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護衛役が欲しい 02
しおりを挟む「オッサン、いるかー?」
ジュードを筆頭に3人は手馴れた様子で家の中へ入って行く。
アリスも いいのかと悩みつつも置いていかれても嫌だったので着いて行った。
玄関から見える、1番遠い扉をジュードはノックをすることもなく雑に開けた。
「あ?誰がオッサンだ……って、おぉジュードじゃないか。随分と久しぶりだなぁ」
その部屋の中には、筋骨隆々で左眼に眼帯を付けた男がいた。年は四十前後だろう。
顔はもちろん、腕や足など 服から出ている見える部分には古傷がいくつもあった。
彼はこの牧場の経営者で、 名をガリオンと言う。
「従魔契約してぇんだけど、今 何がいる?」
「とうとう従魔持つ気になったのか」
「いや、俺じゃねぇ。契約させてぇのはコイツだ」
「……子供? お前、結婚したのか」
「んなわけねぇだろ。いくつだと思ってんだ」
「冗談だ。 で、この嬢ちゃんが従魔契約するっていうのか」
「あぁ」
「…………………」
無言のままガリオンの視線がアリスを上から下まで何回も往復する。
「嬢ちゃん、名前は?」
「………アリス」
意外にもガリオンはしゃがみこみ、目線の高さをアリスに合わせながら話しかけてきた。
「従魔を契約したいのは、自分の意思か?」
「うん。好きなの選んでいいって言われてる」
「……そうか。
嫌々ってわけじゃないみたいだし、いいぞ。何がいい?」
「まずは 護衛に役立ちそうな魔物を10~15。あとは愛玩系を何種類か見せてほしい」
「わかった。用意しよう。手伝え」
「あぁ」
◇ ◇ ◇
「………ライム。 とりあえずこの魔物だらけの牧場の説明、ちょうだい」
ガリオンとジュードは話をしながら部屋を出ていってしまった。
ここでようやく、アリスは疑問を口にすることが出来たのだった。
「説明しようと思うと長くなるから簡単に言うけど、従魔が欲しけりゃここに来いって場所だよ」
「………うん?」
簡単に説明しすぎだろう、とアリスは首を傾げるが、ライムにはそれ以上説明をする気がないことが見て取れた。
ならば、とレオンハルトにさらなる説明を求めようとアリスは視線を動かした。
「細かいことは気にしなくていい。気に入る魔物が見つかるといいな」
「はーい……」
だがしかし。 これ以上の説明をするつもりがないのはレオンハルトも同じだった。
気にするな、と言いながら頭を撫でられてしまえば、それ以上の質問はできなかった。
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