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二十五話
しおりを挟む様子見1日目
朝から警備強化の為
いろいろな人が動いていた
私は盗賊の顔を見たことがあるので
街の見回り班に加入することになった
私だけでなく偵察に行って
盗賊を見た6人全員見回り班だ
その6人が1人ずつ
街の見回りの班に入るのだ
街の警備隊の人たちの顔は知っていても
特に話すことはないので
黙々と見回りを続けていた
街のお店が閉まり出した夕方ごろに
1日目の見回りは終わりにした
そして2日目も私たちの知ってる
盗賊は現れなかったし
救護用の物資が売られている様子もなかった
2日目の見回りが終わり
暇になった私は
ジーナと話そうと探していた
図書室を見に行くと
出窓のところに腰をかけ外を見ている
シオンの右側の横顔が見えた
「あっ‥」
扉を開けてないから
まだ向こうは気づいていない
シオンの横顔が夕陽に照らされ、
憂いを帯びていて大人っぽくて、
とても綺麗だった
ジッと見ていたら
視線に気づいたのか
シオンがこちらを見た
目がばっちり会ったので
つい反射的に扉を開け挨拶をした
「‥どうも」
この返事を寂しく思った
今日も見回りお疲れ様~とか
呑気に言って近づいて行く
寂しくなったけど
せっかくなら近くで話したいと思ったからだ
「‥お疲れ様っす」
近づいて行くと
ふいっと視線を外し窓の外を見ていた
私からはずっと右側の顔しか見えない
「明日、何かしら
動きがあるかなぁ?」
返事の寂しさに加え
視線を外された寂しさものしかかったが
話したいと思う私は話を続けた
「‥どうっすかね?」
出窓の近くの椅子に座って
机の上に飾ってある
折り紙で作った花を手に取った
花も葉っぱも上手に作ってある
まじまじと見ていたら
手が滑りシオンの足元に落ちた
拾って渡してくれたので
お礼を言って受け取ったら違和感に気づいた
シオンの顔を正面から見たら
左の頬が少し青じみ
口元に小さな絆創膏が貼ってあったから
「その顔、どうしたの?」
「大丈夫なんで
気にしないでください」
そう言ってそのまま扉へと向かう
シオンの腕を掴み引き止めた
「だって、それ心配だよ
何かあったの?」
「何もないので」
「何もないなら
そんな怪我しないでしょ?」
腕を掴んだ私の手を払い
「本当に何もないんで‥
すんませんけど、用事あるんでこれで‥」
視線も合わせず
そのまま扉から出て行ってしまった
私、何かしちゃったのだろうか
それともただ単に機嫌が悪かっただけなのか
その日の夜はずっと起きていた
シオンのことを考えてた
何かあったのか‥って
もし、寝て起きた時に
こっちのナツが戻ってきたら‥
私がここからいなくなってたら‥
シオンと会えなくなる‥
そう考えてたら
どうしても眠れなかった
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