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女を黙らせるにはこうするんだろ? 前編 朝乃宮千春SIDE
2/7 - BAD END - コンクリートブロック
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「千春? 千春!」
「……えっ」
咲の声にウチは我に返った。
ウチは今、咲と一緒に学校……やなくて、青島中央神社にいる。
その理由は、咲の一言が始まりやった。
「今日のラッキーアイテムを手に入れるため、青島中央神社に行きます!」
はぁ……。
吐く息が白い……寒い……雲が空を覆ってるから、余計に寒く感じる……。
ウチの心はブルーやった。
それはこの寒空、遠回りして学校に行くことになった事ではなく……。
「千春……どうかしたんですか? 何か心配事ですか?」
「……気のせい……と思いたいんやけど……」
そう、心配事があった……。
それは……。
「何かあったんですね? 話してくれませんか?」
「……」
そう、あった……。
今日の藤堂はんと桜花ちゃん……何かおかしかった。
まるで何かに怯えているようやった……。
でも、何に?
藤堂はんはウチに助けを求めていた……気がする。
せやけど、結局は何も言ってくれへんかった……。
ウチは悲しかった。
相棒とちゃいますの? それなのに……それなのに……。
ウチは悲しみと悔しさで藤堂はんを無視した。
それが取り返しのつかないことになるとも知らずに……。
「千春?」
咲の眉がハの字になっている。
あかん……咲を悲しませてどないするねん。少し相談してみよう。
そう思って話そうとしたときやった。
「なあ、これ、すげえやべえ話しなんだって!」
「本当かよ、アッキー」
二人の男の声が聞こえてきた。
一人は興奮しながらもう一人の男に話している。制服から青島高の生徒やと分かる。
大きな声に、話すタイミングを失ってしもうた。
「俺、見たんだって! ここで事故ってた車があったの! かなり大破してたんだ!」
「それってただの事故だろ? 何がやべえんだよ?」
ウチは改めて咲に相談しようと……。
「事故った車から小さい子が出てきたの!」
「? ただ外に出ただけだろ?」
「それがさ、一人で神社の中に入っていったんだよ。それだけでも謎だろ? 一番やべえのが、しばらくして、何人もの黒いスーツを着た男達が車に近づいて、中を物色したんだ。そんで、その子を追いかけるようにして神社に入っていったんだ! 捕まえろとか言っててさ! やばくねえ? 俺さ、隠れてその現場を見てたんだよ! もしかすると……」
「ちーちゃん?」
何かが気になった……。
アッキーと呼ばれた男の子の話しはいまいち要領がつかめへんけど、何かが引っかかった。
何に?
「ねえ、にーちゃん。その話し、もっと詳しく聞かせてくれない?」
そこにまた二人組の男がやってきた。
ただ、雰囲気がまるで違った。
一人は長髪で茶髪。身長は百九十くらいで蛇総柄ダブルスーツにシャツは胸元を開け、リーガルを履いている。
もう一人は百八十くらいで短髪、オールバックに綺麗に整った髭。オーダースーツにエルメスの革靴。
長髪の男は明らかにチンピラ。もう一人は清楚な服装でどこかの俳優みたいなイケメンやけど、雰囲気で分かる。
あれはヤクザ。
青島には不良は多いけど、ヤクザはあまり見たことがない。
ウチは咲の前に立つ。
長髪のオネエ言葉で話す男が青島校の生徒の肩を組み、顔を近づけ尋ねる。
「おにぃさん達さぁ、ここで事故った事、調べてるのよね。知ってたらね、教えて欲しいの。隠しごとしたらどうなるか……分かってるよね!」
「え、あのぉ……そのぉ……」
「おい! 大助! 怖がってるだろ!」
短髪の男が長髪の大助って男を怒鳴る。
大助はちっと舌打ちをして離れる。
「ごめんな、驚かせて。ただ、ここで事故った人、俺達の友達なんだ。その友達に頼まれたんだ。入院している間、娘を頼むって。けど、その娘さん、桜花って言うんだけど、行方不明になっていて、探しているんだ。どんなことでもいい、知っていたら教えてくれないか?」
渋い声の短髪の男は優しげに語りかけている。
低姿勢で話しかけられ、相手もホッとしている。
「ねえ、千春……あの人たち……もしかして……桜花ちゃんの事を……」
「あかん! 咲!」
ウチは咲の言葉を遮る。
ウチの勘が告げてる。この二人組の男は敵やと。
何の情報も与えたらあかんと。
「ねえ、アンタ。今、桜花ちゃんって言った? 言ったよね! ねえ!」
大助が咲の言葉を聞いてしまったらしく、こっちに来た。
勿論、ウチが咲と大助の間に入る。
「聞き間違いです。この子はそんなこと、言ってません」
「言ったよね! 聞こえたんですけど!」
大助がツバを飛ばしながら大声で威嚇してくる。咲はウチの背中に隠れる。
「うるさいお人やね。近所迷惑です」
「はぁ! やるの? ねえ、やるの! 手加減しないよ、女の子相手でも!」
上等! 逆にこの場で叩きのめしたら、うやむやに出来る。咲やなくて、ウチに恨みを持って関わってくるはず。
ウチ一人やったら、何の問題もない。
そっと木刀を取り出し……。
「大助!」
短髪の男が一喝する。ウチは手を止めた。
「ねえ! なんで止めるのぉ! この女! 何か知ってるよ、絶対!」
「うるせえって言ってるんだ! 静かにしろ!」
大助は短髪の男を睨み付けるけど、すぐに電柱を蹴って八つ当たりする。
くっ! せっかくのチャンスが!
今度は短髪の男がこっちに来た。
この男、注意せな。大助って男よりも危険や。
「ごめんな、怒鳴って。でも、探しているのは本当なんだ。一人娘を心配しない親はいないだろ? だから、教えてくれないかな?」
「知らないことを教えろと言われましても」
ウチと短髪の男がにらみ合う。短髪の男は表情は柔らかいが、目が全く笑ってない。
ウチの動き、心情を読み取ろうとする目や。
絶対に教えたらあかん。取り返しのつかない事になる。
なぜ、この男達は『桜花』って子を探しているのか?
桜花ちゃんと関わりがあるのか?
それが分かへんうちは、絶対に情報を与えたらあかん。
「あ、あの……その女の子、桜花って子か知らないけど、神社に向かった子なら、昨日別の場所で見かけたんですけど」
なぁ!
アッキーが余計な事を口にした。
「ほんと? それ、本当なの! 嘘ついたら、ボコボコにするよ!」
大助がアッキーの胸ぐらを掴む。止めるまもなく、アッキーは叫ぶようにして答えた。
「見かけた気がするだけです! 青島保育園の制服着て歩いているの見たんで! でも、本人かは分からなくて!」
「ありがとう、にいちゃん。これ、お礼」
短髪の男がアッキーの制服のポケットに万札を入れる。口止め料も含まれてる。
短髪の男はスマホでどこか連絡を取っている。
なんやろ……胸騒ぎがする。
「お、おい……何で話すんだよ。ヤバくないか?」
「だ、だって、仕方ないだろ! 話さなきゃ、俺達も生徒会副会長もあのヤクザにやられてた!」
はぁ……厄介な事になった。
アッキーって子はウチらを助けようとしてくれたみたいやけど、逆効果や。
追い詰められたかもしれへん。
ウチはすぐに『子』に連絡して、桜花ちゃんの護衛を依頼した。けど、運が悪いことに何人かは青島を離れてる。
護衛には時間がかかるとのこと。
ウチは急ぐよう頼むことしかできへんかった……。
どうしよ……。
ウチは悩んだ。今朝のこと、藤堂はんに言うべきやろうか?
けど、まだ桜花ちゃんが危険な目にあってるかどうかは分からへん。
ちゃんと確かめてから報告するべきかも。でも……。
藤堂はんはウチに何の相談もしてくれへんかった……それが心に引っかかっていて、報告をためらってしまう。
どうしよ……。
話すか? 黙ってるか?
……ウチはもうしばらく様子を見ることにした。
けど、全ては遅かった。
「千春ちゃん! 大変なの!」
破滅の音は一本の電話から始まった。
おばさまからの電話。珍しくかなり動揺している。
何かトラブルがあったことは明白だった。
「正道さんが……車にはねられて重体なの!」
「……えっ?」
藤堂はんが車にはねられた? どういうこと?
藤堂はんは学校に来てたんとちゃうの? どうして、車にはねられるわけ?
それだけでも、悪寒が走る知らせやのに……もっと最悪な出来事が起こっていた。
それは……。
「桜花ちゃんが……桜花ちゃんが……」
「桜花ちゃんがどないしはったんです?」
「さらわれたの! お父さんには連絡してるから、千春ちゃんは自分の身を守ることだけ考えて!」
頭を鈍器で叩かれたような衝撃が走った。
悪い予感は的中してしまった……。
桜花ちゃんをさらった相手はすぐに見つかった。『子』が護衛につくまえに、さらわれてしまったので対応が遅れた。
それでも、防犯カメラを使って、誘拐犯を割り出すことに成功した。その場所は青島の南区にある倉庫やった。
ウチと『子』の十人で監禁場所に突入しに、誘拐、二十五人全員を拘束した。
「桜花ちゃんはどこです?」
「……あそこだ」
誘拐犯の一人を拷問し、聞き出した場所には……コンクリートのブロックがあった。
そこに桜花ちゃんはいない。
「桜花ちゃんはどこにいるのかと聞いてるんですけど! それとも、まだ爪を剥がされたいんか!」
「だから! そこだって! もう、許してくれ!」
誘拐犯はコンクリートのブロックを指さした。
コンクリートブロックは四角の形をしていて、人一人入れるくらいの大きさがあった。コンクリートブロックのすぐ近くにベットらしきモノがあって、大量の血と肉片がばらまかれていた。
その血の水たまりに……バッチが置かれていた。
あれは……あれは……桜花ちゃんの……桜花ちゃんのバッチ……。
まさか……まさか……。
ウチは呆然と……立ち尽くすことしかできへんかった……。
- BAD END - コンクリートブロック
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アドバイス
咲の一言がこの事態を招いてしまったが、そもそもアッキーと呼ばれる男子生徒が事故の話しをしなければ、チンピラ二人が桜花の名前を出すことはなかった
では、どうしたら、アッキーが事故の話しをしなくなるのか?
それは正道SIDEの正道の朝の行動を変えることで朝乃宮の悩みが変わり、違う未来が開けるだろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……えっ」
咲の声にウチは我に返った。
ウチは今、咲と一緒に学校……やなくて、青島中央神社にいる。
その理由は、咲の一言が始まりやった。
「今日のラッキーアイテムを手に入れるため、青島中央神社に行きます!」
はぁ……。
吐く息が白い……寒い……雲が空を覆ってるから、余計に寒く感じる……。
ウチの心はブルーやった。
それはこの寒空、遠回りして学校に行くことになった事ではなく……。
「千春……どうかしたんですか? 何か心配事ですか?」
「……気のせい……と思いたいんやけど……」
そう、心配事があった……。
それは……。
「何かあったんですね? 話してくれませんか?」
「……」
そう、あった……。
今日の藤堂はんと桜花ちゃん……何かおかしかった。
まるで何かに怯えているようやった……。
でも、何に?
藤堂はんはウチに助けを求めていた……気がする。
せやけど、結局は何も言ってくれへんかった……。
ウチは悲しかった。
相棒とちゃいますの? それなのに……それなのに……。
ウチは悲しみと悔しさで藤堂はんを無視した。
それが取り返しのつかないことになるとも知らずに……。
「千春?」
咲の眉がハの字になっている。
あかん……咲を悲しませてどないするねん。少し相談してみよう。
そう思って話そうとしたときやった。
「なあ、これ、すげえやべえ話しなんだって!」
「本当かよ、アッキー」
二人の男の声が聞こえてきた。
一人は興奮しながらもう一人の男に話している。制服から青島高の生徒やと分かる。
大きな声に、話すタイミングを失ってしもうた。
「俺、見たんだって! ここで事故ってた車があったの! かなり大破してたんだ!」
「それってただの事故だろ? 何がやべえんだよ?」
ウチは改めて咲に相談しようと……。
「事故った車から小さい子が出てきたの!」
「? ただ外に出ただけだろ?」
「それがさ、一人で神社の中に入っていったんだよ。それだけでも謎だろ? 一番やべえのが、しばらくして、何人もの黒いスーツを着た男達が車に近づいて、中を物色したんだ。そんで、その子を追いかけるようにして神社に入っていったんだ! 捕まえろとか言っててさ! やばくねえ? 俺さ、隠れてその現場を見てたんだよ! もしかすると……」
「ちーちゃん?」
何かが気になった……。
アッキーと呼ばれた男の子の話しはいまいち要領がつかめへんけど、何かが引っかかった。
何に?
