255 / 523
二十一章
二十一話 ハイビスカス -新しい恋- その二
しおりを挟む
先輩の隠し事ってなんなの……。
そのことが気になって、午後の授業は何も手がつかなかった。ちなみに私と先輩、馬淵先輩が取り残された後、風紀委員の仕事があったと、わざとらしく口にして先輩の手を引っ張ってその場から離れた。
馬淵先輩が先輩にあまりいい印象を持っていない以上、先輩と馬淵先輩を二人きりにするのはよくないと思ったから。
適当な理由をつけて先輩と別れ、こうして授業を受けているんだけど、全然ダメ。先輩の隠し事が頭から離れない。
秘密にしていることって獅子王さんの事かな? それとも風紀委員の事? 獅子王さんとのことなら今、橘先輩と勝負しているけど、そのこと? 何か橘先輩が仕掛けてきたとか?
それしか思いつかない。もしそうなら、どんな手で仕掛けてくるの。きっと、先輩は問い詰めても教えてはくれないよね。義理堅いし。
ああ、問題が山積み~。っていうか増えていくよ~。先輩の隠し事、知りたいよ~。
「ほのほの、どうしたの?」
「なんでもない」
私はるりかの方を見ずに返事をする。ああ、もう何もしたくない。
「そう。お客さん来ているけど」
「いないって言って」
「なに嘘ついてるのよ」
「げっ!」
み、美月さん?
ヒューズのメンバーの一人である美月さんが私のすぐ横に立っていた。
な、なんでここにいるの?
「もう放課後だし」
明日香に指摘され、私は時計を確認する。全然気づかなかった。
早く風紀委員のお仕事にいかなきゃ。今日も一日、頑張るぞ!
「なに素通りしようとしているのよ」
「ですよね」
今日は凶だよね。どんどん嫌なことが襲ってくる。
ううっ、また文句言われるのかな? 前の続きかな? 胃が痛い。
上目遣いで美月さんの表情を確認してみると、何か難しい顔をしている。どうしたの? 美月さんははっきりと物申す人だと思ったのに。
「ちょっと聞きたいことがあるの。いい?」
「なんでしょう?」
「その……ええっと」
はっきり言ってよ! 焦らすのは恋愛だけにしてほしい。待たされるのって結構辛い。
お互い気まずい雰囲気で黙っていると、明日香が声をかけてきた。
「ほのか、お客さんだし」
次は誰? 不安で息が苦しくなる。
教室のドアにいるのは……って、馬淵先輩? 最悪! お昼の事もあるから会いづらかったのに……。
厄日だ。仏滅だ。凶日だ。
とりあえず、ここは……。
「いないって言って」
「私はほのかのかーちゃんじゃないし。さっさといけ」
「いや、今はちょっと……」
「はあ……藤堂先輩の事といい、馬淵先輩の事といい、最近、男の事で悩み過ぎだし」
好きで悩んでいるわけじゃない。それに誤解をあたえるようなこと言わないで! 私は先輩一筋なの!
ぞくっ!
寒気がした。振り返ると……美月さんが思いっきり私を睨んでいるよ!
もしかして、怒ってる?
「み、美月さん?」
「ちょっと付き合いなさい」
美月さんがいきなり私の手を掴み、引っ張っていく。
何が何だか分からない。どうして、怒ってるの? どこに連れていく気なの?
強い力で引っ張られるから転びそうになる。
あっ!
つまづいてころびそうになったとき、誰かが私の腕を掴んでくれた。馬淵先輩だ。でも、どうして馬淵先輩は驚いた顔をしているの?
状況が理解できない。
美月さんが鋭い目つきで馬淵先輩を睨んでいる。
「ちょっと、アンタ! その手を離しなさい!」
「……キミは伊藤さんをどうする気なの?」
「うるさい! 今更何様なの? いい加減にしなさいよ。アンタ、本気で人を憎んだことないでしょ? だから八方美人でいられるのよ。私は甘くないから」
馬淵先輩は慌てて私の手を離す。
は、離さないでよ、馬淵先輩! ショックを受けたような顔をしているけど、女の子に怒鳴られたのがそんなにキツかったのかな?
イケメンだし、優しいし、怒鳴られたことないんだろうな。
そう思いつつ、私は美月さんに手を引っ張られ、教室を出た。
美月さんに強引に連れてこられたのは運動場だった。もう訳が分からない。いい加減、誰が教えてほしい。
美月さんはなぜ、こんなところに連れてきたのか?
美月さんはどうして、こんなに怒っているのか?
馬淵先輩と浪花先輩は何を話していたのか?
馬淵先輩から感じる違和感とは何か?
先輩が私に隠し事している事とは何か?
どうしたら……先輩と恋人になれるの……。
やっぱり、あきらめることができない。でも、先輩は私の事を相棒としか、後輩としか見てくれない。
先輩はどうしたら、私の事を恋人とみてくれるの? 報われないのなら、早く諦めるしかないの?
