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第七部 俺達の家族 -団結編-

プロローグ ……許せない

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「やっと帰ったか……」

 俺はため息をつき、コタツに体を伏せた。
 本当に疲れた。この五日間、小学生相手に振り回されるとか、勘弁して欲しい。
 来年も菜乃花に振り回されると思うと、うんざりするが、一年後のことだ。今は、のんびりさせてもらおう。

「兄さん、お疲れ様です」

 上春が湯飲みを俺の目の前に置いて、笑いかけてきた。

「上春こそ、お疲れ。すまなかったな」
「いえ。私も楽しかったです」

 そう言ってくれるのは嬉しいが、顔が引きつっているぞ。
 俺は体を起こし、湯飲みに口をつける。
 ……苦っ!

「どうです? 疲れが吹き飛びました?」

 こ、この声は……。
 こんな意地の悪いことをするヤツは一人しかいない。
 朝乃宮だ。
 顔立ちは綺麗なのに、やることはえげつない……っと言うか、最近はやることが小さい。ちょっとした意地悪をしてくる。
 まあ、笑って許せる小さな事なのだが。

「……上春。このお茶が苦いって知ってて、出したな?」
「ひゅーひゅーひゅー」

 コイツ、笑顔で俺を嵌めるとか、遠慮がなくなってきたな。いや、上春も菜乃花のことでストレスを感じていたのだろう。
 けどな……。

「ぎゃああああああああああああああああ!」
「お仕置きだ」

 俺のことを兄だと思っているのなら、少しは助けろ、バカ者が。
 五秒ほどアイアンクローをした後、離してやった。上春は涙目で文句を言ってきたが、もちろん無視だ。
 俺は茶を一気に飲み干した。

「ごちそうさん。上春、荷物を自分の部屋に戻しておけよ。やっと、部屋に戻れる」
「……お疲れ様です、兄さん。私もやっと一人部屋に戻れます。けど、強と別れるとなると、少し寂しいです」

 コイツ、凄いな。
 前々から思っていたのだが、恥ずかしいとかそういうこと、考えないのか?
 いくら一緒に住んでいるからといって、血は繋がっていないんだぞ? 異性と一緒で何も感じないのか?
 相手は強だし、そこらへんは問題ないとは思うが、少しは慎めよ。でも、気にしていないのなら……。

「だったら、ずっと強と一緒にいるか? 俺は一人部屋でも構わないんだが」
「いえ、一人部屋がいいです」

 コイツ、即答しやがった。
 強が聞いたら悲しむぞ。俺も朝乃宮も苦笑してしまう。

「あっ、言い忘れてましたけど、ウチもこの家にお世話になります。よろしゅうお願いします」

 マジかよ。本格的に参戦するワケか。集合体アグリゲーションに。
 歓迎してやるよ。
 俺と朝乃宮はお互い笑顔で睨み合う。

「よろしくな、朝乃宮。この家に住む以上、ちゃんとルールには従ってもらうからな。それより、部屋、どうする? 部屋に余りがないから……そうだ。上春の部屋、一人だよな? だったら、悪いが二人でルームシェアしてくれ」
「よろしゅう、咲」
「わ、わ~い。嬉しいな~」
「「……」」

 お、おい、コイツ……顔が引きつってるぞ。あからさまに顔に出てやがる。
 見ろ、朝乃宮がジョボーンとした顔になってる。溺愛している相手に袖にされたのだから仕方ないか。

「……なら、さっさと始めるか」
「えっ?」
「引っ越してくるんだろ? 手伝ってやる」

 朝乃宮は目を丸くしているが、当然だろ? どれだけ荷物があるのかは知らんが、男手は必要だろうが。
 とっとと終わらせて、冬休み最後の日はのんびりとさせていただこう。

「期待させていただきます」

 朝乃宮に笑顔でお礼を言われ、俺はたいしたことないと手をヒラヒラとする。
 義信さんに声を掛けて、車も出してもらうか。女性の荷物は多そうだし。

「荷物はそんなに多くありません。必要最低限の物だけお願いします。時々はマンションの手入れをせなあきませんし」
「そっか……」

 ふと、朝乃宮はきっと、親には内緒でウチに来るのではないかと思った。フツウならありえないが、朝乃宮の家は特殊だ。
 厄介なことになりそうだとは思いつつ、これ以上厄介ごとが増えてもそう変わらないなと思った。



