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本編

今日も長々お勉強タイム

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「そういえばマリア。ルイスから聞いたけどお前、自分が住んでるこの街の名前すら知らなかったんだってな?」

「え?あ、うん……」

朝ご飯も食べ終わり、ギルドで売ってた地図を購入して部屋に戻った途端、ロイさんが急にそうきりだしてきた。

ー返事を聞いたロイさんの目は、完全にスイッチが入っていた。

あ、これ 今日1日、地理のお勉強になるコースだ……。


◇  ◇  ◇

「とまぁ、こんな感じだな。国内だと」

「はー やっと終わった……」

ー予想通り、地理のお勉強で1日が終わった。

最初の方はリルも一緒に聞いてくれていたんだけど、あまりにも長くて途中でリルはお昼寝タイムに入った。

ロイさんの声を子守唄に、たっぷりお昼寝をした。

それなのに起きてもまだ続いていたから、目を見開いてびっくりした顔で、私を見て、ロイさんを見て……を何回か繰り返していた。

リルって獣なのに表情豊かだよねぇ……。


ーちなみに、びっくりしてるリルの顔もすごく可愛かった!カメラがあったらよかったのに……って思った。まぁあったとしても状況的に、写真なんか撮れなかったけどさ。

◇  ◇  ◇

カメラ、かぁ~……  マジックアイテム作成魔法で作れたりしないかなぁ……。

「………リア」

あーでもなぁ……仮に作れたとしても、そもそもそういう概念の物が存在してなかったとしたら目立つ……というか、アウトだよなぁ……。

「ア………  リア!」

カメラじゃなくても、見たものを見たままっぽくなんかこう……写すってかえがく?みたいなのならまだ……

「マリア!」

「!

ごめんロイさん。考え事してた」

「考え事? ……なんか余計なこと、考えてんじゃねぇだろうな?」

そう言ってギロリと睨まれる。

うわ、鋭い……。

「そ、ソンナコトナイヨ……?」

咄嗟に目線はそらしたものの、声になった言葉は正直だった。というか正直すぎた。

「お前さ……前から何回も言ってるが、ちょっとは嘘つくの上手になれよ。別に、嘘つきになれっつってるわけじゃなくてな。
嘘ついてるって丸わかりなのをどうにかしてくれ。 

……というかな、隠し事多いくせになんでそこまで嘘が下手なのかが俺は不思議でしょうがない。」

「……ハイ」

「で?」

「えっ?」

でっ? って何が??

意味がわからずポカーンとする私にロイさんは黒い笑みを浮かべながら、目を逸らさせまいと顔に触れ、がっちり固定したのち、言葉を続けた。

「何を考えてたんだ?言ってみ? ん??」

ー黒い笑みもそうだけど、目が笑ってない。これっぽっちも、笑ってない。
……久しぶりに見たわ このガチ具合。怖い。

「……ま」

「ま?」

「マジックアイテムについて、考え事……を、してまし……た……」

顔はがっちり固定されてて動かせないのでせめてもの抵抗で、視線を明後日の方向にそらしつつ、途切れ途切れにそう答えたー……。



「りっ リルの可愛い姿を、なんか……絵とかそういう感じに、でもそういう時間
かかりそうなのじゃなくて、もっと手軽?簡単?に 残せる物、ってかマジックアイテム?みたいなのないかなーって!」

マジックアイテムって言ったの自分だけど、それでロイさんが火魔法耐性付きブレスレットのことを思い出して言ってきたらめんどくさいってことを思い出して慌てて、ロイさんの言葉を待たずに話を進めた。

「知らないな。そもそもの意味もよくわからない。絵じゃダメなのか?」

「絵だと絵じゃん? そうじゃなくて……」

「そりゃあ、絵は絵だろ」

声にこそだされはしなかったけど、完全に、“何言ってんだコイツ”って言ってる顔だった。


「……うん」

ダメだわ。当たり前っちゃ当たり前かもしれないけど、伝わる気がまるでしない。
……自分の説明が酷いせいも多少はあるんだろうけど。


ーとりあえず、今のところカメラに期待はできなさそうだから リルの可愛いところは心の目に焼き付けておこうと思う。
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