異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

ある意味予想通りな想定外02

「ごめんロイさん、罠のスイッチ、振り返った拍子に押しちゃったみたい.........」

罠のスイッチを押しちゃった、と気づいてからわずか数秒。
気づくと 上下も左右も岩壁の、洞窟の中にいた。
幸い？にも 続く道は正面に1本しかない。

「この迷宮、転移系の罠があるのは15階層からで、 10階層に出るなんて聞いたことないぞ........」

「そうなの？でもまぁ、転移しちゃったんだからしょうがないよ」

「それをお前が言うのか」

「それは私も言ったあとに思った。でも、ここで なんで、とかどうして とか思ってても元の場所に戻れるわけじゃないし」

「...お前そういうとこホント、アレだよなぁ.........」

「とりあえず、進もう？」

“アレ”の中身を聞きたいような、聞きたくないような.........。まぁだいたい想像つくけど。

「そうだな。  行くなら俺が先頭な。お前は真ん中。後ろは、リルな。ウルフくらいの大きさになってくれ」

「きゃう～ん」

ロイさんの指示で リルは 大型犬よりちょっと大きいくらいのサイズになった。


「とりあえず最大限警戒しながら行くぞ」

「はーい」「わふっ」

転移先から続く1本道はさほど長くない上に、
魔物の出現もなければ 罠の類いもなく、たどり着いた先は、2畳ほどの小部屋だった。


「あっ」

「どうした？」

「道、消えちゃった。というか壁になってるよ」

「..................」

進むしかないってことだよね。まぁ道を戻ったところで行き止まりだけど。


「ロイさん、この扉の先って.........」

もちろん、ただの小部屋ではなく、その部屋の壁にはさらにもう1つ、扉があった。

「魔物部屋、だろうな」

「1回あけちゃったら閉めれないのかな？」

そんなことを言いつつ、扉の開閉はどうやるんだろう？とふと疑問がわき、扉を触っていた。

「恐らくな。 とりあえず今日はもう休んで、起きてからー」

ーカチッ

「あﾞ？」

「あ、やばっ.........」

本日2度目の、聞き覚えのある音がしてー.....

魔物部屋の扉が開いたー.........。



「..................てへっ？」

過去最高に怖い顔を見せるロイさん。

古い、とショタな神様に言った てへぺろ(首を傾げるのも忘れずに！)を、繰り出すこととなったのだった。


もちろん、そんなことで誤魔化されてくれるようなロイさんじゃないけどね。