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侵入者編

クウガ 展開に心中で絶叫する

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「ステン兄ちゃんのようすが、おかしいんだけど」

 そう不貞腐れるのは、今日の訪問者であるティムだ。ギダンと一緒にやってきた。
 2人組だが子供だけで外を出るなと俺を含めた年上勢っだったが、ティムが一応狩人であることと途中までここの近くに用があったという大人たちと一緒だったということで言いくるめられた。

 そんなことより、ステンの様子がおかしい?

「どういう風に?」
「すっごいイライラしてる。かとおもえば落ち込んでて。母ちゃんがいうには『じょーちょふあんてい』だってさ。それでも狩りには影響でないんだからさすがだよねぁ」

 そしてティムはジト目で俺を見た。何故。

「ステン兄ちゃんのようすがおかしいのって、たいていクウガ兄ちゃんのせいだけどね」
「いや、せいって言われても」

 ステンに関してはまったく身に覚えがないんですけど。サッヴァならともかく。
 いや、俺が気づいてないだけで何かした!? でも前回ステンと関わったのってサッヴァが操られてたときだし、やっぱり何かした覚えがないんだが。

「俺のせいってのはないだろ」
「えー。だってステン兄ちゃん、クウガ兄ちゃんのこと好きじゃん」

 ティムの発言後、隣にいたギダンがティムの頭をはたく。

「ティム。お前よけいなこというな」
「だってー。母ちゃんの機嫌がどんどんわるくなるんだぞ。ボクのことでおこられるのはともかく、ステン兄ちゃんのことでイライラされるのはこまる!」

 ステンじゃなくお前の都合かよ!
 そう叫びたくなるのを堪えた。

「じゃあ聞くが、俺はどうすればいいんだ?」
「ステン兄ちゃんとチューして! ギューして! セックスして!!」
「いろいろ待て!!」

 俺が叫ぶのと、ギダンのはたき2発目は同時だった。身内をゲイに差し出そうとすんな。
 ティムは頭を押さえながらヤケクソ気味に叫ぶ。

「いいじゃん、もう! クウガ兄ちゃんも男がすきなんでしょ!? それならステン兄ちゃんと恋人になってよ!! ステン兄ちゃんのどこがダメなのさ!」
「いや、おま、逆に何故勧めるよ。サヴェルナもそうだけどさ」

 サヴェルナも熱心にサッヴァを勧めていた。そして息子のようだと遠回しにフラれた挙げ句(告白も何もしていないのに)、強姦してしまったというね。
 ヤダよ。ステンにまでそんなことになったら、俺マジで精神的に立ち直れない。
 落ち込んでしまうのを取り繕う俺に、ギダンが呆れ混じりで俺を見る。

「ぎゃくにきくけど、クウガは誰となら恋人になるんだ?」
「ギダン・・・・・・、お前まで何言ってんだよ」
「そうしないからグダグダうるさいんだろー。オレとしては別にティムの兄ちゃんだろうと、元隊長のダグマルのおっちゃんだろうと、アトランって魔導師長だろうと、サッヴァのおじちゃんだろうとだれでもいいし」
「その人選かよ・・・・・・」
「いやじゃないだろ?」

 イヤじゃないから困るんだよ。全員お世話になった人じゃい。そしてサッヴァに関してはいろんな意味でやっちゃった人じゃい。
 思わず沈黙してしまっているとギダンは机に顎を乗せて俺を見た。

「ここにはサヴェルナ姉ちゃんいないんだし、クウガがだれがいいのかおしえてくれたっていいじゃんか? クウガに脈があるかどうかぐらいしらべてやるよ」

 その顔は心底心配しているんだとわかる。隣のティムは「ステン兄ちゃんじゃないとめんどうなことにはかわらないじゃん」と頬を膨らませていた。
 俺はそれを聞いて少し考えてしまった。ふと浮かんだのは先日のダグマルのことだ。キスされて口説かれるようなことを言われた。あの後、コンドームの件でかき消されてしまったがギダンの言葉を聞いて再浮上してしまった。俺はかき消すように頭を振った。
 そもそもそんなことをしていい立場じゃないだろ。サッヴァの件を思い出せ。

「クウガとサッヴァおじちゃんに何かあったのかはしってるけどさぁ」
「は、はあ!!?」

 何故よりにもよってサッヴァの話題を出す!?

