異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

ある意味予想通りな想定外04 ロイSide

「迷宮って、人の心読めるのかな？」

マリアのそんな不穏な呟きが聞こえたのは、
魔物部屋の魔物を倒し終わり、運良く現れた宝箱。

その中に入っていたもの.........大人用俺用と子供用マリア用、そしてなぜか従魔用リル用のローブを手にしてしばらく呆けてからだった。


恐らく本人は、声に出したつもりはないのだろう。

ないのだろうが.........なんだ今の、聞き捨てならないセリフは。

まるでこれローブが、マリアが求めていたものがでた、という風に聞こえる。というかそういう風にしか聞こえない。


マリアの求めていたものってのが 俺とマリア用.........つまり、子供用と大人用のローブだけのことを言っているならまだわかる。

が、これまでの経験から察するに、そんなはずはない。そんなまともなはずが、ない。

「...........................」

今すぐ問い詰めて また何をやらかすつもりなのか、もしくは つもりだったのか を聞きたいような、やめといたほうがいいような、複雑な心境になる。

「マリア、そのローブを3つとも、鑑定しろ。どんな効果を持っているんだ？」

「え、あ、うん。ちょっと待ってね.........」

──とりあえず今は、気にしないふりをしていようと思った。
聞くとしてもそれは迷宮を出て、宿の部屋に戻ってからでもいいだろう、と。


所詮 問題の先延ばしでしかないことはわかっているー.....。