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12:夏休み
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「♪~~♪~~~♪」
「……嬉しそうだな、伊藤」
「当たり前じゃないですか! もうすぐ夏休みですし♪ それにそれに! 先輩と遊びに行けますから~。まさに、この夏は至福の時間! 圧・倒・的、かいほぉ~~~~感! 行幸! 行幸! ぎょうこぉーーーー!」
(コ、コイツ、喜びすぎじゃないか? たかが、遊びに行くだけだろ? こっちがこっぱずかしくなるだろうが)
「あっ、先輩。万が一、万が一なんですけど、約束を反故したら……」
「したら?」
「焼き土○座三十秒コースですからね♪」
(ぞくっ!!!!! な、なんてプレシャーかけてきやがる! これほどの殺気、御堂だってだせやしないぞ。それに焼○土下座ってなんだ? なぜか十秒できれば充分誠意をみせたような気がするぞ)
「あっ、先輩、知ってます? 地域によっては夏休みの期間が違うって事」
「ああっ。東北や北海道は他の地域よりも涼しいから夏休みが少し短いところがあるな。その分、冬休みが長いわけだが」
「気候が関係しているってことですかね? 北海道や東北は夏は他の地域よりも涼しい分、夏休みが少ないですけど、その分、冬休みは寒いから長めってことですかね?」
「実はそうでもないんだ。沖縄は夏休みも冬休みも他の地域よりも少ない」
「それって不思議ですよね。沖縄は夏休みが長くてもよさそうなのに」
「だな。やはり、夏休みは長い方が嬉しいよな。家でも塾でも勉強は出来るわけだし」
「ですよね~。それより、先輩。今年の夏はいっぱい遊びましょうね。私も夏はバイトしますし、今度は私が先輩におごってあげますね」
「おごってくれるってことは日給のところでバイトするのか? バイト代って大体月給だから、まとまった金が入るのは八月終わりじゃないのか?」
「あ、ああっ! そうですよね! ど、どうしよう……」
「別におごってくれる必要なんてないんだぞ」
「でもでも、私、先輩の事、財布代わりとか、そんな酷いこと、思っていませんから」
「……待て。誰からそんなことを聞いた?」
「えっ? い、いや~、橘先輩から聞いたんですよ!(ごめんなさい、橘先輩) で、でも、そこが問題じゃなくて、私は先輩と遊びに行けるのが嬉しいんですよ。もちろん、おごってもらえるのって、ほら、私のことを優遇してくれている気がして女の子として嬉しいんですけど、一番嬉しいのは先輩と一緒にいることですから」
「……なあ、伊藤。俺達は……」
「先輩?」
「いや、なんでもない」
「先輩……ずっと一緒にいましょうね。夏休みが終わっても、年が明けても、ずっと、ずっと一緒に……」
「……そうだな。一緒にいてくれるか?」
「はい! これからも、よろしくお願いしますね、先輩!」
「……嬉しそうだな、伊藤」
「当たり前じゃないですか! もうすぐ夏休みですし♪ それにそれに! 先輩と遊びに行けますから~。まさに、この夏は至福の時間! 圧・倒・的、かいほぉ~~~~感! 行幸! 行幸! ぎょうこぉーーーー!」
(コ、コイツ、喜びすぎじゃないか? たかが、遊びに行くだけだろ? こっちがこっぱずかしくなるだろうが)
「あっ、先輩。万が一、万が一なんですけど、約束を反故したら……」
「したら?」
「焼き土○座三十秒コースですからね♪」
(ぞくっ!!!!! な、なんてプレシャーかけてきやがる! これほどの殺気、御堂だってだせやしないぞ。それに焼○土下座ってなんだ? なぜか十秒できれば充分誠意をみせたような気がするぞ)
「あっ、先輩、知ってます? 地域によっては夏休みの期間が違うって事」
「ああっ。東北や北海道は他の地域よりも涼しいから夏休みが少し短いところがあるな。その分、冬休みが長いわけだが」
「気候が関係しているってことですかね? 北海道や東北は夏は他の地域よりも涼しい分、夏休みが少ないですけど、その分、冬休みは寒いから長めってことですかね?」
「実はそうでもないんだ。沖縄は夏休みも冬休みも他の地域よりも少ない」
「それって不思議ですよね。沖縄は夏休みが長くてもよさそうなのに」
「だな。やはり、夏休みは長い方が嬉しいよな。家でも塾でも勉強は出来るわけだし」
「ですよね~。それより、先輩。今年の夏はいっぱい遊びましょうね。私も夏はバイトしますし、今度は私が先輩におごってあげますね」
「おごってくれるってことは日給のところでバイトするのか? バイト代って大体月給だから、まとまった金が入るのは八月終わりじゃないのか?」
「あ、ああっ! そうですよね! ど、どうしよう……」
「別におごってくれる必要なんてないんだぞ」
「でもでも、私、先輩の事、財布代わりとか、そんな酷いこと、思っていませんから」
「……待て。誰からそんなことを聞いた?」
「えっ? い、いや~、橘先輩から聞いたんですよ!(ごめんなさい、橘先輩) で、でも、そこが問題じゃなくて、私は先輩と遊びに行けるのが嬉しいんですよ。もちろん、おごってもらえるのって、ほら、私のことを優遇してくれている気がして女の子として嬉しいんですけど、一番嬉しいのは先輩と一緒にいることですから」
「……なあ、伊藤。俺達は……」
「先輩?」
「いや、なんでもない」
「先輩……ずっと一緒にいましょうね。夏休みが終わっても、年が明けても、ずっと、ずっと一緒に……」
「……そうだな。一緒にいてくれるか?」
「はい! これからも、よろしくお願いしますね、先輩!」
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