「サッヴァおじちゃんとエイリアンのことがあって、クウガが気落ちしてるのはしってるし。サッヴァおじちゃんがめざめた後からティムの兄ちゃんのようすがおかしいし。ちょっとかんがえれば、2人になにかあったんだってのはわかるじゃん」

 ギダンが断言する内容に絶句する。こいつ、鋭い。

「いつものクウガなら、何かしら行動するし。そうしないときは別のことでいそがしいからだろうけど。いまのクウガはとまっちゃってんじゃん。つまりクウガは行動できない理由がサッヴァおじちゃんとの間にあるってことだろ?」

 ギダンの言っていることがまったくもって正しいため反論できるわけがない。
 さすがにセックスというか、レイプしてしまったという考えにまでは至ってないようだけど。・・・・・・至ってないよな。ギダンがどこまでわかって言ってるのかわからないから怖いわ。
 ギダンは真剣な顔をクウガに向ける。その顔は少し大人びて見えた。


「このままじゃ、どんどんこじれるんじゃねーの?」

 そう言い切るギダンの台詞はどこか予言めいていて寒気を覚えた。


+++


 意外にもサッヴァと接触できる機会は早めに訪れた。
 リーフェンが貴族の家に呼び出されたからだ。その貴族はどうやらダグマルの義姉の生家らしく、コンドーム製作へと取り込むための材料となる実について話を聞きたいということらしい。本来ならば俺は関係ないのだがルレイドたちの警備対象には俺とリーフェンが含まれているため、俺は共に街へと向かい途中からサッヴァの家で待機する形となった。サッヴァではなくロッドたちという案もなくはなかったが、ロッドがまた指導役に戻れたということと1週間ほど前のギダンの言葉が胸に刺さったからだ。

 それに・・・・・・。
 俺は隣を歩くリーフェンを見た。最近まで通常だった不機嫌だった表情は消え澄まし顔で堂々と前を見ている。ダグマルがエルフと商売を持ちかけた日から肩の力が抜けたようだった。エルフの立場が確立されようとしているのが大きいようだ。今ここにはリーフェンしかいないが、他のエルフのことが気がかりだったのだろう。もし前の段階で新たなエルフが現れたら、そのエルフの扱いがどうなったかわからなかっただろう。
 そのリーフェンから街に向かう日時が決まった日に言われたのだ。

『いいデスカ? 僕が交渉している間にウジウジと悩んでいることを解決させナサイ』

 居丈高な発言であったが、俺の様子に察するところがあったのだろう。もしかしたらダグマルやギダンたちの話を聞いていたのかもしれない。
 ここまで背中を押されてサッヴァに謝らないという選択はない。嫌われたらどうしようという不安は消えないが、ここで逃げるわけにはいかない。謝ったところで絶対に許してくれるとは思っていないし、俺の罪悪感による自己満足になってしまうかもしれないがそれでもだ。
 俺は改めて気合いを入れる。サッヴァに連絡はいれてある。未だ回復しきっていないサッヴァだが最近は長時間でなければ動くこともできるらしい。俺の訪問に拒否の連絡はなかった。謝るぐらいはできるはず。

