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十二章

十二話 シャガ -決心- その二

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「私……昔、いじめられてたんです」

 私は長尾先輩達の前で自分の事を話すことにした。なぜ、私が古見君達のことを気にかけているのか知ってほしいから。
 これ以上は私の我が儘。風紀委員のみんなを巻き込んでしまった以上、私の正直な気持ちを打ち明けるべきだと思う。

 だから、話した。
 昔、私はいじめられていたこと、自分を変えようとして頑張ったこと、周りに合わせていたせいで三股問題になったこと、それを橘先輩に助けてもらったこと、でも、実際には何も解決していなかったこと、そんな私を先輩が助けてくれたこと。

 古見君が獅子王先輩の為に身を引いたこと、同性愛に苦しんでいること、獅子王先輩にちゃんと古見君の気持ちを理解してもらいたいこと、全てを話した。
 あきらめたくない理由は、先輩のように納得いかないことを認めたくないから。納得いかないのは恋愛で不幸になること。だから、私はあがいてるんだと。

 本音はみんなが協力してくれたらって思う。でも、みんなにはみんなの立場があるから言えない。
 だけど、見守ってほしい。みんなと対立したくない。

 私は自分の気持ちを全て話した。さいは投げた。
 お願い、みんな! 私の我が儘を許して!

 みんなの反応は様々だ。
 御堂先輩、長尾先輩は目をつぶって腕を組み、押し黙っている。
 サッキーは何か言いたげに悲しい顔をしている。
 黒井さんは感情を押し殺すように黙っている。
 朝乃宮先輩は無表情で何を考えているのかわからない。

 最初に声をかけてくれたのはサッキー。

「ほ、ほのかさん、私……」

 サッキーが何か言おうとしたとき、朝乃宮先輩が右手で押しとめ、さえぎった。

「ちょいまち、咲。もうお昼休みが終わります。帰るで」

 朝乃宮先輩はサッキーの手をひき、教室を出ていこうとする。
 え、えええええ! そりゃないっすよ! どうなるの? みんなは敵になっちゃうの?
 不安に思っていると、朝乃宮先輩が振り向き、穏やかな笑みを浮かべて声をかけてきた。

「伊藤はん」
「は、はい」
「きばりや」

 そう言い残して、朝乃宮先輩達は去っていった。
 御堂先輩は何も話さずに、黒井さんと長尾先輩は私に気遣うように視線を送り、そのまま教室を出た。
 御堂先輩達がいなくなり、張りつめていた空気が消えていくのがわかる。

 私は重いため息をついた。
 結局、どうなったの? 朝乃宮先輩に応援されたってことは、私の味方になってくれるってこと? いや、そんな感じじゃなかったよね。
 はっきりさせてよね、もう! もやもやするじゃない!
 そんな私の肩を叩いてくれる人がいた。明日香とるいかだ。

「ほのほの、あせっちゃだめ」
「そうだし。一回だけじゃなくて何回でもやってみるし。きっと通じるし」

 二人の笑顔がまぶしい。だけどね、明日香、るりか。私、ちゃんと覚えているからね。

「あ~ん~た~た~ち~~~! 裏切ったな!」

 私の味方はなんて頼りないんだろう。
 本当に大丈夫なの?
 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。全然先が見えない。事態はどんどん悪化していく。どうしたらいいの?



 なんだかんだで考えがまとまらず、放課後になっちゃった。
 どうしよう?
 やっぱり、古見君達と話さなきゃいけないよね。

 長尾先輩の情報から、私に残された時間は三日以内。
 長尾先輩が時間を稼いでくれる間にかたを付けなければ、橘先輩は本格的に獅子王先輩達に介入かいにゅうしてくるはず。

 でも、どっちと話せばいいの? 獅子王先輩? 古見君?
 話が通じやすい獅子王先輩かな? いや、古見君を説得しないと結局何も変わらない。
 だけど、私に古見君を説得できるの? 一度、失敗しているのに。

 あのときは古見君のママがいたから場がおさまったけど、今度は? 今度失敗したら、もう取り返しがつかない。一回で成功させないといけない。
 古見君は獅子王先輩の為に、自分に自信がないから拒絶きょぜつしている。

 古見君を説得するには、何が必要なの?
 獅子王先輩なら……古見君の好きな獅子王先輩の言葉なら説得できるかも。
 私だって、好きな人に励ましてもらったらきっと自信が持てる。獅子王先輩がきっとカギになる。
 でも、獅子王先輩はもう古見君との恋をあきらめている。古見君に別れを告げて、アメリカ行きを決行しているから。

 分からない。考えが完全に袋小路に迷っている。
 大体、私は獅子王先輩を説得できるの? もし、失敗したらもう終わり。打つ手がない。
 慎重に事を進めないと。違う。違うでしょ、ほのか。そんな言葉で逃げてどうするの。時間がない。

 決断しなければならない。
 説得するとしたら誰?
 古見君? 獅子王先輩?

「何、ガチガチに固まってるんだ?」
「み、御堂先輩?」

 また! いつの間にか御堂先輩が後ろに立っていた。もしかして、御堂先輩って伊賀の者?
 御堂先輩は親指を立てて廊下を指差す。

「ちょっと顔貸せ」
「ごめんなさい無理ですお金ありません」
「……カツアゲじゃねえよ」



 御堂先輩に連れてこられたのは、屋上だった。
 少し肌寒い風が頬をなで、思わず身がすくむ。
 御堂先輩が私をここに連れてきた理由。
 ま、まさか、喧嘩じゃないよね? そうなったら三秒で負ける自信があるよ。
 に、逃げなきゃ。

「逃げようだなんて、考えるなよ伊藤」

 考え読まれてる!
 こうなったら、通販で買った改造モデルガンでまずは目潰ししてから、連続スタンガンで御堂先輩を気絶される。
 ロープで後ろ手で捕縛。そのとき、両手の親指同士も一緒に結ぶのがポイント。両足も縛って、猿ぐつわもセットで。
 騒いでも見つからないように第二体育館倉庫の跳び箱の中に入れて……。

「伊藤、分かってるよな? 攻撃してきたら容赦しないぞ?」
「……」

 何で分かるの? 野生の勘? 超〇合体しちゃうの? 神出鬼没しんしゅつきぼつだし。
 断〇剣で斬られちゃうの、私?
 先輩、助けて……。

「喧嘩しにきたんじゃねえよ。話をしにきただけだ。で、獅子王先輩のこと、どうするつもりだ?」
「そ、それは……とりあえず、話を……」
「話ならもうしてきたんだろ? 今さら何を話すんだ? 気合でなんとかなることじゃねえだろ? 無駄だ」

 御堂先輩の言葉に心がくじけそうになる。そんなこと分かってる。実際、何を話していいのか、二人のうちどちらから話すのかすら分からない。

 それでも頑張らないと……一人で頑張らないと。
 震える足に力を込め、御堂先輩を睨みつける。

「獅子王先輩達を説得できたとしても、風紀委員はどうする? 橘はやるといったらやるぞ。絶対に手は抜かない。それに藤堂や私もいる。千春と長尾はやる気ないみたいだけどな」
「御堂先輩は橘先輩に味方するんですか? 同性愛を認められませんか?」

 私はわずかな希望を託して、御堂先輩の説得にあたる。この場をなんとかしなければ、先に進めないから。
 でも、御堂先輩は……。

「橘に味方する。同性愛は関係ねえ。橘と約束したからな、風紀委員設立したときにかわした約束がある限り、私は橘の味方だ」

 風紀委員設立? それっていつなの? 御堂先輩が二年生だから一年前なの?
 よくわからないけど、御堂先輩って義理堅い性格だから橘先輩の味方になるってことだよね?
 御堂先輩の説得は無理そう。キツイ……敵がどんどん多くなっていく。

 この状況に心がくじけそうになる。せっかくママに慰めてもらったのに、立ち向かえる力を貰えたのに。
 胸の奥に圧迫感を感じ、考えるのがうつになっていく。

 やっぱり……いや、ダメ。ここであきらめたらもう獅子王先輩達の力になれない気がする。それだけじゃない。
 これからも、どうせ自分が頑張っても何もできない、変えられないって認めてしまうことになる。
 そうなれば、前の私に逆戻り。
 適当に生きて、笑って、嫌なことは納得いかないことは何もせずにじっと我慢してやりすごす。それがクセになってしまう。

 一番イヤなことは、せっかく先輩からもらった自分を変えるチャンスを無駄にしてしまうこと。
 風紀委員になったことも無意味になっちゃう。先輩と出会えた意味がなくなってしまう。

 先輩にはもう嫌われた。
 だから、私にはもうこれしか残されていない気がする。それまで失うのはイヤ……。
 恋愛で、せめて自分の周りにいる人は幸せになって欲しい。そうでなきゃ、誰も救われない。
 救わなきゃ……救わなきゃ……私が……私が……。

「伊藤!」
「は、はい!」
「しっかりしろ! お前がそんな調子で獅子王先輩達を助けることができるのか!」
「そ、そんなこと……言われたって」

 泣くな! 泣いちゃダメでしょ、私。
 前を見るの。うつむいたって意味がない。視界が涙で歪むけど、泣いちゃダメ。

 なんでだろう。風紀委員になってから……先輩に会ってから、泣くことが多くなった気がする。
 私ってこんなに弱いの? 泣き虫なの?

「いじめなくたっていいじゃないですか。よってたかって……」
「本当に泣きたいのは獅子王先輩達だろ? 伊藤はただ余計なお節介せっかいをやいているだけだ。外野が泣くなんて、おかしいだろうが。それに私一人言い負かされてどうする? 藤堂は? 橘は? 二人はもっと容赦しないぞ」
「だったら……だったらどうすれば……」
「手を引け。伊藤一人では荷が重すぎる。伊藤が手を引いたからって獅子王先輩達は伊藤を恨まない。もし、恨まれたら私達が守ってやる。だから、風紀委員に戻ってこい。今なら、戻れる」

 私ってやっぱり誰にも期待されていないの。守られてばかり。
 だったら、もうあきらめて……手放して……楽になった方が……でも……私は……。

「……できません」
「なんだと?」
「できません! っく……ひくっ……うわぁああああああああああ!」

 私は大泣きしてしまった。
 獅子王先輩のことをあきらめるなんて無理! 先輩達と争うなんて無理!
 何度考えても恋愛が誰かを不幸にしてしまうなんて、認めることなんて無理だよ!

「そんなのイヤ! 絶対、イヤ!」
「あ、あのな、伊藤。落ち着け……」
「イ~ヤァ~だ~も~ん! 絶~対~に~イ~ヤァ~だ~も~ん! イヤァ~だ~も~ん!」
「ちょっと、御堂先輩! やりすぎ!」
「ほのかはメンタル豆腐並なんだから、いじめるなし!」

 明日香……るりか……来てくれたんだ。私を庇うように前に立ってくれている。
 私は嬉しくなって、抱きつこうとしたが、さっとよけられる。
 勢いあまって、私は地面にキスしてしまった。

「な~ん~でぇ~よ~」
「だって、ねえ?」
「鼻水つくし」

 うわああああん! やっぱり、私、一人なんだ! 一生、彼氏なんてできずに一人で死んでいくんだ~。

「だぁあああああ! うっせえぞ!」

 御堂先輩が私の両肩を掴む。

「一人で出来ないんなら、最初っから行動するなって言ってんだ! 一人でできることなんてたかがしれてるだろうが!」
「でも……ぐすっ……一人だもん」
「なら、味方を作れ。獅子王先輩達を説得できるヤツらを」

 説得できるヤツら? それって誰?
 誰ならできるの?

「いいか、伊藤。今回だけだからな。今回だけ知恵を貸してやる!」
「御堂先輩の知恵? 喧嘩の方法ですか?」

 それとも、橘先輩に天誅を与える方法? ここは初心に返ってウィンチェスターM1897ソードオフで後ろから奇襲……。

「はあ……教えるのやめていいんだぞ? 風紀委員の妨害もなくなって、獅子王達を説得できる方法があるんだが、知りたくないのなら……」
「教えてくださいお願いしますもう御堂先輩っていけずなんだから!」
「だ、抱きついてくるな! ひぃ! どこに顔を押しつてやがる!」

 だって、そんな奇跡みたいなことあるの! 期待はしないけど聞く価値あるよね! 絶対!

「喧嘩売ってるんだな? そうなんだな?」
「そんなことより早く教えてください! 早く!」
「ほのほののああいうところ、凄いよね」
「厚かましいを通り越して尊敬できるし」

 うるさい! 外野は邪魔しないで!
 私はわらを掴む思いで、御堂先輩の策にすがりついた。
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