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第二十二話
しおりを挟む湖に何かを投げ入れていた怪しい人物を追って、リーダーのガレスが森の中に走っていってしまった。
残された俺とソフィアとエレナの3人で、湖のブルー・アリゲーターを討伐しなくてはならない。
「じゃ、早速退治しちゃいましょうか。アルト。支援魔法をよろしく」
「オーケー。ちょっと待ってろ。特大のやつをかけてやる」
俺は時間をかけて支援魔法を練り上げ、全力を持ってソフィアの魔法攻撃力を跳ね上げる。
俺の支援魔法を受けたソフィアの体が徐に光輝き始めた。
「うわ…何これ、すごい…」
ソフィアが自分の体を見ながら呟いた。
「力がみなぎってくる…何この全能感…今ならなんでもできそう…」
「思いっきりぶち込んでやれ」
「わかったわ!」
俺とエレナが下がり、ソフィアが杖を湖の方へ向けた。
遠距離魔法の長い詠唱。
それが終わると、ソフィアの頭上に直径10メートルはあろうかという炎の球が現れた。
「ちょちょちょ、ソフィア!?何これ!?」
エレナが驚いている。
「これはすごいな…」
「すごいなんてものじゃないわよ!いつものソフィアの魔法の三倍は威力があるわ!!熱い熱いっ!!ソフィア!早く湖にぶち込んじゃってっ!!!」
ここまで伝わってくる熱気に、エレナが悲鳴をあげる。
そんな中、ソフィアが杖で炎の球を操作して、湖に着弾させる。
「ヒュージファイア・ボール!!!」
ボシュッ!
ブワァアアアアアアアアアン!!!
「「…っ!?」」
炎の球が湖に着弾した瞬間、とんでもない爆発が起こった。
水飛沫が上がり、青色だった湖が一瞬で真っ赤になる。
「すごい…なんて威力なの…」
「今ので相当仕留められたんじゃないか…?」
周囲には水蒸気が立ち込めており、よく見えない。
「ウインド・ブレス!」
ソフィアが再度魔法を使った。
ブオオオオオオオ!!!
強烈な風が起こり、周囲の水蒸気が飛んでく。
「ふわあああああっ!?飛ばされるっ!?」
エレナが吹き飛ばされそうになっており、俺が慌ててその体を掴む。
やがて風がおさまって、視界がクリアになった。
同時に、俺たちの目の前に、完全に蒸発した湖が現れる。
「はああああああああああああ!?」
エレナがあまりの威力に大声を出した。
「おぉ、これは…」
俺もソフィアの魔法の威力に感心する。
あれだけいたブルー・アリゲーターたちは、今の一発で完全に死滅しており、周囲には、骨だけになった死体とともに紫色の魔石が散乱していた。
「ふわああああっ。気持ちよかったぁああ!!今までで最高の一発ね!!」
そんな中、全力の魔法が撃てて満足そうなソフィアの叫びが周囲に響いたのだった。
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