異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

転生して1番に注目したこと

んー まぶしいなぁ……

赤ん坊は目が見えないって聞くけどホントだわ。

産まれてからどれくらいの期間だったかまでは全然わからないけど今 始めて光を感じた。

目をあけてるとぼんやりとだけど
なにかが見えてきた。

これは……人？

「ねぇ見てあなた。目 あけたわ！」

「あぁ。そうだな」

耳は……大丈夫。聞こえてるね。
言葉も理解できる。
鼻もなんとなくだけど匂いがかげてる気がする。

ちょっとだけど腕も足も動くし、体は大丈夫そう。


しばらくするとぼやけていた視界が
はっきりしてきた。


……………まじかぁ……。

はっきり見えた、両親の顔。
2人とも綺麗な顔だったから自分の顔にも期待が持てそう。

でも私の目はそれよりも頭……それもちょっと上の方にくぎづけだった。


「ふふふ、これが気になるのかしら？」

お母さんもそれに気づいたみたいで
微笑みながら自分のそれを触った。

「触ってみるかい？」

お父さんは自分のそれを私の方にむけてくれた。


私は自分がまだ産まれて間もない赤ん坊だということを忘れ、
ほとんど反射的に手を伸ばした。

……が、まぁたいして動けるはずもなく。

「どうだい？触り心地は」

そう言って触らせてくれる、それ。


ー今 私の視界を支配し、なおかつ好奇心も満たしているもの。

それは、耳。

それも、よーく慣れた人間のそれじゃなくて……
動物…… そう。猫の……耳だ。


両親の頭には、猫の耳が生えていたー……。