8 / 66
8
しおりを挟む
結局、その部屋には、さくらちゃんと2人っきりになった。
そこで、私は色々と聞く事となる。
実はさくらちゃんちは、離婚していて、お父さんしかいないってコト。
そのお父さんは海外出張中で家にいないってコト。
それと、総長さんの上にはもう一人、大学に通っているお兄さんがいるコト。
つまり、さくらちゃんちは実質、3人の兄弟で住んでいるのだと。
ここのマンションに引っ越してきたのは、さくらちゃんが中学2年生になるのと同時で、
その際に私と同じ、今の中学に転校してきたという
「あの慧っ子は?すごく仲いいみたいだけど、転校前からの知り合いなの?」
「慧とは前の中学でも一緒だったよ、」
「え?」
「なんでか、慧もこっちの学校に転校したきたんだよ~」
「へ?」それは・・もしかして、さくらちゃんを追ってきたってこと??!
「あ、あの、その理由って聞いてみた?」
「わかんない、ソコは慧、何にも言わないから、でも、お兄ちゃんは知ってるんじゃないかな?前の学校の時もお兄ちゃん達とつるんでいたし。」
まぁ、そうは言っても聞けないけどね。
慧って子にはもちろんだけど、総長様になんておこがましくて聞けない。興味本位で聞くなとかって言われそうだし。それは考えないようにしよ。
「ねぇねぇ、まゆさんの事も教えてよ~」
今度は、さくらちゃんが私に質問してきた。
「ん?なに?」
「さっきの傷の手当とかってどっかで習ったの?すごくビックリしたんだけど!」
って。
「あ、あれは、ウチのお母さんが看護師で、私は小さい頃からあれぐらいの処置とかは教えられていたの。」
「え~お母さん、看護師さんなんだぁ!すごい!」
「え?そ、そうかな//」自分の親を褒められるとやっぱ嬉しい。
「うらやましい・・」
あ。
そうだった、さくらちゃんちには、お母さん居ないんだった。
それなのに私ったら。なんて無神経・・
落ち込んでいる私に
「お兄ちゃんには内緒なんだけどね」
と、
いきなりそんな事を言って立ち上がったと思うと、私の手を引いてリビングから連れ出された。
廊下に出ると右にもフロアが見え、そこにも扉がある。
その扉を開けて連れていかれた場所は、
「わぁ//かわい//」
そこは明らかに女の子の部屋。
ピンクと白で覆われている壁、いっぱいフリルが付いたカーテン
「私の部屋へようこそ」
にっこりと笑ってその部屋と同化するさくらちゃんを見て
本当におとぎ話に出てくるお姫様かと思った。
しばらく見とれていると、さくらちゃんは白い机の一番上の引き出しを開け、手を奥の方に入れて何かを取り出そうとしている。
?
その手に掴んでいたモノ
「写真?」
「うん。」
誰のだろう
「私のママの」
「え」
そう言って見せてくれた写真の中にはとても綺麗な女の人が写っていた。
目元がとってもさくらちゃんに似てて・・
必然的に総長様とも似てた。
「綺麗な人だね、さくらちゃんと似てる。」
私のその言葉に、さくらちゃんは少し頬を赤めて笑った。
そうだよね。いくら離婚していても母親だもんね。
「お母さんとは会ったりしてないの?」
今や離婚は珍しくない、結構頻繁に交流している親子もいる。
そんな感覚で聞いてしまった。
なのに
「・・一度も会ったことない。」
と、返答したさくらちゃん。表情が曇ってる。
本当に私って無神経すぎる!
「あ、っと、ご、め・・」
「ふふ。大丈夫だよ、まゆさん」
逆に慰められてしまっていた。
何やってんの、私の方が先輩だっていうのに。
「でも、コレ持ってるって、お兄ちゃんには絶対、内緒だからね。」
写真をまた引き出しの奥にしまい込みながらそう言った言葉に違和感。
「なんで?」
「・・」黙り込んでしまっているさくらちゃん
私、また無神経なことを聞いてしまった?
