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二十五章

二十五話 ヒガンバナ -あきらめ- その三

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 お昼休み。
 風紀委員室に私と先輩、橘先輩の三人が集まっていた。集合した理由はもちろん、浪花先輩の処分と獅子王さん達の出し物が出場停止になったこと。
 私は朝の出来事を先輩と橘先輩に話した。二人なら絶対に協力してくれると思っていた。
 でも……。

「それじゃあ、仕方ないね。あきらめよう」

 橘先輩の言葉に、私は呆然ぼうぜんとしてしまう。信じられない。こんな暴挙を認めるの?
 私は先輩の方を見るけど、先輩は何も言ってくれない。

「どうしてですか! どうしてこんなこと、認めちゃうんですか! おかしいですよ!」
「……まあ、ちょっと厳しいと思うけど校則の範囲内だし、出し物がダメになっても二人の仲がダメになるわけないでしょ? それとも、劇をしなければ僕との勝負に勝つ自信がないの?」

 橘先輩との勝負。青島祭が終わるまでに、獅子王さんと古見君の仲が続くかどうか。続けば私の勝ち。続かなければ橘先輩の勝ち。
 この勝負に勝てば、風紀委員は獅子王さん達の同性愛に手を出さない、逆にうまくいくようサポートしてくれる。
 勝負に勝つことこそ、私の一番の目的。

 でも、私は二人に劇をさせてあげたい。劇の中くらい、みんなの前で堂々といちゃついてほしい。二人はずっと酷い目にあっていたから。
 少しくらいご褒美があってもいいじゃない。なのに、こんなことになるなんて。
 劇が出来なくても勝てる自信はある。だけど、それでも……。

「そんなことありません! けど!」

 だからって、こんなやり方を認めたくない! 納得いかない!
 橘先輩は席を立ちあがり、部屋を出ていこうとする。

「伊藤さん。今回は相手が悪い。もし、新見先生に逆らって、停学になったらどうするの? 親が悲しむでしょ? あんなにいい親御さん、心配かけたらダメでしょ」
「……」

 橘先輩はずるい! そんなことを言われたら何も言い返せないじゃない!
 橘先輩を止めることが出来ずに、そのまま見送ってしまった。

「伊藤……」
「先輩も同じ意見なんですか! こんなこと、許せないでしょ! いくら相手が先生だからって、納得いきませんよ! 先輩は納得できるんですか!」
「すまない、伊藤。今回は折れてくれないか?」

 私は言葉を失ってしまった。
 先輩が私に頭を下げている。しかも、腰を九十度曲げて深く頭を下げてきた。
 初めて見た。こんなに深く頭を下げる先輩を。

「り、理由を訊いてもいいですか?」

 先輩がなぜ、こんな横暴を許せるのか、どうしても知りたい。
 先輩は重々しく口を開ける。

「もうこれ以上、左近に負担をかけたくないからだ」
「橘先輩に負担? どういうことですか?」

 先輩は近くの椅子に椅子に座り込む。
 顔色が悪いけど、そんなに不味いことなのかな? 先輩の曇った表情に、不安になってしまう。

「伊藤、辛いことを思いださせて悪いが、強姦未遂事件の結末を知っているか?」
「? 知ってますよ。当事者ですし。先輩達が助けてくれたんですよね?」

 私は一度、強姦されそうになったことがある。
 この事件は今から少し前、風紀委員との対決の最中に起こった。
 主犯は女鹿君で、以前無理やり付き合うことになった男の子。プライドが高く、香水臭くて、暴力で訴えてくる怖い人。
 彼に恨みを買う理由になったのは、私が三股していたことが発覚したから。神に誓って言わせてもらうけど、私は告白された時、三人にOKの返事を出したことはない。
 告白はされたけど、返事をする前に付き合っていることにされてしまったから。
 断ろうとしても三人とも認めてくれず、逆に睨まれてしまい何も言えなくなった。
 そんな状況を助けてくれたのが橘先輩。これがきっかけで私は風紀委員に入ることになって、先輩と出会えたんだけど。

 女鹿君は私と無理やりヨリを戻そうと、女鹿君は廃工場に私を呼び出し、強姦しようとした。でも、古見君と獅子王さん、先輩達の助けがあって、未遂で終わった。
 あの後、女鹿君は警察に捕まり、退学。少年院送りは避けられないみたい。

 古見君の幼馴染の滝沢さんもこの事件に関わり、退学処分を受けた。
 彼女はただ古見君の事が好きで、男の獅子王さんに捕られたくなくて、事件を起こした側になってしまった。
 でも、退学はやり過ぎではと思っている。
 なんとも後味の悪い事件だった。

「そこではなくて、事件の事後処理の事だ。あの事件で古見君と獅子王先輩の同性愛が獅子王先輩の両親にバレて大問題になった。獅子王財閥はこの事件を同性愛を黙認した学園側の責任だと責め、獅子王先輩を学園から辞めさせることと莫大ばくだい賠償金ばいしょうきんを求めた。獅子王財閥は多額の寄付金を学園におさめていたから、学園は獅子王財閥の要求には逆らえなかった。だが、莫大な賠償金は学園では到底払えない。それをうまく解決する手助けをしたのが左近だ」

 私は思わず息をのむ。
 あの事件の事故処理がそんなに大変なことになっていたなんて、知らなかった。
 私は先輩との対決しか頭になくて、その裏で何が起こっているのか気付くことが出来なかった。
 それにしても、橘先輩はどうやって解決してみせたの? どうでもいいけど、先輩がバラしたんですよね?
 まあ、獅子王先輩が大けがして帰ってきたんだから、その原因を調べられたらどっちみち知られていたんですけどね。

「左近はあの事件の原因が同性愛の事ではなく、恋愛のもつれで起きた事件として発表するように学園に進言した。獅子王先輩が怪我したのは、伊藤を護ろうとして負った怪我にしたんだ」

 そっか。私が原因で起きた事件で、獅子王さんはたまたま巻き込まれた。事故だったということで対応したわけね。

「少し強引だったが、獅子王先輩がそれを認めてくれた為、事なきを得た。ただ、そうなったせいで、風紀委員の不祥事ふしょうじとなってしまった。左近はその責任から、今は先生方に強く意見が言えないんだ。先生方もそのことは重々承知してくれているが、体面上、左近を擁護ようごできない状態でいる。だから、俺達は今回の件に手出しできない」
「で、でも、それは私が原因だから橘先輩には関係ないんじゃあ……」
「それでも責任者は左近だ。左近は伊藤を護るために頑張ってくれたんだ。どうかアイツの行動を無駄にしないでくれ。頼む」
「……」

 そんなことを言われたら、何も言い返せないよ。
 私って本当に守られてばかり。いつになったら、誰かを護れるようになるの? 弱い自分に嫌気がさしてくる。
 そんな私を、先輩が頭を撫でてくれた。

「すまん、伊藤。それとあの事件が伊藤のせいになったことも、本当にすまない」
「……いいですよ。私のせいで獅子王さん達が救えたのなら」

 もうこれ以上、お互いに何も言えなかった。



 どうしよう……。
 獅子王さん達や馬淵先輩達に何て言おう。
 獅子王さん達は私が劇に巻き込んだ。馬淵先輩は好きな人の為に何かを始めようとした。でも、まだ何も始まっていない。成し遂げていない。
 だけど、私にはもう何もできない。橘先輩に迷惑をかけたくないし、先輩のお願いもこれ以上逆らいたくない。

 私にしては上出来ではないのかな? モブの私がここまで頑張ったんだ。もう、あきらめてもいいよね?
 劇は出来ないけど、勝負はまだ続いている。これから先、どうするのか獅子王さん達と話し合わないといけない。
 授業が終わり、私は先輩と待ち合わせ場所へいく。

 今朝の事があっても、出し物をするクラスは準備にあくせくと動いている。
 まるで、何事もなかったかのように。あんな理不尽なことがあったのに何も変わらない。これが学生の限界なの?

