甘々顔総長様と地味顔女子

三三

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キッチンでさっきの割れたグラスの片付けを2人でしていると、
扉の閉まる音が聞こえた。
「あ、お兄ちゃん達帰ってきたみたい」
さくらちゃんの言葉通り、リビングのドアを開けて入ってきたのは、先ほどで出て行った
総長様と慧って子だった。

「慧、大丈夫だった?」
すぐにさくらちゃんは慧って子に走り寄る。
「ああ、全然平気。」
2人の立姿はとても絵になってて、そのままフレームに入れて飾りたいくらいだ。
ん?、2人?
えと、もう1人、総長様は、どこに行ったの?
すると、隣のドアから、総長様は現れた。
自分の部屋にでも行ってたのかな?

「じゃ、さくら、こいつ借りてくからな。」
と、手渡されたヘルメット。
「へ?」ヘルメット?が、なぜ?
「うん、ま、元々お兄ちゃんが呼び出したんだもんね、でも忘れないでよ、まゆさんは私のなんだからね。」
「へ?」私を呼び出した・・のっ・・て、さくらちゃんじゃ・・、
「はいはい、じゃ、行くぞ。」
「え?は?」
状況が全く呑み込めていない私はヘルメットを持たされたまま茫然と立ち尽くしてた。
「ちっ!」
舌打ちと共に掴まれる腕。
なっ、なに??なに?なに~~~~??
そうこうしているうちに、なぜか、私は今
総長様の腰に腕を回して、バイクで走行中である。

「ひゃぁぁぁっぁあぁぁぁ~~~~~~」

叫びすぎて、脳に酸素が足りなくなってる私は、バイクが停まった後もソコから降りる事もできずにいた。
うわ、クラクラする~~
ぐわっ!被っていたヘルメットを強引に取られ
「へ?」体が・・浮く。・・浮く?!!
見ると私の体は総長様の両腕で掴まれてて、上へとっ、
「ひゃぁぁっ////!!」
体がっ、総長様の体と密着してる~~~~っ!!!!

「うるせぇな、」と、トン。
あ、足が地面に着いた?
「バイク乗ったの初めてか?降り方もしらねぇとは。」
そう言って、私の体から離れた。
あ、そうか、バイクから降ろしてくれたんだ。でも、あれは反則だ!///
「わ、」地面に降りられても、足に力が入っていない私はふらついた。
それをまた抱きとめられてしまっていた。

甘い香水の香りが脳内にも届く。
半袖のシャツから見える筋肉質の腕。男の人の腕。
抱きとめられた時に着いた両手の平に総長様の固い胸板の感触。
「/////!!」

「大丈夫か?」
「はああっ!///大丈夫じゃなさそうです!!」別の意味でっ!!

「は?どっか打ったか?」大きい手の平が私の肩を掴んで体を離される
と、総長様の綺麗な瞳が私の全身を見回す。
それがなんだか恥ずかしくなって、
「ま、間違えました、大丈夫でした。」
と言い直す。

「ふ、それなら良かった。」
優しく、甘々な顔がとてもやさしく笑い、私の心臓は激しく鼓動を打った。
いつまでも鳴りやまない。ど、どうしよう。
こんなのは初めて。心臓痛い・・
バイクに乗ったせいでまだ興奮しているだけなのかもしれない。
だから
もしかしてら勘違いかもしれない。
心臓と連動して脳まで何かを認識するのがわかる。
この感情・・。
会ってまだ間もない、総長様の事はさくらちゃんから聞いた情報のみ。
そんな人に普通・・こんな感情って持つもの?持てるもの??
第一、それがそういう感情だったとしてとても釣り合わない。ホント身分違いもいいとこ、
私なんかが持ってはいけない、おこがましいにも程がある。
でも、それでも
この感情は
もう確信に近い。

私は、この甘々な顔をした怖くて優しい総長様の事が・・

「ちゃんと歩けるか?」
「あ、う、うん。」
そう答えているのに心配性なのか、私の腕は総長様がしっかりと掴んでくれている。
ホント優しい。
認識した途端、どんどんさっきの感情が加速していく。
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