「お兄ちゃん達、ママのことを聞くと黙るし、怒るし。この写真だってたまたま引っ越しの時に見つけたの。パパと一緒に写ってたのもあったし、亜弥兄ぃとも似てたから絶対にこの人がママだと思って、お兄ちゃん達には内緒で前のお家から持ってきたものなの。」
「・・」
「ママの写真なんて持っているなんて知れたらきっと捨てられちゃう。」
なんで、お兄さん達はお母さんの事を教えてやらないのかはわかんないけど
「・・ん。わかった。言わないよ」そう答えた。
「私達、2人の秘密ね♪」
約束を交わした私達は又、リビングへ戻っていった。
そこで、私は色々と聞く事となる。
実はさくらちゃんちは、離婚していて、お父さんしかいないってコト。
そのお父さんは海外出張中で家にいないってコト。
それと、総長さんの上にはもう一人、大学に通っているお兄さんがいるコト。
つまり、さくらちゃんちは実質、3人の兄弟で住んでいるのだと。
ここのマンションに引っ越してきたのは、さくらちゃんが中学2年生になるのと同時で、
その際に私と同じ、今の中学に転校してきたという
「あの慧っ子は?すごく仲いいみたいだけど、転校前からの知り合いなの?」
「慧とは前の中学でも一緒だったよ、」
「え?」
「なんでか、慧もこっちの学校に転校したきたんだよ~」
「へ?」それは・・もしかして、さくらちゃんを追ってきたってこと??!
「あ、あの、その理由って聞いてみた?」
「わかんない、ソコは慧、何にも言わないから、でも、お兄ちゃんは知ってるんじゃないかな?前の学校の時もお兄ちゃん達とつるんでいたし。」
まぁ、そうは言っても聞けないけどね。
慧って子にはもちろんだけど、総長様になんておこがましくて聞けない。興味本位で聞くなとかって言われそうだし。それは考えないようにしよ。
「ねぇねぇ、まゆさんの事も教えてよ~」
今度は、さくらちゃんが私に質問してきた。
「ん?なに?」
「さっきの傷の手当とかってどっかで習ったの?すごくビックリしたんだけど!」
って。
「あ、あれは、ウチのお母さんが看護師で、私は小さい頃からあれぐらいの処置とかは教えられていたの。」
「え~お母さん、看護師さんなんだぁ!すごい!」
「え?そ、そうかな//」自分の親を褒められるとやっぱ嬉しい。
「うらやましい・・」
あ。
そうだった、さくらちゃんちには、お母さん居ないんだった。
それなのに私ったら。なんて無神経・・
落ち込んでいる私に
「お兄ちゃんには内緒なんだけどね」
と、
いきなりそんな事を言って立ち上がったと思うと、私の手を引いてリビングから連れ出された。
廊下に出ると右にもフロアが見え、そこにも扉がある。
その扉を開けて連れていかれた場所は、
「わぁ//かわい//」
そこは明らかに女の子の部屋。
ピンクと白で覆われている壁、いっぱいフリルが付いたカーテン
「私の部屋へようこそ」
にっこりと笑ってその部屋と同化するさくらちゃんを見て
本当におとぎ話に出てくるお姫様かと思った。
しばらく見とれていると、さくらちゃんは白い机の一番上の引き出しを開け、手を奥の方に入れて何かを取り出そうとしている。
?
その手に掴んでいたモノ
「写真?」
「うん。」
誰のだろう
「私のママの」
「え」
そう言って見せてくれた写真の中にはとても綺麗な女の人が写っていた。
目元がとってもさくらちゃんに似てて・・
必然的に総長様とも似てた。
「綺麗な人だね、さくらちゃんと似てる。」
私のその言葉に、さくらちゃんは少し頬を赤めて笑った。
そうだよね。いくら離婚していても母親だもんね。
「お母さんとは会ったりしてないの?」
今や離婚は珍しくない、結構頻繁に交流している親子もいる。
そんな感覚で聞いてしまった。
なのに
「・・一度も会ったことない。」
と、返答したさくらちゃん。表情が曇ってる。
本当に私って無神経すぎる!
「あ、っと、ご、め・・」
「ふふ。大丈夫だよ、まゆさん」
逆に慰められてしまっていた。
何やってんの、私の方が先輩だっていうのに。
「でも、コレ持ってるって、お兄ちゃんには絶対、内緒だからね。」
写真をまた引き出しの奥にしまい込みながらそう言った言葉に違和感。
「なんで?」
「・・」黙り込んでしまっているさくらちゃん
私、また無神経なことを聞いてしまった?
「お兄ちゃん達、ママのことを聞くと黙るし、怒るし。この写真だってたまたま引っ越しの時に見つけたの。パパと一緒に写ってたのもあったし、亜弥兄ぃとも似てたから絶対にこの人がママだと思って、お兄ちゃん達には内緒で前のお家から持ってきたものなの。」
「・・」
「ママの写真なんて持っているなんて知れたらきっと捨てられちゃう。」
なんで、お兄さん達はお母さんの事を教えてやらないのかはわかんないけど
「・・ん。わかった。言わないよ」そう答えた。
「私達、2人の秘密ね♪」
約束を交わした私達は又、リビングへ戻っていった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる