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ティアSIDE
出会いまでティア7
しおりを挟む目を覚ますと、外はまだ薄暗くあと1時間ほどで朝日が出てくるだろうというところであった。
手短に身支度を済ませ、フードを深く被りギルドへ向かう。
外に出ると冒険者らしき人がちらほら歩いているだけで、静けさと歩きやすさが昨日の夕方とは別の街のように思える。
ギルドに入ると静かであった街とは違い、たくさんの人がいた。
適当なクエストをいくつか見繕いギルドを出る。
黙々とクエストをこなし、キリがいいところで時間を確認すると夕方に近い時間帯だったため切り上げギルドへ向かう。
「これを頼む」
「わぁ、こんなにですか?す、すごい。あ、、、少々お待ちください。」
そう言い、他の職員を呼び素材の鑑定を始めた受付に顔を見られないようフードを深く被る。
しばらくすると、金額を提示され妥当な額であったため了承し、宿へ戻る。
こんな生活も気がつけば1ヶ月が経っていた。
宿の延長手続きを行い、それでも有り余る額のお金は特段ほしいものもないためマジックボックスにしまっておく。
宿に関してももっと高いところに泊まることもできるが、この宿で不便なところもないためそのまま延長することに決めた。
最近になって変わったことが一つある。
なぜかは分からないが、ギルドで女性に話しかけられることが増えた。
正直悪い気はしないが、自分の配色を見たら態度を変えられることは分かりきっていたので適当に断ってクエストに向かっていた。
そんな時だった彼女、シレネに出会ったのは。
運命だと思った。いや、思い込まされていたと言った方が正しいだろう。
彼女との出会いは偶然だった。
「キャッ」 ドン
「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
ギルドから宿屋への道でちょうど曲がった時にぶつかったのだ。
地面に転がっている彼女に申し訳なく思い、謝罪をし手を差し伸べる。
「あたしの方こそよそ見しちゃっててぇ~、ごめんねぇ」
そう言いながら初対面なのにタメ口で、上目遣いをしこちらを見てきたことには驚いたが今まで話しかけてきた女性たちのように無理に引き留めようとはせず謝罪が終わるとすぐに話を切り上げるところには好感を持てた。
その日から偶然会うことが増えていった。
ご飯を購入しているとこで再会した時に自己紹介され、運命かもと言われたがいまいちピンと来なかった。
その後もギルドで偶然会ったり、道でぶつかりそうになったりする度に会話をするようになっていた。
その頃には友人のように思うようになっていた。
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