41 / 66
41
しおりを挟む
何分走っただろう。
横目で見る景色は段々と見覚えのあるものになってた。
ここ、もう家の近くだ。
てことは、総長様のマンションももうすぐで着く
「はぁ」この背中、もっと引っ付いていたかったなぁ
「あ?俺の後ろに乗ってんのに不満かよ、」
「へっ!」
え、こんな爆音の中で、私の溜息が聞こえた??!
ウソ、どんだけ耳いいのよ~~っ
それからすぐに総長様のマンションに着いて、早々にバイクから降りると、私の腰に手を回して来た。
「ひゃ//」
「暴れんな、今、降ろしてやっから。」
と。
あ、私が一人で降りられないこと覚えててくれたんだ・・
でも、もう降りられるんだよ、転びそうにはなるけど、大丈夫だよ。
「――っ。」
「?」まただ、
さっきも背中にしがみついた時に聞こえた声。
もしかして総長様、
「どこか他にも怪我とかしてるんですか?あの、私なら大丈夫です、一人で降りられますから」
「ばか、変な気ぃ使うな、」
そう言って、なんなく私の体を持ち上げて地面へと着地させてくれた。
本当に大丈夫なんだろうか・・
マンションの中に入り、総長様の号室に来るとインターホンを鳴らした。
すると、すぐにその戸は開かれ、中からは
「まゆさ~~~ん、と、お兄ちゃん」
「てめ、」
「さくらちゃんっ!無事だった?どっか怪我とかしていない?」
玄関先で怒涛の如く言葉を発する私に対して、総長様は無言でズンズンと中に入って行ってしまう。
とりあえず一通り、さくらちゃんに怪我が無いかをあちこち見て、大丈夫だと確認し、さくらちゃんも大丈夫だよ~との言葉を言われたことでやっと安心した私はさくらちゃんと共にリビングに入った
「あれ?総長様は?」
てっきりそこに居ると思ってた。
でもリビングに居たのは慧って子だけ・・
「亜弥さんなら、自分の部屋に行ったぜ」
「え?」
「ねぇ、まゆさん、何か飲む?」
さくらちゃんはキッチンに入って、冷蔵庫を開いてた。
「あ、うん、」
私もその隣に行って、何本かあるジュースの中からアップルジュースを選んで、さくらちゃんと一緒にソファに座った。
「・・・」
「・・・」
座ったはいいけど、2人して沈黙が続いた。慧って子は何か雑誌を読んでるし、
んー。何か話さなきゃなんだけど
それよりも聞きたい事の方があって。
でもそれはさくらちゃんにとって言いたくない事かもしれないし、もしかしたらすごく嫌な思いをしたんじゃないかと思うと、中々切り出せないでいた。
そんな私に気づいたのか、
「まゆさん、私なら本当に大丈夫だよ、あの場所でも、部屋に監禁されてただけだし、ちょっと頭はクラクラしてたけど、すぐに未ィ兄ぃが来てくれたから。」
「あ、そうなんだ、よ、良かったっ」
「まゆさんも私の事を助けに来てくれたって聞いた。ありがとう」
「えっ、私なんてなんにも役にたてなかったし、そんなお礼なんていいよ、」
逆に利用されそうになってたし・・
「それでも嬉しかったんだ~」
さくらちゃん・・
「ママの事は、未ィ兄ぃから色々と聞かされた。・・正直かなりのショックだったけど・・ね」
「っ、」
「でも、お兄ちゃん達がママから私をずっと守っててくれてたってわかったから、だから、だから、・・・――うっ・・っ」
「さ、さくらちゃ、」
大きな瞳から涙がポロポロ流れ出してる
あ・・「ごめ、もうしゃべらなくていいよ、」
辛かったこと、悲しかったこと、我慢してても声に出すと感情の方が抑えきれなくなって溢れ出しちゃったんだ。
大丈夫なんて言わせちゃってごめん!
さくらちゃんなりにがんばって、ずっと、ずっと、今まで泣くのを我慢してたんだ
そ、りゃそうだよね。ショックだったよね。ずっと会いたがってたお母様だったもんね
「うっ・・う、ごめ、まゆさ・・」
「いいよ、さくらちゃん」
ギュっとさくらちゃんを抱きしめた。
それと同時にこんなに悲しい思いをさせたお母様に腹がたった。
こんなに素直で可愛い子、親じゃなくても守ってあげたいって思っちゃうのに。
なんでお母様にはそういう感情が無いんだろう。
それが・・すごく
悲し・・
悔し・・っ
横目で見る景色は段々と見覚えのあるものになってた。
ここ、もう家の近くだ。
てことは、総長様のマンションももうすぐで着く
「はぁ」この背中、もっと引っ付いていたかったなぁ
「あ?俺の後ろに乗ってんのに不満かよ、」
「へっ!」
え、こんな爆音の中で、私の溜息が聞こえた??!
ウソ、どんだけ耳いいのよ~~っ
それからすぐに総長様のマンションに着いて、早々にバイクから降りると、私の腰に手を回して来た。
「ひゃ//」
「暴れんな、今、降ろしてやっから。」
と。
あ、私が一人で降りられないこと覚えててくれたんだ・・
でも、もう降りられるんだよ、転びそうにはなるけど、大丈夫だよ。
「――っ。」
「?」まただ、
さっきも背中にしがみついた時に聞こえた声。
もしかして総長様、
「どこか他にも怪我とかしてるんですか?あの、私なら大丈夫です、一人で降りられますから」
「ばか、変な気ぃ使うな、」
そう言って、なんなく私の体を持ち上げて地面へと着地させてくれた。
本当に大丈夫なんだろうか・・
マンションの中に入り、総長様の号室に来るとインターホンを鳴らした。
すると、すぐにその戸は開かれ、中からは
「まゆさ~~~ん、と、お兄ちゃん」
「てめ、」
「さくらちゃんっ!無事だった?どっか怪我とかしていない?」
玄関先で怒涛の如く言葉を発する私に対して、総長様は無言でズンズンと中に入って行ってしまう。
とりあえず一通り、さくらちゃんに怪我が無いかをあちこち見て、大丈夫だと確認し、さくらちゃんも大丈夫だよ~との言葉を言われたことでやっと安心した私はさくらちゃんと共にリビングに入った
「あれ?総長様は?」
てっきりそこに居ると思ってた。
でもリビングに居たのは慧って子だけ・・
「亜弥さんなら、自分の部屋に行ったぜ」
「え?」
「ねぇ、まゆさん、何か飲む?」
さくらちゃんはキッチンに入って、冷蔵庫を開いてた。
「あ、うん、」
私もその隣に行って、何本かあるジュースの中からアップルジュースを選んで、さくらちゃんと一緒にソファに座った。
「・・・」
「・・・」
座ったはいいけど、2人して沈黙が続いた。慧って子は何か雑誌を読んでるし、
んー。何か話さなきゃなんだけど
それよりも聞きたい事の方があって。
でもそれはさくらちゃんにとって言いたくない事かもしれないし、もしかしたらすごく嫌な思いをしたんじゃないかと思うと、中々切り出せないでいた。
そんな私に気づいたのか、
「まゆさん、私なら本当に大丈夫だよ、あの場所でも、部屋に監禁されてただけだし、ちょっと頭はクラクラしてたけど、すぐに未ィ兄ぃが来てくれたから。」
「あ、そうなんだ、よ、良かったっ」
「まゆさんも私の事を助けに来てくれたって聞いた。ありがとう」
「えっ、私なんてなんにも役にたてなかったし、そんなお礼なんていいよ、」
逆に利用されそうになってたし・・
「それでも嬉しかったんだ~」
さくらちゃん・・
「ママの事は、未ィ兄ぃから色々と聞かされた。・・正直かなりのショックだったけど・・ね」
「っ、」
「でも、お兄ちゃん達がママから私をずっと守っててくれてたってわかったから、だから、だから、・・・――うっ・・っ」
「さ、さくらちゃ、」
大きな瞳から涙がポロポロ流れ出してる
あ・・「ごめ、もうしゃべらなくていいよ、」
辛かったこと、悲しかったこと、我慢してても声に出すと感情の方が抑えきれなくなって溢れ出しちゃったんだ。
大丈夫なんて言わせちゃってごめん!
さくらちゃんなりにがんばって、ずっと、ずっと、今まで泣くのを我慢してたんだ
そ、りゃそうだよね。ショックだったよね。ずっと会いたがってたお母様だったもんね
「うっ・・う、ごめ、まゆさ・・」
「いいよ、さくらちゃん」
ギュっとさくらちゃんを抱きしめた。
それと同時にこんなに悲しい思いをさせたお母様に腹がたった。
こんなに素直で可愛い子、親じゃなくても守ってあげたいって思っちゃうのに。
なんでお母様にはそういう感情が無いんだろう。
それが・・すごく
悲し・・
悔し・・っ
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる