異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

冒険者登録は10歳からしかできません。

当初の予定よりだいぶはやいけど、
これはもう冒険者になるしかないよね。

家がない以上、自分で稼がなきゃけいないわけだし。

というかお金もなにも持ってないし。


ということで、さっそく行きたいし、
冒険者ギルドの場所を街の人に聞こう。



聞くと意外にも近くにあった。



｢でかっ……｣

2本の剣に盾の絵がシンボルマークの冒険者ギルド。

街の人に聞いたところ、ギルドの他に 冒険者用の格安宿と食堂兼酒場が一緒になっているからこその大きさらしい。



中に入ってみると、まだ昼すぎだというのに
ギルドの中はお酒を飲む厳つい冒険者たちで賑わっていた。



気配を消して なおかつ、
邪魔にはならないように気をつけながら
受付に向かった。


｢いらっしゃいませ、ようこそ冒険者ギルドへ。
本日はどのようなご要件で？｣

受付カウンターが思っていた以上に高くて
どうしようか悩んでいたら、
受付のお姉さんが気づいて声をかけてくれた。

｢あ、すみません。
冒険者登録をしたいんですけど…｣

そう言った瞬間、

｢｢｢は？？？｣｣｣

すぐそばのテーブル席で酒を飲みながら騒いでた厳つい顔の冒険者が複数人、
いきなりこちらを見ながら
“コイツなに言ってんだ？”みたいな顔をされた。


｢すみません、もう一度いいですか？｣

受付のお姉さんも声色こそかわらないものの、
心なしかじゃっかん笑顔を引き攣らせているように見えた。

｢？
だから、冒険者……｣

“登録をしたいんですけど” と
言い切る前にそれは阻まれた。


｢冒険者登録は10歳からしかできねぇんだよ。
んなことも知らねぇガキに、
冒険者なんかできるわけねぇだろ｣

持っていたジョッキをテーブルに乱暴に置いて近づいてきたのは、
筋骨隆々でいかにも冒険者ですって感じの男が3人だった。


｢冒険者って10歳にならないと登録できないんですか！？｣

嘘でしょ！？ 
あと2年も待たなきゃいけないの！？