「ねえ、にーちゃん。その話し、もっと詳しく聞かせてくれない?」
そこにまた二人組の男がやってきた。
ただ、雰囲気がまるで違った。
一人は長髪で茶髪。身長は百九十くらいで蛇総柄ダブルスーツにシャツは胸元を開け、リーガルを履いている。
もう一人は百八十くらいで短髪、オールバックに綺麗に整った髭。オーダースーツにエルメスの革靴。
長髪の男は明らかにチンピラ。もう一人は清楚な服装でどこかの俳優みたいなイケメンやけど、雰囲気で分かる。
あれはヤクザ。
青島には不良は多いけど、ヤクザはあまり見たことがない。
ウチは咲の前に立つ。
長髪のオネエ言葉で話す男が青島校の生徒の肩を組み、顔を近づけ尋ねる。
「おにぃさん達さぁ、ここで事故った事、調べてるのよね。知ってたらね、教えて欲しいの。隠しごとしたらどうなるか……分かってるよね!」
「え、あのぉ……そのぉ……」
「おい! 大助! 怖がってるだろ!」
短髪の男が長髪の大助って男を怒鳴る。
大助はちっと舌打ちをして離れる。
「ごめんな、驚かせて。ただ、ここで事故った人、俺達の友達なんだ。その友達に頼まれたんだ。入院している間、娘を頼むって。けど、その娘さん、桜花って言うんだけど、行方不明になっていて、探しているんだ。どんなことでもいい、知っていたら教えてくれないか?」
渋い声の短髪の男は優しげに語りかけている。
低姿勢で話しかけられ、相手もホッとしている。
「ねえ、千春……あの人たち……もしかして……桜花ちゃんの事を……」
「あかん! 咲!」
ウチは咲の言葉を遮る。
ウチの勘が告げてる。この二人組の男は敵やと。
何の情報も与えたらあかんと。
「ねえ、アンタ。今、桜花ちゃんって言った? 言ったよね! ねえ!」
大助が咲の言葉を聞いてしまったらしく、こっちに来た。
勿論、ウチが咲と大助の間に入る。
「聞き間違いです。この子はそんなこと、言ってません」
「言ったよね! 聞こえたんですけど!」
大助がツバを飛ばしながら大声で威嚇してくる。咲はウチの背中に隠れる。
「うるさいお人やね。近所迷惑です」
「はぁ! やるの? ねえ、やるの! 手加減しないよ、女の子相手でも!」
上等! 逆にこの場で叩きのめしたら、うやむやに出来る。咲やなくて、ウチに恨みを持って関わってくるはず。
ウチ一人やったら、何の問題もない。
そっと木刀を取り出し……。
「大助!」
短髪の男が一喝する。ウチは手を止めた。
「ねえ! なんで止めるのぉ! この女! 何か知ってるよ、絶対!」
「うるせえって言ってるんだ! 静かにしろ!」
大助は短髪の男を睨み付けるけど、すぐに電柱を蹴って八つ当たりする。
くっ! せっかくのチャンスが!
今度は短髪の男がこっちに来た。
この男、注意せな。大助って男よりも危険や。
「ごめんな、怒鳴って。でも、探しているのは本当なんだ。一人娘を心配しない親はいないだろ? だから、教えてくれないかな?」
「知らないことを教えろと言われましても」
ウチと短髪の男がにらみ合う。短髪の男は表情は柔らかいが、目が全く笑ってない。
ウチの動き、心情を読み取ろうとする目や。
絶対に教えたらあかん。取り返しのつかない事になる。
なぜ、この男達は『桜花』って子を探しているのか?
桜花ちゃんと関わりがあるのか?
それが分かへんうちは、絶対に情報を与えたらあかん。
「あ、あの……その女の子、桜花って子か知らないけど、神社に向かった子なら、昨日別の場所で見かけたんですけど」
なぁ!
