81 / 144
82:ホワイトデー
しおりを挟む
「突然ですが! ホワイトデーの由来は何でしょう、先輩!」
「……」
「せ、先輩?」
「……」
「ううっ……そうだった……先輩がいないんだっけ……ぐすん。私の隣には……」
「どうかした? 伊藤さん」
(ううっ……知らないうちに私のパートナーは神宮寺 爽真君。笑顔が綺麗な爽やかイケメンなんだけど……)
「い、いえ……なんでも……」
「藤堂先輩なんていないじゃない。その年で痴呆症なの?」
(で、でたー! 少女漫画あるあるのイケメンだけど中身は腹黒毒舌王子! 昔はイケメンだしいいかもって思ったけど、やっぱ無理! もう獅子王先輩でおなかいっぱいですから!)
「そうだ、伊藤さん。今日はホワイトデーだから、僕、忙しいんだ。もう、帰っていい?」
「待ちなさい! 風紀委員として、そんな理由で休んだらだめでしょ!」
「いや、伊藤さんだって同人誌の発売日には休むでしょ」
「なぜそれを知っている!」
「BL好きとか風紀委員としてどうなの?」
「ううううっ……」
「はぁ……仕方ない。ホワイトデーの由来だっけ? お菓子会社の陰謀だっけ?」
「違います! バレンタインは元々、ウァレンティヌス司祭の殉教の日です。皇帝クラウディウス2世が戦士の士気の低下を防ぐために兵士たちの結婚を禁止したんだけど、ウァレンティヌス司祭はそれに反発して兵士達を結婚させていたから、皇帝の怒りを買って処刑されたのが2/14。弔う意味がバレンタインデーの由来ね。3/14はその一ヶ月後の日。改めて二人の永遠の愛を誓い合ったというエピソードからきているわけ」
「なんで一ヶ月なの?」
「つ、月命日てきな?」
「仏教じゃん。キリスト教の司教でしょ?」
(き、キビシー。ツッコミがキツいよ~)
「ちなみにお返しのお菓子に意味があるの?」
「あるみたいですね。マシュマロは『あなたの気持ちを包み込んでお返しします』です」
「そうなの? 口の中に入れるとすぎに溶けて無くなるから、嫌いな人に対してのお返しだって聞いてるけど」
「いやいやいや! そんなことないですよ! 日本でのホワイトデーの起源はマシュマロデーって言われているくらいに有名ですから!」
「まあ、物は言い様だね。でも、お返しのお菓子に意味があるのって面倒。
クッキーは友達でいよう。
キャンディーは好きです。
マカロンは特別な人。
マドレーヌはもっと仲良くなってあなたのことが知りたい。
他にもあるけど、予算で決めてるんだから、別に意味なんてないし」
「言い切っちゃいましたよ、この人!」
「それに3倍返しとか、どんだけ強欲なの、女って。半沢○樹だって倍返しなのに、ありえないでしょ」
「……チェンジ! この人、面倒くさい! 今すぐ先輩に戻して!」
「……」
「せ、先輩?」
「……」
「ううっ……そうだった……先輩がいないんだっけ……ぐすん。私の隣には……」
「どうかした? 伊藤さん」
(ううっ……知らないうちに私のパートナーは神宮寺 爽真君。笑顔が綺麗な爽やかイケメンなんだけど……)
「い、いえ……なんでも……」
「藤堂先輩なんていないじゃない。その年で痴呆症なの?」
(で、でたー! 少女漫画あるあるのイケメンだけど中身は腹黒毒舌王子! 昔はイケメンだしいいかもって思ったけど、やっぱ無理! もう獅子王先輩でおなかいっぱいですから!)
「そうだ、伊藤さん。今日はホワイトデーだから、僕、忙しいんだ。もう、帰っていい?」
「待ちなさい! 風紀委員として、そんな理由で休んだらだめでしょ!」
「いや、伊藤さんだって同人誌の発売日には休むでしょ」
「なぜそれを知っている!」
「BL好きとか風紀委員としてどうなの?」
「ううううっ……」
「はぁ……仕方ない。ホワイトデーの由来だっけ? お菓子会社の陰謀だっけ?」
「違います! バレンタインは元々、ウァレンティヌス司祭の殉教の日です。皇帝クラウディウス2世が戦士の士気の低下を防ぐために兵士たちの結婚を禁止したんだけど、ウァレンティヌス司祭はそれに反発して兵士達を結婚させていたから、皇帝の怒りを買って処刑されたのが2/14。弔う意味がバレンタインデーの由来ね。3/14はその一ヶ月後の日。改めて二人の永遠の愛を誓い合ったというエピソードからきているわけ」
「なんで一ヶ月なの?」
「つ、月命日てきな?」
「仏教じゃん。キリスト教の司教でしょ?」
(き、キビシー。ツッコミがキツいよ~)
「ちなみにお返しのお菓子に意味があるの?」
「あるみたいですね。マシュマロは『あなたの気持ちを包み込んでお返しします』です」
「そうなの? 口の中に入れるとすぎに溶けて無くなるから、嫌いな人に対してのお返しだって聞いてるけど」
「いやいやいや! そんなことないですよ! 日本でのホワイトデーの起源はマシュマロデーって言われているくらいに有名ですから!」
「まあ、物は言い様だね。でも、お返しのお菓子に意味があるのって面倒。
クッキーは友達でいよう。
キャンディーは好きです。
マカロンは特別な人。
マドレーヌはもっと仲良くなってあなたのことが知りたい。
他にもあるけど、予算で決めてるんだから、別に意味なんてないし」
「言い切っちゃいましたよ、この人!」
「それに3倍返しとか、どんだけ強欲なの、女って。半沢○樹だって倍返しなのに、ありえないでしょ」
「……チェンジ! この人、面倒くさい! 今すぐ先輩に戻して!」
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
浮気性の旦那から離婚届が届きました。お礼に感謝状を送りつけます。
京月
恋愛
旦那は騎士団長という素晴らしい役職についているが人としては最悪の男だった。妻のローゼは日々の旦那への不満が爆発し旦那を家から追い出したところ数日後に離婚届が届いた。
「今の住所が書いてある…フフフ、感謝状を書くべきね」
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
側室の妊娠により正妃は婚約破棄されました。愛して貰えなかった正妃はどうしたらいいの?
五月ふう
恋愛
「今日はね、ソラに
一つ嬉しい知らせがあって
教えに来たのよ。」
「なによ?
貴方がこの城を出ていくの?」
私にとって、
それ以上の知らせはない。
「いいえ。
私ね、
フィリップの子供を
妊娠したの。 」
「え、、、?」
側室である貴方がが、
正妃である私より先に妊娠したら、
私はどうなるの、、?
「ああ、
そんなにびっくりしないで。
ソラは正妃としての仕事を
そのまま続けてくれていいのよ。」
私は助かったの、かな、、?
「お飾りの正妃として、
このまま頑張ってね。
ソラ。」
その言葉は私を絶望させた。
義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
coco
恋愛
可愛い義妹と一緒になり、私を邪魔者扱いする婚約者。
耐えきれなくなった私は、ついに家出を決意するが…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる