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第一章: はじまり
道先案内人
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ここは、冥界上空。
「きゃあー、たーすーけーてー! 降りてー」
あおいは、只今、絶叫中。
「あーもー、うるさーい! 集中しているから黙ってよ!
お姉ちゃん……、うるさーい!」
景色を楽しむなんて余裕はないものの、かなり遠くまで飛んできたような気がする。
ハードなジェットコースターに乗った気分だ。
ドスッ
「着きました!」
ようやく着地したが何だか彼の機嫌が悪いもよう。しかし、今のあおいに気にする余裕もなく放心状態であった。
「ここって……地獄じゃないよね……」
「こんなに明るくて綺麗な地獄があれば見てみたいですね」
やはり、若干ぶすーっとしてますね。
「うぉっほん! ここは冥界 第1の門です。
お姉さんは良いところへ行けるけど、各門の責任者に挨拶しに旅をするそうですよ」
あれれ? さっきまで“お姉ちゃん”って呼んでたと思うんだけどな。
「ん? 旅? まぁ、地獄じゃなければ良いか。ありがとうございました! 座布団くん!」
座布団から降りて改めて座布団を見る。
「ん?」
さっきまで気づかなかったが、座布団の後方あたりが膨らんでいる。犬顔のプリントされた目や口に動いている気配はない。
どこから声がでているのか?口がどこにあるのやら。
突然、座布団が上昇をはじめる。
「座布団くん、もうどこかへ行っちゃうの………ぉおお?!」
座布団を目で追い見上げると、鳥が翼を広げて浮いているシルエットが見えた。
え? 座布団を背負った……鳥?
「え? え? 座布団くんって鳥?」
座布団で全身が隠れてしまう程の小さな鳥!まさか、これに乗ってきたなんて……。
「潰れないでよかった……。
座布団くん、重かったでしょう?」
「この座布団を背負ってるから……」
ピッ、シュシュシューゥ
電子音と何かがしぼむ音と、一羽の鳥が降りたつ。
頭にライトがついた白いヘルメットを被り、翼は短く、お尻あたりに膨らみ、首と脚は細く少し長い。
体の色は何と言えばいいのか、使い古した雑巾色というか、黄ばんだような色とでも言えばいいのか……部分的に白が入る…… 羽はふわふわしている。
はたして脳があるかはわからないが、全力で考える。
「わかった!ヘルメットを被ったダチョウの子どもなんだね」
飛べない鳥なのに、何か背負って、うんうん、よく頑張った!
「ちょっと! 違うよ、僕は鶴‼︎ 鶴って秦広王様が言ってたもん!」
怒らせてしまった。だけど、鶴ってメディアでしか見たことないけど、白くて黒い所が部分的にあってくちばしと脚と首が長かったよね。
言ったら余計に怒らせるから言わないけど、違う……まったく違うと思う……。
まあ、本人が信じているのだからそれでいいか。
「そっか、そっか!ごめんね!
……それで、何を背負っているの?」
「これは座布団ですよ。 瞬間圧縮機で縮めました」
肩らしき所にある“紐”みたいなものがそうらしい。
この世界は驚くこと満載なのだ。
「それと、お姉さんが心配していた重さに関しては座布団が重さを吸収してくれるから全然大丈夫ですよ」
「へぇー」
「それから、第2の門の手前にある脱衣場で服を脱げは重さは無くなります」
「えー? 服を脱ぐって、どこまで、まさか裸にはならないよね?」
「んー、わからないなぁ。じゃなくて、わかりません!
これから第1の門 の裁判官に会いに行きます!
……それで、お願いがあるんですが……」
「え? 何?」
「僕、今回が道先案内人としての初仕事なんです。
それで、第1の門の裁判官である秦広王様は、僕を指導してくれた先生なんです。
言葉遣いには、とても厳しくて「黙ってよ」とか「うるさい」とか、僕がさっき言ったことを内緒にしてほしいのです……」
「なぁんだ、そんな事ね! わかったよ、座布団くん!」
「それから……気になっていたのですが、僕は座布団ではなくて秦広王様に貰った名前がありますよー!
うぉっほん!
改めまして、オストリッチと申します!」
「ご、ごめんなさい。水島 あおい と申します。よろしくお願いします。オストリッチ君」
お互いにペコペコとくりかえす。
オストリッチ君かぁ、うーん、言いにくいな。
「オストリッチって言いにくいからリッチ君でもいいかな?」
「………… 2人だけの時ならいいですよ。じゃあ、行きましょう 」
リッチ君から許可を得て第1の門へ進むのだった。
「きゃあー、たーすーけーてー! 降りてー」
あおいは、只今、絶叫中。
「あーもー、うるさーい! 集中しているから黙ってよ!
