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十七章

十七話 ヤナギ -愛の悲しみ-  その七

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「どうでした? 傑作ですよね!」
「どこが! 絶望したYO! 伊藤さんには!」

 WHY? 男の子の好きそうな展開を沢山取り入れたのに。ハーレム設定を取り入れつつ、なおかつ男女の心理を考慮した小説なのに。
 もう、古見君ってワガママだよね。

 ちなみに逆ハーレムもパーティーとしてはあまりよくない。
 オンラインゲームだとギルドに女性プレイヤーが入った瞬間、ギルド内がかなり険悪になったと、今のギルメンから愚痴ぐちられたことがある。
 私は女の子だけど、男のキャラでゲームをしている。

 オンラインゲームでは、女性プレイヤーが少ない。なので、男性プレイヤーはみんな女性プレイヤーにいいところを見せようとしたり、ちやほやしてしまうことで、女性プレイヤーはお姫様扱いになってしまう。
 それにうんざりしたギルメンがギルドから離れていき、ギルドは壊滅状態に。これはあくまで一例だけどね。

 現実の逆ハーレムもまたしかり。複数の男の子がいて、女の子はより取り見取りかもしれない。
 だけど、現実は一人か二人、口説いてくる男の子がいて、断るとギルドの空気が悪くなる。
 私が悪いのって言いたい雰囲気があるので、八方美人になってしまう。正直、めんどいって言ってた。

 あと、逆ハーレムの男の子達はお互い気を使って、女の子と関係を持ちにくい。
 男の子の考え方だと、友達の好きな人を好きになるのはタブーみたいな考えを持つ人がいるから。牽制もあるだろうし。
 女の子もそんな中で男の子を選ぶとしたら、慎重になるだろから男女の仲になりにくい。
 そう考えると、男女のトラブルは逆ハーレムの方が少ないともいえなくもない。

 余談だけど、女の子は牽制けんせいしまくり。野球で例えるなら、牽制球を10で例えると、ストライクは2くらい。それくらい、お互い牽制しちゃう。場外乱闘(スマホで悪口)が基本だし。

 ええっと、話がそれちゃったから戻すね。
 要はハーレムって人間関係が複雑で大変って事。
 古見君達が浮気しないよう、ハーレムの厳しさを説いたつもりなんだけど、古見君は頭を抱え、抗議してきた。

「おっかしーよ! 伊藤さんは絶対におかしい! なんなの! あの勇者の遺言は! 救いようがないじゃない!」
「いや、そんなことねーよ。トップが部下を管理できてねえからこうなる」
「まさかの! 一さん!」

 古見君は悲痛な声を上げ、信じられないって顔をしている。
 ふふっ、獅子王さんは分かっていらっしゃる。
 勇者は女の子の気持ちを考えていない時点でこの結末は約束されていたの。
 みんなもチーレムするのなら気を付けてね。ほのかとの約束だよ。

「何うまくまとめようとしてんだ、てめえは。MK5だぞ、こら。やっぱりお前に任せるのはダメだ。誰か台本書けるヤツをマッハで探してこい!」

 ううっ、まさかの降板こうばん。絶対に自信があったのにな……。
 でも、台本書ける人か……誰だろう? 私の知り合いにいたかな? ちなみにMK5とはマジ切れ五秒前だよ。MAJIでKOIする五秒前ではないからね。
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