 悲しいけど、仕方ないよね。
 待ち合わせ場所にはすでに先輩が待ってくれていた。私は先輩と合流し、歩き出す。目的地は獅子王さん達が劇に練習をしている場所。
 先輩がついてきてくれるのは、私が言いだせない場合は先輩から言うと約束させられたから。劇はあきらめてくれと。
 獅子王さん達の事を想うのなら、嘘はやめて出来ることをやれと先輩に言われたから、同意したんだけど……私も思うんだけど……どうして……諦めきれない。

 私はいつからこんなに諦めが悪くなったの? 前は嫌なことがあったらすぐに逃げていたのに。
 嫌なことから逃げるのは当たり前の事だと思っていた。自分には出来ることと出来ないことがあって、出来ないことは避けるべきだと思っていた。

 なのに……。
 ああっ、私の事より、獅子王さん達の事を考えなきゃ。
 古見君からきっと獅子王さんに伝わっているよね。ショックを受けているのかな? それとも、激怒しているとか。
 園田先輩にも悪いことをしたよね。
 気持ちがどんどん沈んでいく。距離はどんどん近づいていく。
 いつもの練習場所に着くと、獅子王さん達は……。

「……黄泉の国の神と相談してきましょう。その間、けっして私を見ないでください」
「古見君! もうちょい感情をこめて! 声は出てるから!」
「はい!」

 練習してるよ! しかもみっちりと! 流石は獅子王さんだよね。学園の指示なんて全然気にしてない。
 私はつい笑ってしまう。先輩は顔をしかめているけど、可笑おかしくて笑っちゃうよね。

「よう、伊藤。何か用か?」
「ええっと、獅子王さん。出し物が出場停止になったことはご存知ですが?」
「ああっ、だからなんだ?」

 ですよね~。本当に気にしてなかったよ、この人は。

「それならどうして、劇の練習をしているのですか?」
「フン! 藤堂か。なぜ、練習しているかだと? 劇をやるからに決まっているだろ?」
「出場停止になったのに、どうやって劇をするつもりですか?」

 先輩の問いかけはごもっとも。何かアテがあるのかな?

「くだらないことを訊くな。俺様が劇をできるよう直談判じかだんぱんすればいい。それで解決だろ?」

 で、でたー! 俺様発言! こんなときだけど、期待してしまう。獅子王さんなら何かしてくれるんじゃないかって。

「……そうですか」
「何か文句あるのか?」
「いえ、ありません。邪魔をするつもりもないです。ただ、伊藤を巻き込むのはやめていただきたい」
「あん?」

 せ、先輩……。
 とめなきゃいけないのに、声が出ない。このまま先輩に、獅子王さんに任せていいの? 分からない……。

「風紀委員は今回の方針に従うつもりです。ですので、伊藤は獅子王先輩を手伝うことは出来ません」
「そっか……おい、ほのか」
「は、はい!」
「それでいいのか?」

 獅子王さんの問いに、私はあえぐことしかできない。獅子王さん達の力になりたい。
 でも、橘先輩や先輩に迷惑がかかる。どうしたらいいのか、分からない。

「……私が動くとみんなにご迷惑をおかけしますし、何かできるとも限りませんし」
「ほのか、もう一度だけいてやる。それでいいのか?」
「獅子王先輩!」

 先輩の声を無視して、再度獅子王さんは私に問いかけてくる。

「藤堂は黙ってろ。俺様はほのかと話してるんだ。おい、ほのか。お前いつから出来ることしかやらないヤツになっちまったんだ? 不可能だって思ったことも全力でぶつかってきただろ? それはなぜだ? そもそも、お前は誰かの為に動いているのか?」

 誰の為? そんなのみんなの為に決まっている。みんなが幸せになれば……いや、そんなことは不可能だって知っているじゃない。
 それでも、誰かの悲しむ顔を見たくない。いつも、私は助けられてきた。
 そんな人間が誰かを助けたいなんて、身の丈に合わない願いなのかもしれない。

 でも、それでも、私は誰かに手を差し伸ばすことができるのであれば、その機会が許されるのであれば、差し伸ばしたい。
 その手を握っても、助けることができないのかもしれない。それでも、結果も出ていないのに、やるまえから諦めることをしたくない。
 私が辛かったとき、差し伸べてくれた手がどれだけあたたかったか、嬉しかったか、知っている。
 手を差し伸べてくれた先輩を私は好きになった。
 だから、だから、私は……。

