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四十一話
しおりを挟む部屋の前までシオンが送ってくれた
「じゃあ、俺は見回り行ってきます
ナツさんは絶対に休んでてください」
絶対、と言われてしまった
「終わったら見にきますんで」
「‥ただの寝不足だよ?」
「‥心配なんで見にきます」
ペコっと頭を下げて
歩いて行ったシオンを見送った後、
私はゆっくり部屋に入った
着替えもせずにベッドに倒れ込み目を閉じる
私は嬉しかった
笑顔がいいと言ってくれたことや
抱きしめてくれたこと、心配してくれたこと
それが本当に「私」に言ってくれているなら
本当に嬉しい
でも「私」じゃなくて
こっちの「ナツ」に言っているなら
‥寂しい
ここから離れたくない
生まれた時から「私」が
ここの「ナツ」だったら‥
いや、そんなこと考えちゃダメだ
私の役目は
早く戻れるように行動することなんだから
そんなことを考えながら
涙が溢れそうになるのを堪えている内に
私は眠ってしまった
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