 そこで改めて周囲を伺う。街は以前の活気は鳴りを潜め人通りも少ない。エイリアン問題が未だ解決していないからだろう。すると見回りだと思われる騎士たちが神妙な顔で会話をしているのが目に付いた。人数が多いわけではないので、特に危険が迫っているというわけではないだろうが気にはなる。共に出ているルレイドやエマも気づいているのだろう。だが2人とも今は騎士ではないため我関せずを貫いている。
 すると背後から道を開けるよう声がかけられた。そこには豪奢な馬車が通りかかり、それを緊迫な顔をした騎士たちが囲っていた。脇に寄って通り過ぎていく馬車を見て、俺は首を傾げた。今の馬車、貴族の紋があったような。でも王都内ならともかく、まだその外の街中だ。ダグマル以外の貴族が王都から出ているのは初めて見たかもしれない。
 そしてその馬車の後ろを荷馬車が通る。その中には老婆1人を含む小柄な老人が3人いる。その中でも一層年をとっているであろう男は瓶を逆さにラッパ飲みをしていた。荷馬車が横を過ぎたとき、酢のような強い酸味が鼻をかすめ思わず顔をしかめるが、俺よりもリーフェンの反応の方が大きかった。鼻を押さえ、過ぎ去った荷馬車を信じられないような目で見ていたからだ。どうしたのか尋ねたがリーフェンはなんでもないと言葉を濁した。
 それからまもなくガコンと大きな音が聞こえ、大きな石にでもつまずいたのか、荷馬車が大きく揺れた。すると先ほどの異臭のした液体の瓶が老人の手からすっぽ抜け馬の尻にかかる。それに驚いた馬が大きく嘶き暴れ出した。馬車とは距離が離れていたが、荷馬車の周囲にも騎士がいたため、暴れ回る馬に慌てて距離をとった。地面におちた瓶は馬に踏まれ粉々になり、地面を濡らしている。
 すぐさまリーフェンが叫んだ。

「毒ダ!!」

 その叫びは周囲に広がり更なる騒ぎとなった。騎士が剣に手をかけ警戒する。だが毒だと叫んだその液体は先ほどの老人が飲んでいたはずだ。当然、老人もこちらにむかって怒鳴りつけた。

「バカなこつば言うな! そいはただん酒だ!!」

 なんて言った!? 妙な訛りに俺はそう問いかけそうになったが空気を読んでやめた。馬が暴れることで荷馬車も大きく揺すられ、中に座っていた3人から悲鳴があがる。どうなるかと思っていると上空から2人の人間が飛び降りてきた。1人はピッタリと馬の背に乗り、もう1人は俺と馬の間へと着地した。その姿はよく知る男の姿。

「ステンさん」

 久しぶりに会うステンの名を呼ぶが、ステンは馬を警戒している。今気づいたが、馬の背に飛び乗ったのはステンと同じ村に住むディボルトだった。ディボルトが馬の首を抱えるようにして落ち着かせ、次第に馬はおとなしくなっていった。すると荷馬車で先ほどラッパ飲みしていた老人が別の新しい瓶を手にして、怒り顔を露わにしながらこちらへと近づいてくる。騎士たちが止めようとすると「少し話ばするだけたい!」と歩みを止めない。ステンが俺たちの前を立ち塞がるように立つと、老人はその前で足を止めリーフェンを見て少し目を丸くした。

「おめさん、人間じゃなかと」

 そう口にする老人。エルフとまでは気づいていないのかもしれないが人間ではないと気づいたことに驚く。そして同時に俺は老人の姿に疑問を抱いた。妙に小柄なのだ。この世界は基本的に長身である。元の世界では普通だった俺もこの世界だと女性の平均身長程なのだ。それがその老人は俺の胸元よりも遙かに低い。老化で縮むといってもここまで縮むものなのか。街で見たことある老人だってもっと身長があった気がする。

 それにしても・・・・・・。

 俺は気づかれない程度に老人をジロジロと見た。口の周りにはモジャモジャとしたヒゲ、そして筋肉で盛り上がった腕や胸は衰えなど感じさせない。そして少し開けられた胸元にはヒゲと同様にモジャモジャした胸毛が生えていた。この世界でここまで毛深い人間は見たことなかった。なんとも雄臭そうな男だがその顔はどこか赤らんでいている。
 ・・・・・・こういう状況じゃなければ、めちゃくちゃ観察していたかもしれない。老け具合も肉体も俺の範囲内です。けむくじゃらってのもポイント高いよね!!
 荷馬車に目を移すと別の老人と老婆が心配そうな顔でこちらを見ていた。その老人もまた近づいてきた老人と似たような外見をしていた。荷馬車の老人と視線が合い、慌ててそらす。

