異世界と日本の二重生活(ダブルライフ)

「手違いで死んでしまったようだ。次の転生先は違う世界だから。一応、王女とか容姿とか
優遇しておいたから。チートなんて小説の中だけ、記憶の持ち越しはなし。じゃよろしく」

 綺麗な女性が頭を撫でながら「生まれてきてくれてありがとう」と額にキスを落とした。
頭を撫でられながら眠りにつく。

「ほら、タカシ。そろそろ起きないと遅刻するわよ?」
目が覚めると、母親が鬼のような形相でたって居た。

 タカシとして眠りにつくとエンヴィとして目が覚め、エンヴィとして眠りにつくとタカシ
として目が覚める。二人分の人生を過ごす事になったのであった。

 二人の人生の十四年が過ぎた。体感的には二十八年になる。
 
 これは死んでないのに次の世界へと転生してしまった
 二十八歳ニート、タカシと
 十四歳王女エンヴィの人生を交互に繰り返す
 
 そんな物語である。
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