もう、失恋するしかないの? そんなのイヤ……あきらめきれない気持ちが私を締め付ける。
ずっとずっと、まるで影のようにつきまとう。逃げることもできない。辛い……お腹が痛いし、頭痛もする。
痛みから逃れたくて、先輩を好きになったことを後悔してしまう自分が嫌になる。いっそうのこと、すべてを忘れてしまいたいって思ってしまうこともある。
新しい恋をみつけて、その人とデートして、キスして……キラキラな学園生活を送りたい……そんなことができればどれだけ楽になれるか。
どうしたらいいの? 教えてよ、先輩……。
「ほら、あそこを見なさいよ」
美月さんの声に我に返る。美月さんの指差した方向には……。
「くるみ?」
ハーレム騒動で知り合った友達のくるみがそこにいた。
くるみはハーレム男、押水先輩を好きだった女の子の一人。確か、今は他校のテニス部の男の子の追っかけをしていたはず。
くるみの視線をたどると、そこには意外な人物がいた。
二上先輩がサッカーのユニフォームを着て、部員に指示を出している。
クールで知的なイケメンに、くるみ以外の女の子達も夢中になっているみたい。ときどき、二上先輩を呼ぶ黄色い声がとんでいる。
くるみは静かに二上先輩を見つめていた。
「くるみの事、知ってるんだ?」
美月さんの問いに私は頷く。
押水先輩の情報を集める為、くるみに近づいたんだけど、一時仲たがいしていた。原因は風紀委員が押水先輩に対立したから。
今はちょくちょくメールしている仲にもどっている。
私は少し安堵しつつ、くるみのことを話す。
「今度のお相手は二上先輩か……くるみも恋多き乙女ですね」
「恋多き乙女?」
「だって前は他校の生徒をおっかけしていたのに、今は違う男の子を好きになっているんだもん」
「……」
美月さんは何も言わない。私はそのまま話を続ける。
「それにしても二上先輩、モテモテで羨ましいです。私的には優しくて気遣いのできる男の子がいいんですけど」
「……なれてないわよ」
「えっ?」
「好きになれていないって言ってるの!」
好きになれていない? 美月さんの指摘に眉をひそめてしまう。
くるみとは恋の悩みをメールやおしゃべりで話したことがある。くるみが恋をしていることは確実。ということは、美月さんの勘違い?
「それは美月さんの勘違いではないですか? 今だって二上先輩の事、好きになっているんでしょ?」
「あんた、勘違いしてるわよ。くるみの恋は報われることのない恋なのよ」
報われることのない恋? 何を言っているの? それって相手が高嶺の花ってことを言っているの?
確かに伊集院様といい二上先輩といい、競争相手は多いけど、報われないって決めつけるのはひどくない?
そう思っていると、美月さんがこれ見よがしにため息をついた。その態度にむっとしてしまう。
「何が言いたいんですか? どうして、くるみの恋は報われないって思うんですか?」
「そんな恋をくるみは選んでいるのよ」
美月さんはまたため息をつく。それは人をバカにしたため息ではなく、疲れきったようなため息だった。
その何かを諦めたような悲壮な顔に、私は戸惑ってしまう。
「くるみはね、諦めているの。自分の恋が叶わないって。だから、絶対に報われない人を好きになっているの」
「それって何か意味があるんですか?」
報われない恋をしたって辛いだけじゃない。失恋した痛みは身をもって知っている。
どうして、くるみはそんなことをしているの?
「意味なんてないわよ。失恋はくるみが思っていた以上のものだった。その痛みがトラウマになって、わざと失恋するような恋をしているの。本気で恋して傷つかないように……くるみはね、壊れちゃたのよ。一度の失恋でね」
「そんな……」
失恋ってそこまでのものなの? 恐怖で足が震えてしまう。そんなはずはない。
友達に失恋した人はいるけど、すぐに立ち直って、彼氏ができた。みんな言っていた。失恋したらさっさとその男の子と忘れて、新しい恋が始まるって。
これって、私のせいなの? 私が押水先輩から他の女の子達を引きはがしたからこんなことになっちゃったの? くるみを壊したのは私なの?
