250 / 523
二十章
二十話 サボテン -燃える心- その四
しおりを挟む
「はあ……」
頬杖をついて出てくるのはため息ばかり……。
昨日の事を考えていると、もう放課後になってしまった。
ゴールデン青島賞、浪花先輩の告白の事もあるけど、やっぱり気になるのは馬淵先輩の事。
馬淵先輩と先輩の関係って? 馬淵先輩の先輩を見る目は、すごく怖くて恐ろしいものだった。
さぐりを入れてみたけど、馬淵先輩の噂は大体が同じ。成績優秀、容姿端麗、誰にでも優しく、笑顔で爽やかな人。
先輩も成績優秀、容姿は強面だけど体格はいい。真面目で融通が利かないから友達が少ない。
社交的な馬淵先輩と真面目で頑固な先輩。
そんな対極的な二人の接点がさっぱり分からない。分からない……分からないよ~気になるよ~。
「ほのほの、どうかしたの?」
「……みんな仲良くが一番だって思って」
るりかの問いに私はため息をつきながら答えた。
みんなと仲良くする。それは群れてなければ何もできない、一人では何もできない、個性がないと言う人はいるけど、私は群れるのはそんなに悪くはないと思う。
確かに煩わしいところはあるけど、どんなことにもメリット、デメリットはある。
群れることのメリットとしては、いいこと、悪いことを共感できること。
それに一人ではできないことも二人ならできることもある。逆もあるんだけど、それでも、仲良くは大切だと思う。
いじめがきっかけでみんなと広く浅く仲良くなったけど、作り笑いを浮かべていたけど、それでも、無駄だったとは思っていない。
色んな人と知り合えるのは嬉しいし、噂話を共有するのは楽しい。
それに、獅子王さんの事でいろんな人たちに助けてもらった。だから、人とのつながりはとても大切なんだって痛感している。
苦しい時にだけ助けてもらおうだなんて、それは友達以前の問題で、普段からのやりとりや小さな助け合いが、きっと大切なんだって思うようになった。
先輩の事を意識し始めたあの雨の日、先輩に人付き合いについて悩みを告白したけど、今はそこまで苦じゃない。
むしろ、楽しくなってきた。仲間、ズッ友、どんとこい。
馬淵先輩と先輩の間に何があるのか分からないけど、争うようなことはしてほしくない。
「何? また風紀委員ともめてるし?」
「違うよ。実はね……」
私は明日香とるりかに話した。馬淵先輩達と先輩のことは告げずに、私の知り合いがという話で聞いてもらった。
私の知り合いAさん(獅子王さん)がゴールデン青島賞を狙っていること。
Aさんを応援したいんだけど、また違う知り合いBさん(馬淵先輩)がゴールデン青島賞を狙っていて、私に協力を求めてきたこと。
AさんとBさんで板ばさみになっていて困っていること。
Bさんが私と一番仲のいい人Cさん(先輩)をよく思っていなくて、なぜかを知りたいこと。
話し終えると、明日香達は同じくため息をついた。
「ほのか、いい加減にするし。古見君達のことがあるんだから、放っておくし。みんな仲良くは無理だし」
「私もそう思う。あまり人様の事情に首を突っ込むのはやめたほうがいいよ。今は古見君達のことだけを考えた方がいい」
「そうだよね」
私は机にうつぶせになる。獅子王さんの事は相談に乗ってもらっているからバレてるけど、馬淵先輩の事はバレてないよね?
やっぱり、みんな仲良くは無理だよね。でも、あの馬淵先輩の目、とても気になる。
あの怨念と言ってもいいくらいの鋭い目つきが忘れられない。
「でも、獅子王さんも大胆だし。今回はゴールデン青島賞を狙っている部は多いし。部やクラスだって頑張ってるし」
「……なんで?」
るりかが私の机に座り、説明してくれる。
「運動部系は余所との交流試合を兼ねてるから。本土のヤツらには負けられないって」
「……バカらしい。島人の劣等感じゃない」
青島は小さな島で、そこに住んでいる人、産まれた人のことを島人と呼ばれている。
本土はそのままの意味で、島から来た人、日本列島に住んでいる人たちの事。
青島って田舎だし、本土の人から見たら田舎者って思われていると島人は思い込んでいる。
そのへんの事情から、本土の人間には負けられないって風潮があるみたい。
私は島人だけど、そんなふうには思っていない。だから、理解できない。
「文化部は見せ場だからね。それが賞として結果が残せる以上、張り切りもするわよ」
「……それは理解できる」
「それと予算もあるからね」
「……世知辛いよね」
結局はお金なの? 全然高校生らしくない! お金よりも大切なことってあるでしょ? もっと、青春しようよ……。
はあ……やる気が売り切れるよ、まったく。
「たかが十万で、なんでそこまでやるのかな」
十万は確かに大きいけど、あそこまでやる気を見せられるとドン引きしちゃう。特に家庭科部と文芸部! まあ、他にもありそうだけど。
「あれ? ほのほの、知らないの? 特別予算は十万じゃないわよ」
「えっ? そうだっけ?」
やっぱり、違うのか……大体、特別予算が十万円なんて高いと思ってたんだよね。せいぜい一、二万くらいだよね。
子供のお年玉かって言いたい。それなら尚更あそこまで頑張れるんだろう? マゾなの?
「じゃあ、いくらなの?」
「百万」
「……」
お、おかしいな……疲れているのかな? 今、幻聴が聞こえちゃったよ。
私はゆっくりと深呼吸をする。
ふう……落ち着いた。もう、大丈夫。
「ねえ、いくらだって?」
「百万」
……なんですと? 私の中で今、一瞬だけど時が止まった。百万……百万……百万!
「百万! 百万って百万円の事! 百万ドンじゃなくて!」
「ドンって何?」
「ベトナムのお金! それより、どういうこと! 桁が一つパワーアップしているじゃない!」
「く、苦しい……」
私はるりかの襟首をつかみ、左右前後に振り続ける。
どういうことなの! なんで百万なの! 何かのクイズ番組なの!
「ほのか、落ち着くし。創立三十周年ってことで百万らしいし」
「それなら三十万でしょ!」
何がどうしたら三十周年が百万になっちゃうの! いや、別にそんなことはどうでもいいんだけど!
問題は百万。確か、特別予算は使わなかったお金から出るはず。百万はありえない。どんな予算組みしてるの! おかしいでしょ!
「聞いた話だと、宝くじが当たったらしいし」
「た、宝くじ?」
私はるりかを放り投げ、明日香に詰め寄る。
「そう。特別予算をもらった部が備品を購入したんだけど、そのとき、オマケで宝くじをもらったし。その宝くじが見事、百万を当てたし。その金額をまるまる今年の特別予算枠に入れたって話だし」
「それ、本当なの!」
「間違いないし。でも、百万円がもらえるわけではないし。あくまで賞をとった部かクラスがそのお金を使って備品とかを買うためのお金……って、ほのか?」
頬杖をついて出てくるのはため息ばかり……。
昨日の事を考えていると、もう放課後になってしまった。
ゴールデン青島賞、浪花先輩の告白の事もあるけど、やっぱり気になるのは馬淵先輩の事。
馬淵先輩と先輩の関係って? 馬淵先輩の先輩を見る目は、すごく怖くて恐ろしいものだった。
さぐりを入れてみたけど、馬淵先輩の噂は大体が同じ。成績優秀、容姿端麗、誰にでも優しく、笑顔で爽やかな人。
先輩も成績優秀、容姿は強面だけど体格はいい。真面目で融通が利かないから友達が少ない。
社交的な馬淵先輩と真面目で頑固な先輩。
そんな対極的な二人の接点がさっぱり分からない。分からない……分からないよ~気になるよ~。
「ほのほの、どうかしたの?」
「……みんな仲良くが一番だって思って」
るりかの問いに私はため息をつきながら答えた。
みんなと仲良くする。それは群れてなければ何もできない、一人では何もできない、個性がないと言う人はいるけど、私は群れるのはそんなに悪くはないと思う。
確かに煩わしいところはあるけど、どんなことにもメリット、デメリットはある。
群れることのメリットとしては、いいこと、悪いことを共感できること。
それに一人ではできないことも二人ならできることもある。逆もあるんだけど、それでも、仲良くは大切だと思う。
いじめがきっかけでみんなと広く浅く仲良くなったけど、作り笑いを浮かべていたけど、それでも、無駄だったとは思っていない。
色んな人と知り合えるのは嬉しいし、噂話を共有するのは楽しい。
それに、獅子王さんの事でいろんな人たちに助けてもらった。だから、人とのつながりはとても大切なんだって痛感している。
苦しい時にだけ助けてもらおうだなんて、それは友達以前の問題で、普段からのやりとりや小さな助け合いが、きっと大切なんだって思うようになった。
先輩の事を意識し始めたあの雨の日、先輩に人付き合いについて悩みを告白したけど、今はそこまで苦じゃない。
むしろ、楽しくなってきた。仲間、ズッ友、どんとこい。
馬淵先輩と先輩の間に何があるのか分からないけど、争うようなことはしてほしくない。
「何? また風紀委員ともめてるし?」
「違うよ。実はね……」
私は明日香とるりかに話した。馬淵先輩達と先輩のことは告げずに、私の知り合いがという話で聞いてもらった。
私の知り合いAさん(獅子王さん)がゴールデン青島賞を狙っていること。
Aさんを応援したいんだけど、また違う知り合いBさん(馬淵先輩)がゴールデン青島賞を狙っていて、私に協力を求めてきたこと。
AさんとBさんで板ばさみになっていて困っていること。
Bさんが私と一番仲のいい人Cさん(先輩)をよく思っていなくて、なぜかを知りたいこと。
話し終えると、明日香達は同じくため息をついた。
「ほのか、いい加減にするし。古見君達のことがあるんだから、放っておくし。みんな仲良くは無理だし」
「私もそう思う。あまり人様の事情に首を突っ込むのはやめたほうがいいよ。今は古見君達のことだけを考えた方がいい」
「そうだよね」
私は机にうつぶせになる。獅子王さんの事は相談に乗ってもらっているからバレてるけど、馬淵先輩の事はバレてないよね?
やっぱり、みんな仲良くは無理だよね。でも、あの馬淵先輩の目、とても気になる。
あの怨念と言ってもいいくらいの鋭い目つきが忘れられない。
「でも、獅子王さんも大胆だし。今回はゴールデン青島賞を狙っている部は多いし。部やクラスだって頑張ってるし」
「……なんで?」
るりかが私の机に座り、説明してくれる。
「運動部系は余所との交流試合を兼ねてるから。本土のヤツらには負けられないって」
「……バカらしい。島人の劣等感じゃない」
青島は小さな島で、そこに住んでいる人、産まれた人のことを島人と呼ばれている。
本土はそのままの意味で、島から来た人、日本列島に住んでいる人たちの事。
青島って田舎だし、本土の人から見たら田舎者って思われていると島人は思い込んでいる。
そのへんの事情から、本土の人間には負けられないって風潮があるみたい。
私は島人だけど、そんなふうには思っていない。だから、理解できない。
「文化部は見せ場だからね。それが賞として結果が残せる以上、張り切りもするわよ」
「……それは理解できる」
「それと予算もあるからね」
「……世知辛いよね」
結局はお金なの? 全然高校生らしくない! お金よりも大切なことってあるでしょ? もっと、青春しようよ……。
はあ……やる気が売り切れるよ、まったく。
「たかが十万で、なんでそこまでやるのかな」
十万は確かに大きいけど、あそこまでやる気を見せられるとドン引きしちゃう。特に家庭科部と文芸部! まあ、他にもありそうだけど。
「あれ? ほのほの、知らないの? 特別予算は十万じゃないわよ」
「えっ? そうだっけ?」
やっぱり、違うのか……大体、特別予算が十万円なんて高いと思ってたんだよね。せいぜい一、二万くらいだよね。
子供のお年玉かって言いたい。それなら尚更あそこまで頑張れるんだろう? マゾなの?
「じゃあ、いくらなの?」
「百万」
「……」
お、おかしいな……疲れているのかな? 今、幻聴が聞こえちゃったよ。
私はゆっくりと深呼吸をする。
ふう……落ち着いた。もう、大丈夫。
「ねえ、いくらだって?」
「百万」
……なんですと? 私の中で今、一瞬だけど時が止まった。百万……百万……百万!
「百万! 百万って百万円の事! 百万ドンじゃなくて!」
「ドンって何?」
「ベトナムのお金! それより、どういうこと! 桁が一つパワーアップしているじゃない!」
「く、苦しい……」
私はるりかの襟首をつかみ、左右前後に振り続ける。
どういうことなの! なんで百万なの! 何かのクイズ番組なの!
「ほのか、落ち着くし。創立三十周年ってことで百万らしいし」
「それなら三十万でしょ!」
何がどうしたら三十周年が百万になっちゃうの! いや、別にそんなことはどうでもいいんだけど!
問題は百万。確か、特別予算は使わなかったお金から出るはず。百万はありえない。どんな予算組みしてるの! おかしいでしょ!
「聞いた話だと、宝くじが当たったらしいし」
「た、宝くじ?」
私はるりかを放り投げ、明日香に詰め寄る。
「そう。特別予算をもらった部が備品を購入したんだけど、そのとき、オマケで宝くじをもらったし。その宝くじが見事、百万を当てたし。その金額をまるまる今年の特別予算枠に入れたって話だし」
「それ、本当なの!」
「間違いないし。でも、百万円がもらえるわけではないし。あくまで賞をとった部かクラスがそのお金を使って備品とかを買うためのお金……って、ほのか?」
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
浮気性の旦那から離婚届が届きました。お礼に感謝状を送りつけます。
京月
恋愛
旦那は騎士団長という素晴らしい役職についているが人としては最悪の男だった。妻のローゼは日々の旦那への不満が爆発し旦那を家から追い出したところ数日後に離婚届が届いた。
「今の住所が書いてある…フフフ、感謝状を書くべきね」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる