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95:青島高等学校七不思議 エピローグ
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「ほのか! ほのか!」
「んん……あれ? 新宮司君? どうして? それにここって……私のベット? うぇええええええ!」
「落ち着け、ほのか。別にてめえの寝起きなんてどうでもいい!」
「ひどい!」
「それよりも頼む。桜の木の下を……掘ってくれ……俺の最後の頼みを……聞いてくれ」
「最後の頼み?」
「桜の木の下を掘ってくれ……」
「桜の木? 何かあるの?」
「頼む……相棒……犯人はお前が七不思議で出会ったヤツらの中にいる……ヒントは最初の話の言葉だ……頼む……」
「ちょっと待って! レディーの部屋に入っておいて、まさか謝罪ですますとかありえないでしょ! 先輩もそうだけど、いい加減……ねえ! ちょっと聞いてる! ねえったら!」
「はぁ! あ、あれ? ここは……私のベット? 新宮司君は? いないし。しかも、パジャマじゃなくて七不思議の調査に着ていた服と……ポケットに屋上で先輩からもらった飴がある……えっ? あれって、夢オチじゃないの! だとしたら、新宮司君の言っていたことって……確かめなきゃ!」
青島高等学校。
「正門の端の桜の木だっけ? あれ? 桜の木の下にいるのって……先輩? せんぱ~~~い!」
「……」
「先輩?」
「……おはよう、伊藤。早いな。何かあったのか?」
「いえ、ちょっと……先輩は桜の木の下で何をしているのですか?」
「……ちょっとな」
「そうですか。あっ、先輩、ちょうどいいや。穴掘るの手伝ってもらえます?」
「穴だと? どこを掘るつもりだ?」
「桜の木の下ですけど?」
「ダメだ」
「なんですか!」
「いや、常識的に考えろ。なぜ、このクソ暑い中、穴を掘る必要がある?」
「せ、正論なんですけど……友達の為です」
「友達?」
「新宮司爽真君です」
「!」
「どうしたんですか、先輩? 顔が真っ青ですよ」
「いや、なんでもない……悪い、用事ができた……帰る」
「先輩? せんぱ~~~~い!」
(本当に帰っちゃった。脂汗かいて早足で帰ったけど、何かあったの? 暑さのせいじゃないよね?)
「あれ、伊藤さんじゃない。早いね」
「チョリッス、橘先輩。橘先輩はどうしてここに?」
「伊藤さんの姿を見かけたからだよ。何をしているの?」
「穴を掘ろうと思いまして」
「……伊藤さんの行動にはいつも驚かされるよ。それで、どうして穴を掘ろうとしていたの?」
「いえ、その……友達の頼みで……」
「友達? 伊藤さんの友達って、トリッキーな人が多いね。類友かな?」
「違いますから。新宮司爽真君です」
「新宮司爽真君……新宮司君だって!」
「ど、どうしたんですか?」
「彼がここを掘れって言ったの? それよりも、どこで彼と会ったの!」
「そ、それはその……(夢の中で会ったとかいえないし)」
「とにかく、穴を掘ってみよう」
「い、いいんですか?」
「僕も気になるからね。ちなみにスコップとシャベルの違い、分かる」
「おおっと! ここで雑学ぶっこんできしたね。足をかける部分があるのがシャベルでないのがスコップですね。では、掘りましょう! あっ、お尻の穴じゃあありませんよ」
「……やめてよね。リアルでトラウマ案件になるじゃない……」
十五分後。
「嘘……白骨死体が出てきた……桜の木の下って墓場なの? 何かのスポットなの?」
「伊藤さん、お手柄だよ。彼をやっと見つけることが出来た」
「彼?」
「新宮司爽真君だよ」
「ええええええっ! 嘘でしょ! これも夢! だって、彼、私とずっと一緒に……一緒に……腹黒王子様だったけど、いなくなると寂しい。でも、ちょっと待って。新宮司君のお告げ? でいいのかな? その通りになった。だとしたら……」
「頼む……相棒……ヒントはお前が七不思議で出会ったヤツらが犯人の名前を言っている……最初の話しの言葉だ……頼む……」
「……嘘でしょ……出会ったヤツら? 犯人の名前? 確か一緒に七不思議を調査したのは、るりかと明日香、朝乃宮先輩とサッキー、古見君と獅子王さん、御堂先輩に黒井さん、真子っちに白部さん、剛に強君、橘先輩に先輩……この中に犯人が? でも、誰? 新宮司君は最初の話の言葉って言ってたよね? それぞれの七不思議のお話の最初の言葉を思い返してみよう」
「犯罪じゃない? 夜中の校舎に入るのって」
「人のこと置いてどこにいったのよ、あの二人……ううっ……どうしよう……音楽室からは出られたけど、一人だと心細い……音楽室って三階にあるし、ここから一人で帰るの、怖いよぉ」
「はぁ……どうにか踊り場の鏡を……解決できたのかな? けど、また一人で寂ちぃ……」
「藤は女、松は男……だっけ? 反対だった気がするけど、獅子王さんも古見君も私を置いていかないでよ……なんだかんだで七不思議のうち、三つをクリアしたわけだけど。もう、帰ってもいいよね? だって、私一人で三つだよ? 褒められることはあっても、非難されることは……」
「堂々と十三階段から生還! やっと、一階まで戻ってこれた…………ちなみに十三階段を上ったところで冥界へ連れ去られるわけもなく、ただの徒労で終わっただけ。もう帰りたい」
「正に怪奇現象だった……さ、流石にちゅかれた~」
「道に迷うことは道を知ることだ……って言うけど、私はどこに向かっているのやら……ふぁ……眠い……午前二時だし……もう帰ろう……七不思議のうち、六つも生き延びたんだし、いいよね……」
「さて、皆さん。ここでクイズです。新宮司君をこんな目に遭わせた犯人は誰でしょうか? 読者の皆様はもう、分かりましたよね? 伊藤ほのかでした」
「んん……あれ? 新宮司君? どうして? それにここって……私のベット? うぇええええええ!」
「落ち着け、ほのか。別にてめえの寝起きなんてどうでもいい!」
「ひどい!」
「それよりも頼む。桜の木の下を……掘ってくれ……俺の最後の頼みを……聞いてくれ」
「最後の頼み?」
「桜の木の下を掘ってくれ……」
「桜の木? 何かあるの?」
「頼む……相棒……犯人はお前が七不思議で出会ったヤツらの中にいる……ヒントは最初の話の言葉だ……頼む……」
「ちょっと待って! レディーの部屋に入っておいて、まさか謝罪ですますとかありえないでしょ! 先輩もそうだけど、いい加減……ねえ! ちょっと聞いてる! ねえったら!」
「はぁ! あ、あれ? ここは……私のベット? 新宮司君は? いないし。しかも、パジャマじゃなくて七不思議の調査に着ていた服と……ポケットに屋上で先輩からもらった飴がある……えっ? あれって、夢オチじゃないの! だとしたら、新宮司君の言っていたことって……確かめなきゃ!」
青島高等学校。
「正門の端の桜の木だっけ? あれ? 桜の木の下にいるのって……先輩? せんぱ~~~い!」
「……」
「先輩?」
「……おはよう、伊藤。早いな。何かあったのか?」
「いえ、ちょっと……先輩は桜の木の下で何をしているのですか?」
「……ちょっとな」
「そうですか。あっ、先輩、ちょうどいいや。穴掘るの手伝ってもらえます?」
「穴だと? どこを掘るつもりだ?」
「桜の木の下ですけど?」
「ダメだ」
「なんですか!」
「いや、常識的に考えろ。なぜ、このクソ暑い中、穴を掘る必要がある?」
「せ、正論なんですけど……友達の為です」
「友達?」
「新宮司爽真君です」
「!」
「どうしたんですか、先輩? 顔が真っ青ですよ」
「いや、なんでもない……悪い、用事ができた……帰る」
「先輩? せんぱ~~~~い!」
(本当に帰っちゃった。脂汗かいて早足で帰ったけど、何かあったの? 暑さのせいじゃないよね?)
「あれ、伊藤さんじゃない。早いね」
「チョリッス、橘先輩。橘先輩はどうしてここに?」
「伊藤さんの姿を見かけたからだよ。何をしているの?」
「穴を掘ろうと思いまして」
「……伊藤さんの行動にはいつも驚かされるよ。それで、どうして穴を掘ろうとしていたの?」
「いえ、その……友達の頼みで……」
「友達? 伊藤さんの友達って、トリッキーな人が多いね。類友かな?」
「違いますから。新宮司爽真君です」
「新宮司爽真君……新宮司君だって!」
「ど、どうしたんですか?」
「彼がここを掘れって言ったの? それよりも、どこで彼と会ったの!」
「そ、それはその……(夢の中で会ったとかいえないし)」
「とにかく、穴を掘ってみよう」
「い、いいんですか?」
「僕も気になるからね。ちなみにスコップとシャベルの違い、分かる」
「おおっと! ここで雑学ぶっこんできしたね。足をかける部分があるのがシャベルでないのがスコップですね。では、掘りましょう! あっ、お尻の穴じゃあありませんよ」
「……やめてよね。リアルでトラウマ案件になるじゃない……」
十五分後。
「嘘……白骨死体が出てきた……桜の木の下って墓場なの? 何かのスポットなの?」
「伊藤さん、お手柄だよ。彼をやっと見つけることが出来た」
「彼?」
「新宮司爽真君だよ」
「ええええええっ! 嘘でしょ! これも夢! だって、彼、私とずっと一緒に……一緒に……腹黒王子様だったけど、いなくなると寂しい。でも、ちょっと待って。新宮司君のお告げ? でいいのかな? その通りになった。だとしたら……」
「頼む……相棒……ヒントはお前が七不思議で出会ったヤツらが犯人の名前を言っている……最初の話しの言葉だ……頼む……」
「……嘘でしょ……出会ったヤツら? 犯人の名前? 確か一緒に七不思議を調査したのは、るりかと明日香、朝乃宮先輩とサッキー、古見君と獅子王さん、御堂先輩に黒井さん、真子っちに白部さん、剛に強君、橘先輩に先輩……この中に犯人が? でも、誰? 新宮司君は最初の話の言葉って言ってたよね? それぞれの七不思議のお話の最初の言葉を思い返してみよう」
「犯罪じゃない? 夜中の校舎に入るのって」
「人のこと置いてどこにいったのよ、あの二人……ううっ……どうしよう……音楽室からは出られたけど、一人だと心細い……音楽室って三階にあるし、ここから一人で帰るの、怖いよぉ」
「はぁ……どうにか踊り場の鏡を……解決できたのかな? けど、また一人で寂ちぃ……」
「藤は女、松は男……だっけ? 反対だった気がするけど、獅子王さんも古見君も私を置いていかないでよ……なんだかんだで七不思議のうち、三つをクリアしたわけだけど。もう、帰ってもいいよね? だって、私一人で三つだよ? 褒められることはあっても、非難されることは……」
「堂々と十三階段から生還! やっと、一階まで戻ってこれた…………ちなみに十三階段を上ったところで冥界へ連れ去られるわけもなく、ただの徒労で終わっただけ。もう帰りたい」
「正に怪奇現象だった……さ、流石にちゅかれた~」
「道に迷うことは道を知ることだ……って言うけど、私はどこに向かっているのやら……ふぁ……眠い……午前二時だし……もう帰ろう……七不思議のうち、六つも生き延びたんだし、いいよね……」
「さて、皆さん。ここでクイズです。新宮司君をこんな目に遭わせた犯人は誰でしょうか? 読者の皆様はもう、分かりましたよね? 伊藤ほのかでした」
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