アッキーが余計な事を口にした。
「ほんと? それ、本当なの! 嘘ついたら、ボコボコにするよ!」
大助がアッキーの胸ぐらを掴む。止めるまもなく、アッキーは叫ぶようにして答えた。
「見かけた気がするだけです! 青島保育園の制服着て歩いているの見たんで! でも、本人かは分からなくて!」
「ありがとう、にいちゃん。これ、お礼」
短髪の男がアッキーの制服のポケットに万札を入れる。口止め料も含まれてる。
短髪の男はスマホでどこか連絡を取っている。
なんやろ……胸騒ぎがする。
「お、おい……何で話すんだよ。ヤバくないか?」
「だ、だって、仕方ないだろ! 話さなきゃ、俺達も生徒会副会長もあのヤクザにやられてた!」
はぁ……厄介な事になった。
アッキーって子はウチらを助けようとしてくれたみたいやけど、逆効果や。
追い詰められたかもしれへん。
ウチはすぐに『子』に連絡して、桜花ちゃんの護衛を依頼した。けど、運が悪いことに何人かは青島を離れてる。
護衛には時間がかかるとのこと。
ウチは急ぐよう頼むことしかできへんかった……。
どうしよ……。
ウチは悩んだ。今朝のこと、藤堂はんに言うべきやろうか?
けど、まだ桜花ちゃんが危険な目にあってるかどうかは分からへん。
ちゃんと確かめてから報告するべきかも。でも……。
藤堂はんはウチに何の相談もしてくれへんかった……それが心に引っかかっていて、報告をためらってしまう。
どうしよ……。
話すか? 黙ってるか?
……ウチはもうしばらく様子を見ることにした。
けど、全ては遅かった。
「千春ちゃん! 大変なの!」
破滅の音は一本の電話から始まった。
おばさまからの電話。珍しくかなり動揺している。
何かトラブルがあったことは明白だった。
「正道さんが……車にはねられて重体なの!」
「……えっ?」
藤堂はんが車にはねられた? どういうこと?
藤堂はんは学校に来てたんとちゃうの? どうして、車にはねられるわけ?
それだけでも、悪寒が走る知らせやのに……もっと最悪な出来事が起こっていた。
それは……。
「桜花ちゃんが……桜花ちゃんが……」
「桜花ちゃんがどないしはったんです?」
「さらわれたの! お父さんには連絡してるから、千春ちゃんは自分の身を守ることだけ考えて!」
頭を鈍器で叩かれたような衝撃が走った。
悪い予感は的中してしまった……。
桜花ちゃんをさらった相手はすぐに見つかった。『子』が護衛につくまえに、さらわれてしまったので対応が遅れた。
それでも、防犯カメラを使って、誘拐犯を割り出すことに成功した。その場所は青島の南区にある倉庫やった。
ウチと『子』の十人で監禁場所に突入しに、誘拐、二十五人全員を拘束した。
「桜花ちゃんはどこです?」
「……あそこだ」
誘拐犯の一人を拷問し、聞き出した場所には……コンクリートのブロックがあった。
そこに桜花ちゃんはいない。
「桜花ちゃんはどこにいるのかと聞いてるんですけど! それとも、まだ爪を剥がされたいんか!」
「だから! そこだって! もう、許してくれ!」
誘拐犯はコンクリートのブロックを指さした。
コンクリートブロックは四角の形をしていて、人一人入れるくらいの大きさがあった。コンクリートブロックのすぐ近くにベットらしきモノがあって、大量の血と肉片がばらまかれていた。
その血の水たまりに……バッチが置かれていた。
あれは……あれは……桜花ちゃんの……桜花ちゃんのバッチ……。
まさか……まさか……。
ウチは呆然と……立ち尽くすことしかできへんかった……。
- BAD END - コンクリートブロック
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アドバイス
咲の一言がこの事態を招いてしまったが、そもそもアッキーと呼ばれる男子生徒が事故の話しをしなければ、チンピラ二人が桜花の名前を出すことはなかった
では、どうしたら、アッキーが事故の話しをしなくなるのか?
それは正道SIDEの正道の朝の行動を変えることで朝乃宮の悩みが変わり、違う未来が開けるだろう
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