 ステンの前まで来た老人は持っていた瓶を前に突き出した。チャポンと揺れる中の液体は透き通った黄金色で、先ほどの臭いもあって酢に思えてしまう。リーフェンが1歩後ずさった。老人はリーフェンの反応を鼻で笑い、瓶の口をくわえると勢いよく口内へと流し込んだ。そしてプハッと息を吐いてその瓶を立ち塞ぐステンへと押しつける。

「わかったか。毒だなんだと言いがかりをつけらる覚えはなか。こりゃオイにとっての命の水じゃぞ」

 ヒックと声を漏らす。確かに酔っぱらいと言っていいだろう。だが酒というにはどうにも鼻につく酸味。しかし酒に弱いと自覚している俺だが、酒の臭いをかいだような気持ち悪さはない。弱いからこそわかるけれど、多分俺がこれを飲んでも酔わないという確信があった。しかし老人の様子は酒を飲んで酔っているようにしか見えない。
 それに違和感を覚えつつも俺はリーフェンの手を掴んだ。それにリーフェンがビクッと反応していたが、今それを気にしている場合ではない。

「すいません。この人エルフなんです」

 俺の言葉に老人の視線が俺に向く。リーフェンにも睨まれた。小声で、説明しないとこの場が収まらないと話せば渋々ながら納得してくれた。

「種族の違いで俺らが食べれるものでも、エルフにとっては毒になることもあるんです。だからリーフェンに悪気はなくて」

 俺が言えば老人は驚いた顔でリーフェンを見る。リーフェンは鼻をならしてそれを受け止めていた。

「それだけではないと思うがね」

 すると突然ルレイドが口を開いた。

「この液体の臭い。どこかで嗅いだことがあってね。大分昔に嗅いだものだったから思い出すのに時間がかかったよ。年はとりたくないものだ」
「あの、それだけではないって」
「簡単だ。それは人間にとって毒というわけではないが、酒とも呼べるものではない。あくまで私個人の勝手な予想ではあるが、その男がそれを酒だと言い張るのは嘘をついているか、あるいはーー」

 ルレイドが老人の頭から足までを見て言う。

「ドワーフだということだ」

 俺はギョッとして老人をガン見するが、ルレイドの言葉に納得もした。違和感を覚えていた体格の違いもそれなら理由がつく。
 魔物やエルフ以外にも人間とは別の種族としてドワーフがいるというのを聞いたことがある。リーフェンらが結界を解いたことでドワーフとの境界もなくなったはずだ。
 ルレイドの指摘は老人にも届いたようで、顔を真っ赤にして湯気が出そうなほどに激昂する。

「それがどげんした!? ドワーフだから何か文句あるんか!」

 老人は自身がドワーフであることを認め怒鳴る。ステンが遮るように立ってくれなかったらこちらに来ていたかもしれない。
 騎士の1人がドワーフに戻るよう声をかけるが酔ったドワーフはそれを聞き入れようとしない。





「うおぉぉぉおおお!?」

 そしてさらに大きな声が響き、俺たちやステン、ドワーフなどがそちらを向いた。声は馬上に乗るディボルトからで先ほど暴れていた馬が再度暴れたいたのだった。幸いおとなしくなったタイミングで荷車から馬を離していたため、被害が広がるわけではなかった。
 だが暴れ馬の後ろ足が勢いよく蹴り上がり、石を蹴り飛ばす。

「うおぉぉぉぉおおお!!?」

 それはステンの顔面目掛けて一直線となり(ドワーフはステンと身長差があったため軌道から逸れていた)、ステンは反射的に押し付けられたビンで受け止め当然ビンは砕け散る。破片が飛び散ったが大きな怪我はなかったようで、中の液体が顔にかかった程度で済んでいた。

「てめ・・・・・・、ディボルトォォォオオオ!!! オレに恨みでもあんのかよ!」
「娘が父親おれじゃなくお前やティムをカッコいいって言ってることに恨みはあるが、今のはワザとじゃねぇわ!! 狙ってできるかこんなこと!!!」

 それなりの距離があるのに怒鳴りあうステンとディボルト。・・・・・・この2人いつもこんなやり取りだな、おい。




「エマ、水魔法を。あれを洗い流すんだ」

 呆れていた俺とは違いルレイドは緊張混じりの声でエマに告げる。すぐさまエマが駆け出し、突然ステンに水をかけた。ステンの怒りの矛先がディボルトからエマに移動したが、そのステンの膝がガクリと折れ地についた。
 ちょ、どうした!?
 俺もステンの傍に駆け寄り膝をついてその顔を覗きこんだ。
 胸を押さえるステンの顔は熱があるように赤く呼吸も荒い。ステンも自身の体に戸惑っているようで俺を見る目が若干潤んでいる。
 やめて、俺をそんな目で見ないで。いけない気持ちになっちゃうから!俺の息子サマはそういうのに正直だから!!