「「「いただきます」」」

 冬休み最後の夜。
 俺達は何ら変わらずテーブルを囲んで、晩ご飯をいただく。
 並びは義信さんを時計回りに、楓さん、女、朝乃宮、上春、信吾さん、強、俺の順に並んでいる。
 俺は目をこすり、小さくあくびをした。

 昨日は朝乃宮の引っ越しのための作業で一日が潰れ、今日は丸一日、体を休めた。
 年末から昨日まで、毎日何かしらの出来事があったから、疲れていたんだな。起きたのが午後四時だった。

 昨日は零時に寝たので、十六時間寝たことになる。よくもまあ、それだけ眠れたと、我ながら感心しつつ、今日の夜、眠れるのかと心配になる。
 運が悪い事に明日は学校だ。寝坊は出来ない。
 少しだるいし、ベットで横になっていれば眠れるだろう。

 俺はあくびを噛みしめつつ、味噌汁をすすった。
 ん? この味は……。

「楓さん、味噌汁の味噌、変えました?」
「分かります? いつもと違う味噌なので、お口にあうか不安でしたけど」
「いえ、美味しいですよ。味噌汁なのに甘みを感じて違和感を覚えますが、これはこれで美味しいです」

 具は里芋とネギだけだが、それは味噌本来の味を邪魔しないためのものと考えられる。甘いんだけど、ほんのり甘いっていうか、クドくない。
 口当たりがよく、体がじんわりと暖まる。疲れが和らぐな。
 こういうのっていいよな。調味料で彩られた味ではなく、素材そのものの味を引き出し、体に優しい作りだ。
 その人の性格が、楓さんの優しさが伝わってくる。
 味噌の色からして、白味噌か?
 本当に珍しい。白味噌って確か、関西……。

「……」

 俺は朝乃宮の方を見た。
 朝乃宮はすました顔をしている。いや、頬がかすかに緩んでいる。
 俺は茶碗の持つ手が震えた。
 しまった! これは罠か!

 この味噌汁は楓さんが作ったわけではない。これは、朝乃宮が作ったんだ! あのすました顔が証拠だ!
 朝乃宮の実家は関西の京都だ。そして、京都には白味噌、もしくは西京味噌が有名だ。きっと、お土産に買ってきたのだろう。
 楓さんの料理の腕はたしかだが、白味噌をいきなり、ここまで調理できるとは思えない。

 きっと、この味は何度も白味噌を調理して、作り上げた味だ。
 俺は一年程度しか、料理を学んでいない。しかし、朝乃宮はどうだ? きっと、幼い頃からしつけとして仕込まれてきたのだろう。
 俺はこの家で二番目に料理が美味いと自負している。一番はもちろん、楓さんだ。だが、二番目は譲れない。
 女との一騎打ちだと思っていたが、ここで伏兵、いや、ダークホースが現れた。
 朝乃宮だ。

 コイツ、俺が密かに藤堂家で二番目のシェフを狙っていることに気づき、仕掛けて来やがった。
 朝乃宮は今日の晩ご飯、白味噌とブリの西京焼き、小松菜、白菜といった冬野菜を使ったしょうが味噌炒め。
 旬の食材を使った料理と白味噌で宣戦布告し、参戦してきたのだ。
 散々、俺の料理をコケ下ろしてくれたからな、コイツは。今度は実力で俺の料理に挑んできたわけか。

 朝乃宮は一瞬だけ、俺と目を合わせた。
 そのしたり顔がムカつくが、上等だ、勝負してやる!
 とりあえず、敵情視察ってことで料理を味わうか。見た目からして綺麗に整っていて、目の保養にもなる。
 シンプルな料理だが、だからこそ、素材の味で勝負しているのだろうな。

「やった! 今日は千春ちゃんの手料理だね! 美味しいんだよね、千春ちゃんの料理」

 コイツ、裏切ったな……。
 俺は大喜びしている信吾さんを睨みつける。明日から信吾さんの料理は料理の量を少なくしてやる。
 けど、そうなると、俺が不利だな。

 上春家は朝乃宮の料理を食べ慣れているし、上春達は関西の出身だ。朝乃宮の作る料理の方が馴染みがあるだろう。
 ……コイツらの好物を連続で作ろうかな。
 信吾さんは嬉しそうにご飯を……。