罪悪感で胃がむかむかする。気持ち悪い。めまいがする。
「これで少しは自分の罪に気付けた? 男の事で悩んでいるですって? いい気なものね」
「ち、ちが……」
「次いくわよ」
私の抗議を無視して、美月さんは歩き出す。正直、追いかけたくない。怖い。でも、これは私が、私達がしでかしたこと。だから、逃げるわけにはいかない気がする。
私は覚悟を決めて、美月さんを追いかけた。
そのことが気になって、午後の授業は何も手がつかなかった。ちなみに私と先輩、馬淵先輩が取り残された後、風紀委員の仕事があったと、わざとらしく口にして先輩の手を引っ張ってその場から離れた。
馬淵先輩が先輩にあまりいい印象を持っていない以上、先輩と馬淵先輩を二人きりにするのはよくないと思ったから。
適当な理由をつけて先輩と別れ、こうして授業を受けているんだけど、全然ダメ。先輩の隠し事が頭から離れない。
秘密にしていることって獅子王さんの事かな? それとも風紀委員の事? 獅子王さんとのことなら今、橘先輩と勝負しているけど、そのこと? 何か橘先輩が仕掛けてきたとか?
それしか思いつかない。もしそうなら、どんな手で仕掛けてくるの。きっと、先輩は問い詰めても教えてはくれないよね。義理堅いし。
ああ、問題が山積み~。っていうか増えていくよ~。先輩の隠し事、知りたいよ~。
「ほのほの、どうしたの?」
「なんでもない」
私はるりかの方を見ずに返事をする。ああ、もう何もしたくない。
「そう。お客さん来ているけど」
「いないって言って」
「なに嘘ついてるのよ」
「げっ!」
み、美月さん?
ヒューズのメンバーの一人である美月さんが私のすぐ横に立っていた。
な、なんでここにいるの?
「もう放課後だし」
明日香に指摘され、私は時計を確認する。全然気づかなかった。
早く風紀委員のお仕事にいかなきゃ。今日も一日、頑張るぞ!
「なに素通りしようとしているのよ」
「ですよね」
今日は凶だよね。どんどん嫌なことが襲ってくる。
ううっ、また文句言われるのかな? 前の続きかな? 胃が痛い。
上目遣いで美月さんの表情を確認してみると、何か難しい顔をしている。どうしたの? 美月さんははっきりと物申す人だと思ったのに。
「ちょっと聞きたいことがあるの。いい?」
「なんでしょう?」
「その……ええっと」
はっきり言ってよ! 焦らすのは恋愛だけにしてほしい。待たされるのって結構辛い。
お互い気まずい雰囲気で黙っていると、明日香が声をかけてきた。
「ほのか、お客さんだし」
次は誰? 不安で息が苦しくなる。
教室のドアにいるのは……って、馬淵先輩? 最悪! お昼の事もあるから会いづらかったのに……。
厄日だ。仏滅だ。凶日だ。
とりあえず、ここは……。
「いないって言って」
「私はほのかのかーちゃんじゃないし。さっさといけ」
「いや、今はちょっと……」
「はあ……藤堂先輩の事といい、馬淵先輩の事といい、最近、男の事で悩み過ぎだし」
好きで悩んでいるわけじゃない。それに誤解をあたえるようなこと言わないで! 私は先輩一筋なの!
ぞくっ!
寒気がした。振り返ると……美月さんが思いっきり私を睨んでいるよ!
もしかして、怒ってる?
「み、美月さん?」
「ちょっと付き合いなさい」
美月さんがいきなり私の手を掴み、引っ張っていく。
何が何だか分からない。どうして、怒ってるの? どこに連れていく気なの?
強い力で引っ張られるから転びそうになる。
あっ!
つまづいてころびそうになったとき、誰かが私の腕を掴んでくれた。馬淵先輩だ。でも、どうして馬淵先輩は驚いた顔をしているの?
状況が理解できない。
美月さんが鋭い目つきで馬淵先輩を睨んでいる。
「ちょっと、アンタ! その手を離しなさい!」
「……キミは伊藤さんをどうする気なの?」
「うるさい! 今更何様なの? いい加減にしなさいよ。アンタ、本気で人を憎んだことないでしょ? だから八方美人でいられるのよ。私は甘くないから」
馬淵先輩は慌てて私の手を離す。
は、離さないでよ、馬淵先輩! ショックを受けたような顔をしているけど、女の子に怒鳴られたのがそんなにキツかったのかな?
イケメンだし、優しいし、怒鳴られたことないんだろうな。
そう思いつつ、私は美月さんに手を引っ張られ、教室を出た。
美月さんに強引に連れてこられたのは運動場だった。もう訳が分からない。いい加減、誰が教えてほしい。
美月さんはなぜ、こんなところに連れてきたのか?
美月さんはどうして、こんなに怒っているのか?
馬淵先輩と浪花先輩は何を話していたのか?
馬淵先輩から感じる違和感とは何か?
先輩が私に隠し事している事とは何か?
どうしたら……先輩と恋人になれるの……。
やっぱり、あきらめることができない。でも、先輩は私の事を相棒としか、後輩としか見てくれない。
先輩はどうしたら、私の事を恋人とみてくれるの? 報われないのなら、早く諦めるしかないの?