「……そんなの決まっています。私を信じてくれた人の為に、好きな人の為に、つぐないをしなきゃいけない人の為に……みんなの為に動きたい……」

 これが私の願い。無理だって分かっていても、それでも、みんなが幸せになってほしいと思っている。
 みんなが無理だったとしても、それでも、みんなと幸せになりたい。一人でも多くの人が幸せになればいいと願っている。

 それは悪いことなの? 偽善なの? 違う、そんなはずない。
 偽善だとしても、誰か一人でも幸せになれれば、きっとそれは善になるはず。
 きっと、何かあるはず。それを信じて動いてきた。なら……。
 私は獅子王さんの目を真っ直ぐと見つめる。

傲慢ごうまんだな。お前みたいな泣き虫が出来ると思っているのか?」
「分かりません。ですが……」

 私は一息ついて、答えた。

「このまま諦めるなんて、納得いきませんので」

 獅子王さんはにやっと笑ってくれた。隣に居る藤堂先輩は黙ったまま、立ち尽くしている。
 そう、これが答え。私の本心。

「で、どうするんだ? 俺様が片を付けていいのか?」
「それは……」

 答えが分からない。みんなの為に頑張る。その中に獅子王さん達が含まれている。もちろん、先輩と橘先輩も入っている。
 何て答えたらいいの? 獅子王さん達の為に頑張りたい。でも、橘先輩の頑張りを無駄にしたくない。やりたいことは分かっているのに、方法が思いつかない。

 獅子王さんに任せたら、きっと劇はまたやれる。でも、それ以外は出場停止のまま。浪花先輩の停学も撤回てっかいできない。
 獅子王さんは、自分の幸せは自分の手で勝ち取るべきと意見するはず。だったら……だったら……。
 声がのど元まで来るけど、そこからはきだせない。私一人の判断で多くの人に迷惑をかけてしまう。勇気が出せない。

「……わた……しは……わ……た……しは」
「すみません、獅子王先輩。その答え、待ってもらえませんか? 考えをまとめる時間を伊藤に与えてください」

 先輩?
 私の言葉を遮るように先輩が口をはさみ、割って入ってきた。獅子王さんと先輩が睨みあっている。私はハラハラとしながら、二人を見ることしかできなかった。
 その沈黙を破ったのは獅子王さん。

「一日やる。それ以上は待てねえからな」
「ありがとうございます」

 獅子王さんは練習に戻っていった。古見君も園田先輩も練習を続けたまま、こっちを見ようともしない。劇ができると信じて頑張っている。
 私も頑張りたい。応援したい。でも……。

「伊藤、どうするつもりだ? 何もしないと決めてくれたのではなかったのか?」

 先輩の苦々しい声に、私は何も言えなかった。
 獅子王さんにあんなことを言ったのに、先輩に嫌われてしまうことが怖くて、ちぢこまることしかできなかった。本当に情けない。

「今日はもう見回りはやめておこう。ここで解散だ」
「先輩!」

 私はつい先輩を呼び止めてしまった。やっと仲直り出来たのに、また別れてしまうのはイヤ。見捨てないで、先輩……。
 不安で足が震えてしまう。
 先輩は、手を私に差し伸ばしてきた。

 えっ? 何?
 私は硬直して動けない。先輩の手は私の頭ではなく、顔でもなく、頬に触れようとして、止まった。触れていないけど、頬に手の熱を感じる。私は緊張のあまり、頬を赤くしてじっとしている。
 どきどきが止まらない。

「……すまない。伊藤の気持ちを考えずに、早急で強引だったな。俺の意見を押し付けて悪かった。今日一日じっくりと考えてくれ」

 先輩……私の事、気遣ってくれたんだ。獅子王さんにああ言ったのも、私が迷っていたから。
 それを先輩は理解してくれていた。だから、チャンスを与えてくれた。
 それが嬉しい。頬に涙が伝っていく。先輩は私の涙をハンカチでそっとふいてくれた。
 胸の奥がいたい……私は、こんなにも気遣ってくれる先輩を裏切っていいの? 分からない……分からないよ……。
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