「おい、待て」
「ん? 何? 正道君」
「……何をしているんだ?」
「何って、見て分からない?」

 いや、分かるが理解できないのだ。
 信吾さんはご飯にまず、ブリをのせた。そして、その上に味噌汁をぶっかけた。そこまではいい。
 味噌汁かけご飯は賛否両論はあるとはいえ、信吾さんのやっていることは鮭茶漬け……ではなく、ブリ味噌漬けだ。

 だが、しかし……醤油はないだろ?
 そんなにドボドボ入れたら、繊細な味付けが醤油漬けになるだろうが! せっかくの味がおかしくなるだろうが!
 しかも、その上から冬野菜を入れて、箸でグルグル回している。目茶苦茶だ。

「うん、美味しい! 流石は千春ちゃんの料理! 美味しいよ!」

 いや、それはお前のオリジナルだろうが! この料理の一つひとつに工夫と仕込みがあるんだぞ。それを全て台無しにするなんて……。
 強も信吾さんを真似てか、味噌汁かけご飯にしている。流石に醤油やブリを入れてはいなかったが。

「もう、お父さん! 恥ずかしいからやめてください! せっかくの料理が台無しです!」

 おおっ! いいぞ、上春。もっと言ってやれ!

「いいじゃん。ご飯なんて好きに食べたら。ですよね、お義父さん」
「……まあ、そうだな」

 おおっ、かなり微妙な顔をしているが、義信さんは怒らなかったな。楓さんは少し悲しげな顔をしているが。

「それならいいんですけど……あっ、兄さん。私、兄さんの料理の方が好きですから。味付けが少し濃いめの方が美味しいですし」

 うん、上春、ありがとうな。
 けどな、上春。朝乃宮、すました顔をしているが、小刻みに震えてるぞ。
 薄味、いいじゃないか。美味しいんだぞ、凄く美味しいんだぞ。

「……流石は朝乃宮だな。このブリ、美味しいぞ」
「……おおきに」

 なんだろう……すごく気まずい。ごめんな、朝乃宮。投げやりな返事が哀愁を漂わせている。
 いや、俺は悪くないんだが、朝乃宮も大変だな。俺は分かっているからな。
 味噌炒めに箸をつけようとしたとき。

 ガシャン!

 甲高い窓ガラスの割れる音が食卓に飛び込んできた。ここにいる全員が黙り込む。
 なんだ?

「ちょっと、何の音?」
「立ち上がるな。俺が見に行く」

 女が立ち上がろうとしたので、俺がそれを制し、様子を見に行く。万が一も考えられるからな。
 俺と義信さん、信吾さんは音がしたところ、台所へ向かう。
 大きな音がしたので、シュナイダーがワンワンと吼えまくっている。
 台所へ行くと、窓が割れていた。地面にはボールが転がっている。
 ボールが窓に当たって割れたのか?
 幸い、被害は窓だけだが、一つだけ分かっていることがある。
 これは悪意の行為だ。誰かがわざと、ぶつけたのだ。

「えっ? なにこれ? ボール? こんな時間帯に飛んでくるの?」

 そんなわけないだろ、信吾さん。
 これは……。

「悪戯ですかね?」
「……なんとも言えんが、故意であることは間違いない。私は警察に電話する。何も触らず、そのままにしておいてくれ」

 義信さんは携帯で電話している。
 はぁ……晩ご飯の片付けとかどうすればいいのやら。
 この冬時にガラスを割るとか、嫌がらせにも程がある。しかも、俺達が口にする料理を作る場所を狙いやがって……。

「……」
「強?」

 いつの間にか、強が俺達の後ろに立っていた。強は俺の持っているボールを睨んでいる。
 睨んでいる? もしかして、怒っているのか?

「……許せない」

 珍しく、強が怒っている。
 強が怒るなんて二度目だな。一度目はシュナイダーを飼うかどうか家族会議をしたとき。
 そのときは、強の本心を引き出すため、わざと怒らせた。
 それ以降、強は怒ることがなかったのだが、今は一度目以上に怒っている、激怒しているといってもいい。
 もしかして、この悪戯をした犯人を知っているのか? それとも……。

 この事件は、俺と強を巻き込み、大事件になることを、俺はまだ想像すら出来なかった。
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