お姉ちゃん……、うるさーい!」
景色を楽しむなんて余裕はないものの、かなり遠くまで飛んできたような気がする。
ハードなジェットコースターに乗った気分だ。
ドスッ
「着きました!」
ようやく着地したが何だか彼の機嫌が悪いもよう。しかし、今のあおいに気にする余裕もなく放心状態であった。
「ここって……地獄じゃないよね……」
「こんなに明るくて綺麗な地獄があれば見てみたいですね」
やはり、若干ぶすーっとしてますね。
「うぉっほん! ここは冥界 第1の門です。
お姉さんは良いところへ行けるけど、各門の責任者に挨拶しに旅をするそうですよ」
あれれ? さっきまで“お姉ちゃん”って呼んでたと思うんだけどな。
「ん? 旅? まぁ、地獄じゃなければ良いか。ありがとうございました! 座布団くん!」
座布団から降りて改めて座布団を見る。
「ん?」
さっきまで気づかなかったが、座布団の後方あたりが膨らんでいる。犬顔のプリントされた目や口に動いている気配はない。
どこから声がでているのか?口がどこにあるのやら。
突然、座布団が上昇をはじめる。
「座布団くん、もうどこかへ行っちゃうの………ぉおお?!」
座布団を目で追い見上げると、鳥が翼を広げて浮いているシルエットが見えた。
え? 座布団を背負った……鳥?
「え? え? 座布団くんって鳥?」
座布団で全身が隠れてしまう程の小さな鳥!まさか、これに乗ってきたなんて……。
「潰れないでよかった……。
座布団くん、重かったでしょう?」
「この座布団を背負ってるから……」
ピッ、シュシュシューゥ
電子音と何かがしぼむ音と、一羽の鳥が降りたつ。
頭にライトがついた白いヘルメットを被り、翼は短く、お尻あたりに膨らみ、首と脚は細く少し長い。
体の色は何と言えばいいのか、使い古した雑巾色というか、黄ばんだような色とでも言えばいいのか……部分的に白が入る…… 羽はふわふわしている。
はたして脳があるかはわからないが、全力で考える。
「わかった!ヘルメットを被ったダチョウの子どもなんだね」
飛べない鳥なのに、何か背負って、うんうん、よく頑張った!
「ちょっと! 違うよ、僕は鶴‼︎ 鶴って秦広王様が言ってたもん!」
怒らせてしまった。だけど、鶴ってメディアでしか見たことないけど、白くて黒い所が部分的にあってくちばしと脚と首が長かったよね。
言ったら余計に怒らせるから言わないけど、違う……まったく違うと思う……。
まあ、本人が信じているのだからそれでいいか。
「そっか、そっか!ごめんね!
……それで、何を背負っているの?」
「これは座布団ですよ。 瞬間圧縮機で縮めました」
肩らしき所にある“紐”みたいなものがそうらしい。
この世界は驚くこと満載なのだ。
「それと、お姉さんが心配していた重さに関しては座布団が重さを吸収してくれるから全然大丈夫ですよ」
「へぇー」
「それから、第2の門の手前にある脱衣場で服を脱げは重さは無くなります」
「えー? 服を脱ぐって、どこまで、まさか裸にはならないよね?」
「んー、わからないなぁ。じゃなくて、わかりません!
これから第1の門 の裁判官に会いに行きます!
……それで、お願いがあるんですが……」
「え? 何?」
「僕、今回が道先案内人としての初仕事なんです。
それで、第1の門の裁判官である秦広王様は、僕を指導してくれた先生なんです。
言葉遣いには、とても厳しくて「黙ってよ」とか「うるさい」とか、僕がさっき言ったことを内緒にしてほしいのです……」
「なぁんだ、そんな事ね! わかったよ、座布団くん!」
「それから……気になっていたのですが、僕は座布団ではなくて秦広王様に貰った名前がありますよー!
うぉっほん!
改めまして、オストリッチと申します!」
「ご、ごめんなさい。水島 あおい と申します。よろしくお願いします。オストリッチ君」
お互いにペコペコとくりかえす。
オストリッチ君かぁ、うーん、言いにくいな。
「オストリッチって言いにくいからリッチ君でもいいかな?」
「………… 2人だけの時ならいいですよ。じゃあ、行きましょう 」
リッチ君から許可を得て第1の門へ進むのだった。
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