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第4章 魔界編
第154話 卑怯なにそれおいしいの?
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「さて待たせたな。では始めるとするか」
アルジールはそう言ったと同時にクロナへと斬りかかったが、その凄まじい速度の剣戟をクロナは見事な剣捌きで受け流す。
四天王時代は剣を使う事は少なかったが、それでも魔法を使わずにアルジールの剣を防げる者などほとんどいない。
魔人ガデュスでさえ、魔法を使った防御魔法を使ってもアルジールの剣による猛攻を防ぐ事ができなかったのにクロナは剣だけでアルジールの剣を見事に防いでいるのだ。
「なかなかやるな。ではこれでもくらえ」
クロナが見せた僅かな隙を見てアルジールは至近距離から第2級魔法雷嵐流を放つ。
咄嗟に避けようとしたクロナだったが、雷嵐流の直線状にはレナザードがいる事に気付いた。
(レナザード様を巻き込む気か?)
仕方なくクロナは方針を変え、魔力を使えない自らの剣で雷嵐流を迎え撃つ事を余儀なくされた。
システアを含めたほぼ全ての冒険者が何が起きたかも分からない速度で雷嵐流の光がクロナが振り下ろした剣を衝突する。
そして、クロナの振り下ろした剣に雷嵐流が直撃し、2つに分かれた雷が後ろにいたレナザードを挟むように通過し、凄まじい振動を伴って冒険者協会の壁に2つの大穴を開けた。
直後、クロナはアルジールから距離を取ると、アルジールを睨んだ。
「卑怯な。レナザード様を狙うとは」
「卑怯? 知らない言葉だな。私は敵を纏めて効率よく殺れる手段を使ったまでだ」
およそ勇者の発言とは思えない言葉に周囲がドン引きしていることには気づかないアルジールは更に続ける。
「とはいえ他の冒険者を巻き込んではクドウ様がお怒りになるな」
するとアルジールは何を考えたのか手の空いた左手を天に掲げた。
「天雷」
アルジールがそう唱えると、凄まじい轟音と共に雷が落ちてきた。
落ちてきた雷は冒険者協会の屋根を一瞬の内に消し炭と変え、冒険者協会の屋根に大穴を開けた。
それを見たギルドマスターは「あぁ……」と項垂れているがそんなことを気にする者はこの場に一人としていなかった。
アルジールは飛行魔法を使い、大穴が開いた屋根へと飛んでいく。
「ついてこい。ここを出たすぐの広場で待っている」
そう言い残しアルジールは大穴から外へと出て行った。
「おい、私は守らなくていいからさっさとあのアールという勇者を倒してしまえ。時間の無駄だ」
アルジールに言われた通り、レナザードとクロナが外へと向かう途中、レナザードがクロナにそう釘を刺す。
「……本当ですか?」
正直クロナは今の生身のレナザードがどれ程の戦闘力を持っているか掴み切れていなかった。
魔力が万全な状態ならクロナなど相手にならない程の戦闘力を有するレナザードだが、魔力がない状態ならば確実に純粋な身体能力と剣術で勝るクロナの方が実力は高い。
だが、それがどの程度の差か今はまだ図り切れていないのである。
疑いの目を向ける目にレナザードはふんと鼻を鳴らす。
「いくら魔法が使えないといってもそこらの私が魔人程度には負けるわけがないだろう。ましてや、アレはタダの人間だぞ」
「それならいいですが」
確かにさっきの魔法は恐らく第2級魔法だったのだろうが、咄嗟に庇ってしまったものの、クロナから見れば防ぐのはそこまで難しい魔法ではなかった。
あの程度の魔法であれば流石に今のレナザードでも守る必要はなかったかと思いなおす。
「ではすぐに終わらせて勇者クドウを待つことにしましょう」
そう言ってクロナは早足で外へと出て行くとレナザードは「おいっ、待て! クドウは待たんぞ!」と言いながらクロナの後を追い出て行った。
アルジールはそう言ったと同時にクロナへと斬りかかったが、その凄まじい速度の剣戟をクロナは見事な剣捌きで受け流す。
四天王時代は剣を使う事は少なかったが、それでも魔法を使わずにアルジールの剣を防げる者などほとんどいない。
魔人ガデュスでさえ、魔法を使った防御魔法を使ってもアルジールの剣による猛攻を防ぐ事ができなかったのにクロナは剣だけでアルジールの剣を見事に防いでいるのだ。
「なかなかやるな。ではこれでもくらえ」
クロナが見せた僅かな隙を見てアルジールは至近距離から第2級魔法雷嵐流を放つ。
咄嗟に避けようとしたクロナだったが、雷嵐流の直線状にはレナザードがいる事に気付いた。
(レナザード様を巻き込む気か?)
仕方なくクロナは方針を変え、魔力を使えない自らの剣で雷嵐流を迎え撃つ事を余儀なくされた。
システアを含めたほぼ全ての冒険者が何が起きたかも分からない速度で雷嵐流の光がクロナが振り下ろした剣を衝突する。
そして、クロナの振り下ろした剣に雷嵐流が直撃し、2つに分かれた雷が後ろにいたレナザードを挟むように通過し、凄まじい振動を伴って冒険者協会の壁に2つの大穴を開けた。
直後、クロナはアルジールから距離を取ると、アルジールを睨んだ。
「卑怯な。レナザード様を狙うとは」
「卑怯? 知らない言葉だな。私は敵を纏めて効率よく殺れる手段を使ったまでだ」
およそ勇者の発言とは思えない言葉に周囲がドン引きしていることには気づかないアルジールは更に続ける。
「とはいえ他の冒険者を巻き込んではクドウ様がお怒りになるな」
するとアルジールは何を考えたのか手の空いた左手を天に掲げた。
「天雷」
アルジールがそう唱えると、凄まじい轟音と共に雷が落ちてきた。
落ちてきた雷は冒険者協会の屋根を一瞬の内に消し炭と変え、冒険者協会の屋根に大穴を開けた。
それを見たギルドマスターは「あぁ……」と項垂れているがそんなことを気にする者はこの場に一人としていなかった。
アルジールは飛行魔法を使い、大穴が開いた屋根へと飛んでいく。
「ついてこい。ここを出たすぐの広場で待っている」
そう言い残しアルジールは大穴から外へと出て行った。
「おい、私は守らなくていいからさっさとあのアールという勇者を倒してしまえ。時間の無駄だ」
アルジールに言われた通り、レナザードとクロナが外へと向かう途中、レナザードがクロナにそう釘を刺す。
「……本当ですか?」
正直クロナは今の生身のレナザードがどれ程の戦闘力を持っているか掴み切れていなかった。
魔力が万全な状態ならクロナなど相手にならない程の戦闘力を有するレナザードだが、魔力がない状態ならば確実に純粋な身体能力と剣術で勝るクロナの方が実力は高い。
だが、それがどの程度の差か今はまだ図り切れていないのである。
疑いの目を向ける目にレナザードはふんと鼻を鳴らす。
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