甘々顔総長様と地味顔女子

三三

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「で?」

「・・」

「なんでお前が来てるんだ」

「はぁ・・それは、お兄様に頼まれてぇ・・」
「あんのクソ兄貴っ!」

ひゃぁ・・なんか、めっちゃ、怒ってますがぁ
本当に大丈夫なんでしょうか?お兄様。

昨日の夜、さくらちゃんからの着信で電話に出たはいいケド、それはさくらちゃんの声ではなく
「まゆちゃ~ん、さっきはウチの亜弥がヘンな事しちゃってごめんね~」
「っ//!」と、なぜかお兄様からで、

「いきなりで悪いんだけど、亜弥の着替えとか病院に持っていってくれない?」
「えっ?私がですか?」
なんで?私?

「実は、俺、海外に行く用事ができちゃって行けないんだよね、さくらもまだ本調子じゃないし、まゆちゃん頼まれてくれないかな」
「あ・・」
そっか、さくらちゃんもかなりダメージ受けてたもんね・・大丈夫かなぁ
まぁ、幸い夏休みで学校行かなくていいし、あの慧って子も側に居てくれてるだろうから・・

「わかりました。明日の朝、そちらに寄ってもいいですか?」
「引き受けてくれて助かるよ、一式準備して玄関先に置いておくからよろしくね。」
「あ、はい。」

の。
ノリで来てしまったケド、
なんなのこの総長様の態度はっ、
めっちゃ不機嫌!
そんなに私が来たことが気に入らないんだろうか、


「昨日の今日でよく来れたな」
「―//!なっ、私だってお兄様に頼まれなきゃ来ませんよ!」
「へ・・ぇ。」
「ぅ」な、なに、怒ったの?いや、元々怒ってたし、

「俺はてっきり、最後までさせる覚悟が出来たのかと思ったんだけど?」
「////!!っ、は?なっ、//あのですねっ!、もうその手にはのりませんから!今日は絶対に総長様の側に行かないんで!」

そう言って備え付けのベンチシートの上にお兄様が準備してくれてたバッグを置いた。
全く。相変わらず、自分が重病人だって意識ないんじゃないの?

「――っ、」

え?
見ると総長様が顔を歪めて胸元を抑えてる

「わっ、傷口痛むんですか?」
ガシツ!
「え」ガシ?

「お前やっぱばかだろ」

つい、心配で駆け寄ってしまった私。差し伸べてしまった手。
それをすかず掴んだ
・・総長様の手・・?

「はぁぁぁあぁぁ!!」し、しまったぁぁぁぁぁ!!!

「側にこないんじゃなかったのか?」
「ぅくう//!!」

その瞳で舌をペロっと出して笑みを浮かべる総長様っ、
掴まれるまでもなくノックアウト状態なんですけどぉぉおぉぉ////!!!

で、でも
こ、この状況はヤバい、
総長様の言う通りホント私はバカだ。
そして呪う。この性格をっ

「ぷは、なんもしねぇよ、」
「え?」

「やっぱ、まだ痛むしな。」
「あ」
ああ・・よ、良かっ、
「―――っう」
安堵した途端、掴まれてた手をいきなり引っ張られ
口を塞がれた
総長様の口で、である。

「んう/////!!!」
何もしないって嘘じゃん!キ///キスしてんじゃん!!
しかも、舌で唇をこじ開けてくる・・しっ、
「あっ//」
「やらしい声出すな。止められなくなんだろ」
「っ//」や、そんなこと言われたって~~~////
私自身、こんな声出したくないよ、つか、出させないでよ~~~っ

「あ・・っ//」
「は。ばか、ヤベぇ」
や、ヤバい?ヤバいって何が?昨日お兄様が言ってた壁が薄いから外に聞こえちゃうこと?
それはそれで恥ずかしい///
だから止めて//

その願いが総長様に届いたのか、やっと唇を離してくれた。

「はぁはぁ//」
まだ慣れない、息の吸い方がわからない私は酸素が足りなくて頭がクラクラしてた。

「毎日こいよ」
・・「は・・い」あれ?今なんて?
「毎日、キスすっからな」
・・「は・・」
い???

「はっ?えっ、いや、何言ってんですかっ///??!!」やっと頭がまわってきたっ!
コンコン。
「え」
「失礼します」
「わ!」
ノックをして入って来たのは看護師さんで、思わず、総長様から思いっきり離れた

「お食事の時間ですよ。」そう言って、手に持っているトレーを総長様のベッドに設置されてる可動式のテーブルに置いた。
そこには体にはめっちゃ良さそうな食事の数々が並べられてる。


「美味くないんだよね。」
その料理を見て、わかりやすく嫌そうな顔をしてる総長様。

「あら、なんなら食べさせてあげるわよ。」
「え」
看護師・・さん?

「亜弥くん、又前みたいにちょくちょく利用してよ」
は?
「病院をちょくちょく利用って、俺、どんだけ怪我すればいいんだよ」
「え~だってここでしか相手してくれないじゃない」

へ・・?

「ここでももうしねぇよ」
「え?なんで?」
「わ」
いきなり看護師さんが私の方をスゴイ目つきで睨んできたっ?

「なにあなた、亜弥くんのなに?」
「えっ、」
いやいや、それ聞く前にあなたこそ総長様のなんなんですかぁぁ??!!

「紗栄子、そいつにガンつけてんじゃねぇよ」
「は?亜弥くん、私よりもこんなみすぼらしい子を庇うっての?」
「ぅ」み、みすぼらしいって・・そりゃ、そちらの方が色っぽいですよ。ええ。
それに比べたら、みすぼらしいですよ。

「ああっ?」
「ひ!!」

え?総長様
すごく怒ってる?

「あ、ご、ごめんなさい、私、もう行くわね、ちゃんと食べてね」
「うるせぇ!」
「ひゃっ」
看護師さんは悲鳴を上げ、逃げるようにして病室から出て行ってしまった

もしかして
私の悪口を言われて怒ってくれた・・の?

「なんで?」
「あ?」

まだ総長様は機嫌が悪い。
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