったかもしれない。自分では気に入っているのだけど、徘徊ってイメージ悪いし、真のグルメは自らをグルメとは呼ばない。でもこの二つは私の真実だし、これを取ると私に何が残る?
「美人が残るわね」
今日は昼から宇宙考古学の授業だ。どんな二つ名が相応しいか、学校でみんなに聞いてみよう。
星都サントルの大学は、講義を受けたい人が自由に参加できる自由大学だ。私のようにたまに利用する人や、友人達のようにほぼ毎日通う人達もいる。
講師は基本、自分の好きな事を好きなだけ喋って満足するのだが、年間の時間割はハッキリさせておかねばならない。ほんとにただ喋るだけの講師は翌年には居なくなっていたり、レベルの低いことしか教えない講師も然り。
宇宙考古学のフェルディナンド先生は、まあ良い方なんだろう。
古代遺跡が異様に好きで、探検に行ったりもする。私は古代宇宙史に興味があるので、基本はフェルディナンドが宇宙史をする日にしか来ない。
この街に来て、最初の年に受けたフェルディナンドの講義が古代遺跡の話で、熱意は伝わってきたのだけれど、途中から何を言っているのか分からなくなってしまった。おもしろい船長を見つけたとか、考古学にもう関係ないよね。
ただ見た目はいいので、熱心なファンもいるんだ。それが我が友人達。
「別にあんた、グルメじゃないよね」
この口の悪いのがマリー。デレとの落差が可愛い。
「どっちか言うと、挑戦者だよ」
この口の悪いのがソフィア。オチ担当で自爆している姿が可愛い。
「単に食べるのが好きなだけ。グルメではない」
ええっ!アイちゃんが毒を吐いた!
「でも、この店をチョイスするとは、少しはグルメかもね」
そう、彼女に毒舌は似合わない。もう全てが可愛い!
私たちは本日の講義の終わりに、蕎麦屋に来ていた。
「確かに、あんみつは間違いないグルメの一品」
「でしょう?一を聞いて十を知るって言うのよ、良い所を一つ知っていればもうグルメって事よ!」
「違うよ」
「だいたい二つ名って、自分から名乗るものなの?」
自分で名乗っておかないと、変な名前つけられちゃうよ?そんなのイヤでしょ。
「暇してるんだったら、もっと学校に来たらいいのに」
学校行くと愛玩枠なんだもん。私は美人のお姉さん枠であって、いじられ役ではないのだ。
あんみつをお代わりするかどうか、熱く語り合っていたときの事。
「あれ?奥から出てきたの、あのときの人じゃない?」
アイちゃんに話を振られて見てみると、店の奥のいわゆるVIPルームから出てくるのは確かにアカリさんだった。全身真っ黒なMANGAに出てくるようなカッコいいスーツだ!あ、なんか可愛い女の子連れてる。ぺ、ペアルックだ!
「おお、宇宙軍の制服じゃん!カッコいいな~。コスモノワール」
「ああ、お弁当の」
ええ?アカリさんほんとに軍人さんなの?戦争で死んじゃうの?あれ?なんか泣きそう。
「こっち見たんじゃない?ほら、レティシア」
「え、うん」
アカリさんは心配そうにこちらを見ていたので、私は小さく手を振った。大丈夫だよ。
彼も小さく頷くと、出口へ歩いていった。
連れの女の子や周りのみんなは、不思議そうに私とアカリさんを見比べていたけど。
笑顔キープで、途中失礼なこと言われた気がするけど、やりきって、優雅に角を曲がって、後は全力ダッシュ。
アカリさんは交戦規定に則り、敗北者を追わなかった。紳士だわ。
あれ?なんかお礼とか言ってなかった?
それにしても、徘徊とグルメは良くなかったかもしれない。自分では気に入っているのだけど、徘徊ってイメージ悪いし、真のグルメは自らをグルメとは呼ばない。でもこの二つは私の真実だし、これを取ると私に何が残る?
「美人が残るわね」
今日は昼から宇宙考古学の授業だ。どんな二つ名が相応しいか、学校でみんなに聞いてみよう。
星都サントルの大学は、講義を受けたい人が自由に参加できる自由大学だ。私のようにたまに利用する人や、友人達のようにほぼ毎日通う人達もいる。
講師は基本、自分の好きな事を好きなだけ喋って満足するのだが、年間の時間割はハッキリさせておかねばならない。ほんとにただ喋るだけの講師は翌年には居なくなっていたり、レベルの低いことしか教えない講師も然り。
宇宙考古学のフェルディナンド先生は、まあ良い方なんだろう。
古代遺跡が異様に好きで、探検に行ったりもする。私は古代宇宙史に興味があるので、基本はフェルディナンドが宇宙史をする日にしか来ない。
この街に来て、最初の年に受けたフェルディナンドの講義が古代遺跡の話で、熱意は伝わってきたのだけれど、途中から何を言っているのか分からなくなってしまった。おもしろい船長を見つけたとか、考古学にもう関係ないよね。
ただ見た目はいいので、熱心なファンもいるんだ。それが我が友人達。
「別にあんた、グルメじゃないよね」
この口の悪いのがマリー。デレとの落差が可愛い。
「どっちか言うと、挑戦者だよ」
この口の悪いのがソフィア。オチ担当で自爆している姿が可愛い。
「単に食べるのが好きなだけ。グルメではない」
ええっ!アイちゃんが毒を吐いた!
「でも、この店をチョイスするとは、少しはグルメかもね」
そう、彼女に毒舌は似合わない。もう全てが可愛い!
私たちは本日の講義の終わりに、蕎麦屋に来ていた。
「確かに、あんみつは間違いないグルメの一品」
「でしょう?一を聞いて十を知るって言うのよ、良い所を一つ知っていればもうグルメって事よ!」
「違うよ」
「だいたい二つ名って、自分から名乗るものなの?」
自分で名乗っておかないと、変な名前つけられちゃうよ?そんなのイヤでしょ。
「暇してるんだったら、もっと学校に来たらいいのに」
学校行くと愛玩枠なんだもん。私は美人のお姉さん枠であって、いじられ役ではないのだ。
あんみつをお代わりするかどうか、熱く語り合っていたときの事。
「あれ?奥から出てきたの、あのときの人じゃない?」
アイちゃんに話を振られて見てみると、店の奥のいわゆるVIPルームから出てくるのは確かにアカリさんだった。全身真っ黒なMANGAに出てくるようなカッコいいスーツだ!あ、なんか可愛い女の子連れてる。ぺ、ペアルックだ!
「おお、宇宙軍の制服じゃん!カッコいいな~。コスモノワール」
「ああ、お弁当の」
ええ?アカリさんほんとに軍人さんなの?戦争で死んじゃうの?あれ?なんか泣きそう。
「こっち見たんじゃない?ほら、レティシア」
「え、うん」
アカリさんは心配そうにこちらを見ていたので、私は小さく手を振った。大丈夫だよ。
彼も小さく頷くと、出口へ歩いていった。
連れの女の子や周りのみんなは、不思議そうに私とアカリさんを見比べていたけど。
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