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_6年前
みっともない。そんな言葉を体現しているのを見たのは高校3年生の夏。
その男は地に臥し炎天下に晒されたアスファルトに頬擦りし唸りながら、それでも一生懸命に左手を伸ばしていた。
「なぁーしてん」と私が声をかけると、唸りながら醜男は、「まぁずい」と呟き、私の身長の1.5倍ほどある"鉄の塊"の足元を左手で弄っていた。大凡の見当は初見でついていたが、それでも声をかけた。
私はカードでカタをつけることにした。軽快な音と共に鈍い落下音が続く。
「おんまえぇ」と醜男が飛びかかってくる。
金三郎(ゴン)は出会った当初から"変な"こだわりがある。
だがそんな不器用でみっともない男がどうしても放っては置けなかったのだ
__ゴンが出ていって10分
片付けも終わり椅子に腰掛けると、不意にゴンが帰ってきた。あまりに早い。
ゴンは相変わらずぶっきらぼうな顔だ。しかし10分前には持っていなかったビニール袋を右手にぶら下げていた。
訝しげに覗き込んだ私を察したのか、ゴンが無言で手渡してくる。中には、ガリガリくんとパピコ。どちらも私の好物だ。昔から食べ物で釣る手法は変わらずだが、今回の私はそんなに甘くない。
甘くは、ないのだ!
と勢いのままガリガリくんを貪る私とゴン。
次回 - パピコの分け方 -
みっともない。そんな言葉を体現しているのを見たのは高校3年生の夏。
その男は地に臥し炎天下に晒されたアスファルトに頬擦りし唸りながら、それでも一生懸命に左手を伸ばしていた。
「なぁーしてん」と私が声をかけると、唸りながら醜男は、「まぁずい」と呟き、私の身長の1.5倍ほどある"鉄の塊"の足元を左手で弄っていた。大凡の見当は初見でついていたが、それでも声をかけた。
私はカードでカタをつけることにした。軽快な音と共に鈍い落下音が続く。
「おんまえぇ」と醜男が飛びかかってくる。
金三郎(ゴン)は出会った当初から"変な"こだわりがある。
だがそんな不器用でみっともない男がどうしても放っては置けなかったのだ
__ゴンが出ていって10分
片付けも終わり椅子に腰掛けると、不意にゴンが帰ってきた。あまりに早い。
ゴンは相変わらずぶっきらぼうな顔だ。しかし10分前には持っていなかったビニール袋を右手にぶら下げていた。
訝しげに覗き込んだ私を察したのか、ゴンが無言で手渡してくる。中には、ガリガリくんとパピコ。どちらも私の好物だ。昔から食べ物で釣る手法は変わらずだが、今回の私はそんなに甘くない。
甘くは、ないのだ!
と勢いのままガリガリくんを貪る私とゴン。
次回 - パピコの分け方 -
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