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Chapetr1
027 レティシアとヴァンブランレポート
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自由大学のお昼休み、ギルバートから電話があった。今夜、ワインの研究会をしようというお誘いだ。
「どうしよっかな?変なことしない?」
一緒にいる保護者女子三人が驚いた顔で一斉に私をみた。
「ゴメン、ギルはマジメだからついからかってしまうのよ。わかった、今日ね。へえ、そんなとこに店が。うんじゃあとで」
手順は踏むが、単なる紳士でもなく、ぐいぐい来るね。けど無理に如何こうしようとしないのはわかったし、なかなか好ましい若者と言える。
「レ、レティシア!今のは誰!?」
「最近知り合った男子だよ」
「レティシアちゃんはギルバート君とお付き合いすることにしたの?」
「「お付き合い!?」」
「なんでさ。ギルは友達……だよ」
まあ、説明は必要な感じだよね。釣りからコロッケまでというか二件の説明をした。
花火でのことは、言えない!だってあれじゃ誘ってるみたいだし、ち、痴女だし!
「それにしては、親しすぎない?」
「んー。ギルは詰めてくるのが上手だよね。いつの間にか仲良くなる?のが上手なんだよ」
「そんなの、いつの間にかそ、そういう仲になっちゃうって事じゃん!」
ソフィアがなんだか必死だ。心配してくれているのか?かわいいヤツめ。
「心配なら、一緒に来る?結構飲むと思うけど」
「女の子に結構飲ませるって!何考えてるの!ゲルってのは」
「ワインに合う食べ物を研究する会だからね。マリーも一緒においでよ。友達紹介したいし」
「そうね……」
「そ、それでは……本日は急なお誘いにもかかわらず……皆さんにご参加、いただき……」
ギルバートの地獄が始まった。愛称で呼ぶとそれだけで二人が反応するので、今夜は使わない。でも新鮮でステキかも。
ああ、この光景既視感だわ。ジム君の時もこんなだったっけ。
ギルバート側の応援は、ジャーヴィ君。持てる最強のカードらしいが、全く役に立っていない。こんなので国防が務まるのかよ、パイロット!
「まあまあ、見つめあうのもそれくらいにして、始めましょう」
なんで私まで睨まれるのさ。私は早く飲みたいの。
研究会とは言うけれど、そういう設定のコース料理だ。自分たちが考えることは何もない。だからというか、お客は9割カップル。残り1割は営業妨害レベルで殺気立っている私達だった。ギル、二人だったらとても素敵なムードになったでしょうね。
「白にお魚って、定番中の定番よね。ここは味の濃い牛で攻めてほしかったわ。勉強会なんだもの」
「よくわからないけど、美味いには違いない」
しかし給仕は不敵にほほ笑むのみ。おそらくここは単なる入り口。客がどのレベルなのか見極めているのだ。
「この皿はかなり主張していると思う」
「ワインが3種類?そういう趣向か」
「ええ、おそらく正解はない。味の変化を体験する……確かに勉強会の名にふさわしい」
私とジャーヴィ君は、楽しみ、味わっていたが。
弾劾裁判中の3人は、楽しめているのだろうか。
「マリー、ソフィア。もういいでしょ?私だって、ギルバート君のそういう気持ちには気づいているよ。いろいろ考えてこんなディナーを準備してくれて、大事にしてもらってると思ってる。あなたたちが私を心配してくれるのもうれしい。本当に。こんな大事な友達なんだから、みんな仲良くしてほしいな……」
二人も引き時がわからなかったのだろうね、ギルバートに素直に謝罪して、彼も受け入れて、友人の乾杯をする。
給仕は特別にシャンパンを持ってきてくれて、感謝の表情を私に向けていた。なんかすいませんね。
これですべて納まった。コースの後半を楽しもう!というところなのに……!
「あ、俺もレティシア狙いだよ。ギルには出遅れたけど!」
トレジエム宇宙軍は防衛が得意だという。
ジャーヴィ君はこの店のすべてを敵に回したとしても、耐えきることはできるだろう。
私は、故郷のワインの高いやつを頼むと、これから始まる地獄の光景を高みの見物……。
「どうしよっかな?変なことしない?」
一緒にいる保護者女子三人が驚いた顔で一斉に私をみた。
「ゴメン、ギルはマジメだからついからかってしまうのよ。わかった、今日ね。へえ、そんなとこに店が。うんじゃあとで」
手順は踏むが、単なる紳士でもなく、ぐいぐい来るね。けど無理に如何こうしようとしないのはわかったし、なかなか好ましい若者と言える。
「レ、レティシア!今のは誰!?」
「最近知り合った男子だよ」
「レティシアちゃんはギルバート君とお付き合いすることにしたの?」
「「お付き合い!?」」
「なんでさ。ギルは友達……だよ」
まあ、説明は必要な感じだよね。釣りからコロッケまでというか二件の説明をした。
花火でのことは、言えない!だってあれじゃ誘ってるみたいだし、ち、痴女だし!
「それにしては、親しすぎない?」
「んー。ギルは詰めてくるのが上手だよね。いつの間にか仲良くなる?のが上手なんだよ」
「そんなの、いつの間にかそ、そういう仲になっちゃうって事じゃん!」
ソフィアがなんだか必死だ。心配してくれているのか?かわいいヤツめ。
「心配なら、一緒に来る?結構飲むと思うけど」
「女の子に結構飲ませるって!何考えてるの!ゲルってのは」
「ワインに合う食べ物を研究する会だからね。マリーも一緒においでよ。友達紹介したいし」
「そうね……」
「そ、それでは……本日は急なお誘いにもかかわらず……皆さんにご参加、いただき……」
ギルバートの地獄が始まった。愛称で呼ぶとそれだけで二人が反応するので、今夜は使わない。でも新鮮でステキかも。
ああ、この光景既視感だわ。ジム君の時もこんなだったっけ。
ギルバート側の応援は、ジャーヴィ君。持てる最強のカードらしいが、全く役に立っていない。こんなので国防が務まるのかよ、パイロット!
「まあまあ、見つめあうのもそれくらいにして、始めましょう」
なんで私まで睨まれるのさ。私は早く飲みたいの。
研究会とは言うけれど、そういう設定のコース料理だ。自分たちが考えることは何もない。だからというか、お客は9割カップル。残り1割は営業妨害レベルで殺気立っている私達だった。ギル、二人だったらとても素敵なムードになったでしょうね。
「白にお魚って、定番中の定番よね。ここは味の濃い牛で攻めてほしかったわ。勉強会なんだもの」
「よくわからないけど、美味いには違いない」
しかし給仕は不敵にほほ笑むのみ。おそらくここは単なる入り口。客がどのレベルなのか見極めているのだ。
「この皿はかなり主張していると思う」
「ワインが3種類?そういう趣向か」
「ええ、おそらく正解はない。味の変化を体験する……確かに勉強会の名にふさわしい」
私とジャーヴィ君は、楽しみ、味わっていたが。
弾劾裁判中の3人は、楽しめているのだろうか。
「マリー、ソフィア。もういいでしょ?私だって、ギルバート君のそういう気持ちには気づいているよ。いろいろ考えてこんなディナーを準備してくれて、大事にしてもらってると思ってる。あなたたちが私を心配してくれるのもうれしい。本当に。こんな大事な友達なんだから、みんな仲良くしてほしいな……」
二人も引き時がわからなかったのだろうね、ギルバートに素直に謝罪して、彼も受け入れて、友人の乾杯をする。
給仕は特別にシャンパンを持ってきてくれて、感謝の表情を私に向けていた。なんかすいませんね。
これですべて納まった。コースの後半を楽しもう!というところなのに……!
「あ、俺もレティシア狙いだよ。ギルには出遅れたけど!」
トレジエム宇宙軍は防衛が得意だという。
ジャーヴィ君はこの店のすべてを敵に回したとしても、耐えきることはできるだろう。
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