完璧な旦那様

世羅

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完璧な夫

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 大学から家に戻り、環奈は慌ただしくレポートに取りかかる。4000字のレポートを三時間で仕上げると、もう夕飯時だった。もうそろそろ、定時上がりの夫のために、夕御飯の準備を始めないとまずい時間だ。夕御飯の準備に加えて、洗濯物まである。気だるいと思うが、夫の帰宅までには終わらせなくてはいけないと立ち上がろうとしたと同時にただいまと言う夫の声がした。

 今日も間に合わなかったと落ち込んでいると、夫の孝太郎がリビングにやってきて、スーパーの袋をテーブルの上に置いた。そして、ネクタイの結び目を緩めながら、どさりと椅子に座った。

「今日は、レポートがあるって言っていたから、夕飯買ってきたよ」

「あ、ありがとう」

 環奈の夫のこわいところは、このである。そうだ、休みの日なんか関係なしに環奈が大学で忙しいからと言って、家事を率先してやってくれる。環奈がバイトがしたいと言えば、許可だってしてくれる。旅行がしたいなと思ったら、勝手に環奈の予定を把握して予約してくれる。それに有名企業のお坊っちゃまだし、イケメンだ。何も文句のつけようなんてない。
 ただ、環奈が未成年だと気づかないで酒を飲ませてしまい、そのままラブホにいき、避妊せずセックスしてしまい、責任をとって結婚すると言い出した以外は完璧だ。


 孝太郎の完璧さが環奈にとっては少しこわかったりする。それは、完璧さゆえに夫のことがあまり見えてこないからだ。

 それに、孝太郎ぐらいのスペックでイケメンならよりどりみどりだったはずだ。なのにどうして、自分なのかとときたま環奈は思う。


「食わないのか?」

 惣菜の蓋をあけて、夕飯の準備をする孝太郎がそう環奈に訊いた。環奈は、椅子に座るといただきますと呟き、箸を手に取り、夕食を取り始めた。




 夕食もお風呂もすませて、二人はベッドにはいった。環奈はここ1ヶ月、テストやらレポートやらに追われてしまい、孝太郎の誘いに乗れていなかった。絶倫な孝太郎がよく一ヶ月も我慢できたと環奈は思ったし、テストとレポートから解放された今、抱き潰されてもおかしくはない。それに、明日から孝太郎の有給休暇が始まる。
 そんなことを考えていると、予想通り孝太郎は後ろから抱きつて来た。太股らへんには硬くなった孝太郎のモノを感じることができた。


 環奈はまずいと思ったが、時はすでに遅し。



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