「やはりか」

 様子のおかしいステンを見てルレイドがつぶやいた。

「やはり、って」
「この症状を起こすものと同じものが、小国ストレイティアの山間部の一部にしか生えない植物から抽出される。私が新人の頃にこの国では一切の取引が中止されたものだ。危険だと判断されたからだ」
「危険て・・・・・・、毒ってことですか!?」

 エルフにとって毒なら人間には違うと思ったのに!
 俺は焦るがルレイドは首を横に振る。

「多量ならば命の危険はあっただろうが、先ほどの皮膚や粘膜に触れた量をみるにその心配はない。というより元々の使用はあの程度で、悪用されたことと多量による副作用と依存性の高さが危険視され中止になったからさ。今の彼の状態は本来の使用目的としては正常に働いている」

 本来の使用目的て、めちゃくちゃステン苦しそうなんですが!?
 さっきから荒い息に混じる声が熱持ってて、R指定突入しそうなんだけど! ステンだけでなく俺も大丈夫じゃなくなりそうっす!

 ルレイドはステンの肩に手を置いた。




「キツめの媚薬だ。娼館にでも行けばすぐに収まる」




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁぁぁあああああ!?
 俺は叫ぶのを堪えた。被害者は俺じゃないからだ。被害者じゃないけどさぁ・・・・・・。なんだこの展開。なんだこの展開! 2度言っちゃうわ!! R指定突入物質じゃねぇか!!

「へ、は? び媚薬?」

 ステンは症状に晒されながら、戸惑った様子だった。ですよねー。

「じ、自分だけでなんとかす」
「時間が経つにつれて手に麻痺症状が現れるから単独では薬が抜くことが難しかったはずだ。症状が悪化する前に行った方がいい」

 首を横に振ってステンが断ろうとするも、ルレイドに即座に却下された。するとステンは焦った顔をして俺を見る。
 うっ、媚薬効果だと思うとさらにヤバいんだが。

「オ、オレ・・・・・・」

 ゆっくりと俺の服を掴んできた。

「脱げないっ・・・・・・」

 そしてうつむいた。いや、うつむいたというか己の股間に視線を向けたというべきか。
 そうでしたねぇぇぇえええ。短小コンプレックス持ちでしたっけねぇぇぇぇぇえええぇ。人前で脱がなくなったって聞いたことありましたね!

「娼館なんて、イヤだ」

 ステンが嫌がる理由はわかったけども!! 何も対処しないままはマズイだろ!
 っていうか、服つままないで。変な気になるって言ってんじゃんかよぉぉぉぉおぉぉ。

 対処するには少なくとも下半身は脱がなくちゃならない。そうなるとステンにとって見られたくない部分が露出してしまうわけで。でも緊急事態だから仕方ない気もするわけで。
 俺は無言のまま、どうすべきか悩む。
 すると冷静なルレイドの声が耳に入る。

「なるほど。娼婦は嫌だと」

 そして俺の肩を叩かれた。何故に。




「なら、クウガくんにならいいわけだ」




 待てや、おい!!!
 そう叫んでやろうかと思った。だがそれより先にステンがうなずいてしまった。何でうなずいちゃうかな!? 俺が唯一ステンの秘密知ってるからだよね! 知ってた!! でも生殺しされる側の辛さも考えて! 


 あああああぁぁぁああ!!!
 なんだこの展開! なんだこの展開!! なんだこの展開ぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!!?



~~~~~~~~~~~~~~~~~

 お待たせしました。次回、エロ突入します。
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