もう、失恋するしかないの? そんなのイヤ……あきらめきれない気持ちが私を締め付ける。
ずっとずっと、まるで影のようにつきまとう。逃げることもできない。辛い……お腹が痛いし、頭痛もする。
痛みから逃れたくて、先輩を好きになったことを後悔してしまう自分が嫌になる。いっそうのこと、すべてを忘れてしまいたいって思ってしまうこともある。
新しい恋をみつけて、その人とデートして、キスして……キラキラな学園生活を送りたい……そんなことができればどれだけ楽になれるか。
どうしたらいいの? 教えてよ、先輩……。
「ほら、あそこを見なさいよ」
美月さんの声に我に返る。美月さんの指差した方向には……。
「くるみ?」
ハーレム騒動で知り合った友達のくるみがそこにいた。
くるみはハーレム男、押水先輩を好きだった女の子の一人。確か、今は他校のテニス部の男の子の追っかけをしていたはず。
くるみの視線をたどると、そこには意外な人物がいた。
二上先輩がサッカーのユニフォームを着て、部員に指示を出している。
クールで知的なイケメンに、くるみ以外の女の子達も夢中になっているみたい。ときどき、二上先輩を呼ぶ黄色い声がとんでいる。
くるみは静かに二上先輩を見つめていた。
「くるみの事、知ってるんだ?」
美月さんの問いに私は頷く。
押水先輩の情報を集める為、くるみに近づいたんだけど、一時仲たがいしていた。原因は風紀委員が押水先輩に対立したから。
今はちょくちょくメールしている仲にもどっている。
私は少し安堵しつつ、くるみのことを話す。
「今度のお相手は二上先輩か……くるみも恋多き乙女ですね」
「恋多き乙女?」
「だって前は他校の生徒をおっかけしていたのに、今は違う男の子を好きになっているんだもん」
「……」
美月さんは何も言わない。私はそのまま話を続ける。
「それにしても二上先輩、モテモテで羨ましいです。私的には優しくて気遣いのできる男の子がいいんですけど」
「……なれてないわよ」
「えっ?」
「好きになれていないって言ってるの!」
好きになれていない? 美月さんの指摘に眉をひそめてしまう。
くるみとは恋の悩みをメールやおしゃべりで話したことがある。くるみが恋をしていることは確実。ということは、美月さんの勘違い?
「それは美月さんの勘違いではないですか? 今だって二上先輩の事、好きになっているんでしょ?」
「あんた、勘違いしてるわよ。くるみの恋は報われることのない恋なのよ」
報われることのない恋? 何を言っているの? それって相手が高嶺の花ってことを言っているの?
確かに伊集院様といい二上先輩といい、競争相手は多いけど、報われないって決めつけるのはひどくない?
そう思っていると、美月さんがこれ見よがしにため息をついた。その態度にむっとしてしまう。
「何が言いたいんですか? どうして、くるみの恋は報われないって思うんですか?」
「そんな恋をくるみは選んでいるのよ」
美月さんはまたため息をつく。それは人をバカにしたため息ではなく、疲れきったようなため息だった。
その何かを諦めたような悲壮な顔に、私は戸惑ってしまう。
「くるみはね、諦めているの。自分の恋が叶わないって。だから、絶対に報われない人を好きになっているの」
「それって何か意味があるんですか?」
報われない恋をしたって辛いだけじゃない。失恋した痛みは身をもって知っている。
どうして、くるみはそんなことをしているの?
「意味なんてないわよ。失恋はくるみが思っていた以上のものだった。その痛みがトラウマになって、わざと失恋するような恋をしているの。本気で恋して傷つかないように……くるみはね、壊れちゃたのよ。一度の失恋でね」
「そんな……」
失恋ってそこまでのものなの? 恐怖で足が震えてしまう。そんなはずはない。
友達に失恋した人はいるけど、すぐに立ち直って、彼氏ができた。みんな言っていた。失恋したらさっさとその男の子と忘れて、新しい恋が始まるって。
これって、私のせいなの? 私が押水先輩から他の女の子達を引きはがしたからこんなことになっちゃったの? くるみを壊したのは私なの?
罪悪感で胃がむかむかする。気持ち悪い。めまいがする。
「これで少しは自分の罪に気付けた? 男の事で悩んでいるですって? いい気なものね」
「ち、ちが……」
「次いくわよ」
私の抗議を無視して、美月さんは歩き出す。正直、追いかけたくない。怖い。でも、これは私が、私達がしでかしたこと。だから、逃げるわけにはいかない気がする。
私は覚悟を決めて、美月さんを追いかけた。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
浮気性の旦那から離婚届が届きました。お礼に感謝状を送りつけます。
京月
恋愛
旦那は騎士団長という素晴らしい役職についているが人としては最悪の男だった。妻のローゼは日々の旦那への不満が爆発し旦那を家から追い出したところ数日後に離婚届が届いた。
「今の住所が書いてある…フフフ、感謝状を書くべきね」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる