115 / 144
116:熱中症対策!
しおりを挟む
「……ううっ……」
「大丈夫か! 伊藤!」
「せ、先輩……私としたことが……油断してしまいました……熱中症です……水……水……」
「熱中症か! 熱中症は自然災害よりも死者数が多いらしいからな! 甘く見たらダメだ! まずは!」
「……何してるんですか?」
「水だ! まずは手と手首を水で冷やす! これも熱中症の対策だ!」
「……し、知りませんでした……ですが、今は水を……」
「大変だ! 伊藤!」
「きゃああああああああ! な、なんで持ち上げるんですか!」
「知ってたか? アスファルトで直射日光の照り返しのある日向は、気象庁の発表する温度よりも10℃以上温度が上がることもあるんだ! そのせいで、大人よりも子供の方が背が低いから暑さを感じて、熱中症になりやすい! だから、少しでもアスファルトの熱を防ぐため、持ち上げたんだ!」
「……で、ですが、より太陽光に近づいた気もするのですが……でも、水を……」
「おおっと! 忘れるところだった! 伊藤、スマホを持っているか?」
「……持ってますけど……水……」
「スマホも熱中症になるからな。バッテリーの推奨環境はそのスマホにもよるが、概ね概ね0℃~35℃らしい。熱くなりすぎるとバッテリーの劣化は勿論、膨張、最悪爆発までするらしいから注意だ! 何かあったとき、助けが呼べなくなる! とにかく、一気に冷やすのは危険だから十円を乗せておくぞ! 熱を吸収する銅の性質を利用して、本体の発熱を外に逃がすことができるからな!」
「……知りませんでした……水を……」
「マズい! 俺としたことが大切なことを忘れてた!」
「水……ですよね……」
パタパタパタ!
「……何しているんですか?」
「扇子で扇いでいるんだ! 基本的な対策を忘れるなんて!」
「……いや……ここ日向で直射日光に当たってますから……せめて、日陰に……それより、水を……」
「ヤバい! 俺としたことが!」
ぎゅう!
「……何してるんですか?」
「親指の爪をつまんでいるんだ。つまんでからピンクの色に戻るまでの時間で熱中症のチェックが出来るんだ! 伊藤! お前は熱中症だ!」
「……もう……いいですから……先輩のポーチにある水を……飲ませてください……」
「ダメだ!」
「……どうして……そんな意地悪を……」
「か、間接キスになるだろ? 恥ずかしい。とにかく! 救急車呼んでくる!」
「み……水を……水を……がくぅ……」
「っていう夢を見たんですよ、先輩」
「……」
「先輩。ケースバイケースって言葉、覚えていてくださいね」
「……伊藤」
「なんでしょう?」
「そんなに水が飲みたいのなら……飲ませてやる! おら!」
「ごぼぉごぼぉごぼぉ! つ、冷たい水の一気飲みは逆効果……ごぼぉ!」
「安心しろ! ぬるくなっているから大丈夫だ!」
「そ、それはそれで効果がうすくなるような……ごぼぉごぼぉ!」
「大丈夫か! 伊藤!」
「せ、先輩……私としたことが……油断してしまいました……熱中症です……水……水……」
「熱中症か! 熱中症は自然災害よりも死者数が多いらしいからな! 甘く見たらダメだ! まずは!」
「……何してるんですか?」
「水だ! まずは手と手首を水で冷やす! これも熱中症の対策だ!」
「……し、知りませんでした……ですが、今は水を……」
「大変だ! 伊藤!」
「きゃああああああああ! な、なんで持ち上げるんですか!」
「知ってたか? アスファルトで直射日光の照り返しのある日向は、気象庁の発表する温度よりも10℃以上温度が上がることもあるんだ! そのせいで、大人よりも子供の方が背が低いから暑さを感じて、熱中症になりやすい! だから、少しでもアスファルトの熱を防ぐため、持ち上げたんだ!」
「……で、ですが、より太陽光に近づいた気もするのですが……でも、水を……」
「おおっと! 忘れるところだった! 伊藤、スマホを持っているか?」
「……持ってますけど……水……」
「スマホも熱中症になるからな。バッテリーの推奨環境はそのスマホにもよるが、概ね概ね0℃~35℃らしい。熱くなりすぎるとバッテリーの劣化は勿論、膨張、最悪爆発までするらしいから注意だ! 何かあったとき、助けが呼べなくなる! とにかく、一気に冷やすのは危険だから十円を乗せておくぞ! 熱を吸収する銅の性質を利用して、本体の発熱を外に逃がすことができるからな!」
「……知りませんでした……水を……」
「マズい! 俺としたことが大切なことを忘れてた!」
「水……ですよね……」
パタパタパタ!
「……何しているんですか?」
「扇子で扇いでいるんだ! 基本的な対策を忘れるなんて!」
「……いや……ここ日向で直射日光に当たってますから……せめて、日陰に……それより、水を……」
「ヤバい! 俺としたことが!」
ぎゅう!
「……何してるんですか?」
「親指の爪をつまんでいるんだ。つまんでからピンクの色に戻るまでの時間で熱中症のチェックが出来るんだ! 伊藤! お前は熱中症だ!」
「……もう……いいですから……先輩のポーチにある水を……飲ませてください……」
「ダメだ!」
「……どうして……そんな意地悪を……」
「か、間接キスになるだろ? 恥ずかしい。とにかく! 救急車呼んでくる!」
「み……水を……水を……がくぅ……」
「っていう夢を見たんですよ、先輩」
「……」
「先輩。ケースバイケースって言葉、覚えていてくださいね」
「……伊藤」
「なんでしょう?」
「そんなに水が飲みたいのなら……飲ませてやる! おら!」
「ごぼぉごぼぉごぼぉ! つ、冷たい水の一気飲みは逆効果……ごぼぉ!」
「安心しろ! ぬるくなっているから大丈夫だ!」
「そ、それはそれで効果がうすくなるような……ごぼぉごぼぉ!」
0
お気に入りに追加
50
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる