19 / 144
19:インフルエンザ
しおりを挟む
「寒いですね……」
「ああ……」
「……」
「……」
「ちょっとちょっとちょっと! 話が終わっちゃったじゃないですか! 大寒日だからって、寒さに負けず、盛り上がっていきましょうよ!」
「伊藤は寒さに強そうだな。流石は真冬でもミニスカで素足を出している事はある。タイツくらいは履いておけよ」
「雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ女子高生の可愛さを追求した素足をナメないでください」
「宮沢なにがしか、己は……へっぷし!」
「あら、やだ、先輩。くしゃみ可愛い」
「ほっとけ。少し風邪気味なんだ」
「先輩でも風邪を引くんですね」
「俺のこと、バカにしてるのか?」
「バカ真面目だって言いたいんです。風邪を引いているのなら、一日くらい見回りを休めばいいのに。私、心配しているんですよ」
「……ほっておけ、と言いたいところだが、伊藤に風邪をうつしでもしたら大変だ。今日は切り上げるか」
「そうですね。あっ、ちゃんと病院に行ってくださいね。最近、インフルエンザが流行っているみたいですから」
「確かにな。一応、予防接種はうけているから、さほど問題ないと思うのだが」
「油断大敵ですよ、先輩。予防接種を受けたからって、インフルエンザにかかる人はいるみたいですから」
「だろうな。予防接種は発病や発病後の重症化を予防する為のものだからな。過信せず、他にも対策を立てるべきだ」
「ですよね~。先輩、知ってます? うがいってインフルエンザの予防には全然効果がないんですって。インフルエンザウイルスがのどの粘膜や気管支の細胞に付着した場合、細胞の中へ侵入するのに要する時間は数分から二十分らしいです。つまり、付着した後、うがいを数分以内にしないとダメなんですけど、無理ですよね? そんなこと」
「ケースバイケースだと思うがな。うがいをすることでウイルスを物理的に除去できるらしいし、対策の一つとして知っておいて損はないと思うぞ。手洗いやマスクもあまり効果がないみたいなことを言われているが、口を触ってしまうクセのある人はそこからウイルスがはいる可能性があるから手洗いをしておくべきだと思うし、マスクで予防できなくても、乾燥を防ぐ、くしゃみをとばさずにすむメリットはある。大切なのは自分の出来る範囲であまり神経質にならずに行動する事だと俺は思う。気にしすぎたらストレスになって健康にもよくないからな」
「小さな事からコツコツと、塵積ですね。私もできる事から始めようと思います。では、早速、私もできる事から始めましょう! むぎゅ~」
「……なぜ、腕に抱きつく、伊藤」
「ほら、温かいでしょ? 病気の時は体を温めるのがいいって言いますし。お互い体をくっつけて温めあえれば、寒さも吹き飛びますし、一石二鳥ですよね、先輩」
「……歩きにくいのだが」
「この正直者! 私の優しさをかえせ!」
「ああ……」
「……」
「……」
「ちょっとちょっとちょっと! 話が終わっちゃったじゃないですか! 大寒日だからって、寒さに負けず、盛り上がっていきましょうよ!」
「伊藤は寒さに強そうだな。流石は真冬でもミニスカで素足を出している事はある。タイツくらいは履いておけよ」
「雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ女子高生の可愛さを追求した素足をナメないでください」
「宮沢なにがしか、己は……へっぷし!」
「あら、やだ、先輩。くしゃみ可愛い」
「ほっとけ。少し風邪気味なんだ」
「先輩でも風邪を引くんですね」
「俺のこと、バカにしてるのか?」
「バカ真面目だって言いたいんです。風邪を引いているのなら、一日くらい見回りを休めばいいのに。私、心配しているんですよ」
「……ほっておけ、と言いたいところだが、伊藤に風邪をうつしでもしたら大変だ。今日は切り上げるか」
「そうですね。あっ、ちゃんと病院に行ってくださいね。最近、インフルエンザが流行っているみたいですから」
「確かにな。一応、予防接種はうけているから、さほど問題ないと思うのだが」
「油断大敵ですよ、先輩。予防接種を受けたからって、インフルエンザにかかる人はいるみたいですから」
「だろうな。予防接種は発病や発病後の重症化を予防する為のものだからな。過信せず、他にも対策を立てるべきだ」
「ですよね~。先輩、知ってます? うがいってインフルエンザの予防には全然効果がないんですって。インフルエンザウイルスがのどの粘膜や気管支の細胞に付着した場合、細胞の中へ侵入するのに要する時間は数分から二十分らしいです。つまり、付着した後、うがいを数分以内にしないとダメなんですけど、無理ですよね? そんなこと」
「ケースバイケースだと思うがな。うがいをすることでウイルスを物理的に除去できるらしいし、対策の一つとして知っておいて損はないと思うぞ。手洗いやマスクもあまり効果がないみたいなことを言われているが、口を触ってしまうクセのある人はそこからウイルスがはいる可能性があるから手洗いをしておくべきだと思うし、マスクで予防できなくても、乾燥を防ぐ、くしゃみをとばさずにすむメリットはある。大切なのは自分の出来る範囲であまり神経質にならずに行動する事だと俺は思う。気にしすぎたらストレスになって健康にもよくないからな」
「小さな事からコツコツと、塵積ですね。私もできる事から始めようと思います。では、早速、私もできる事から始めましょう! むぎゅ~」
「……なぜ、腕に抱きつく、伊藤」
「ほら、温かいでしょ? 病気の時は体を温めるのがいいって言いますし。お互い体をくっつけて温めあえれば、寒さも吹き飛びますし、一石二鳥ですよね、先輩」
「……歩きにくいのだが」
「この正直者! 私の優しさをかえせ!」
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
浮気性の旦那から離婚届が届きました。お礼に感謝状を送りつけます。
京月
恋愛
旦那は騎士団長という素晴らしい役職についているが人としては最悪の男だった。妻のローゼは日々の旦那への不満が爆発し旦那を家から追い出したところ数日後に離婚届が届いた。
「今の住所が書いてある…フフフ、感謝状を書くべきね」
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
側室の妊娠により正妃は婚約破棄されました。愛して貰えなかった正妃はどうしたらいいの?
五月ふう
恋愛
「今日はね、ソラに
一つ嬉しい知らせがあって
教えに来たのよ。」
「なによ?
貴方がこの城を出ていくの?」
私にとって、
それ以上の知らせはない。
「いいえ。
私ね、
フィリップの子供を
妊娠したの。 」
「え、、、?」
側室である貴方がが、
正妃である私より先に妊娠したら、
私はどうなるの、、?
「ああ、
そんなにびっくりしないで。
ソラは正妃としての仕事を
そのまま続けてくれていいのよ。」
私は助かったの、かな、、?
「お飾りの正妃として、
このまま頑張ってね。
ソラ。」
その言葉は私を絶望させた。
義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
coco
恋愛
可愛い義妹と一緒になり、私を邪魔者扱いする婚約者。
耐えきれなくなった私は、ついに家出を決意するが…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる